公園を散歩中、草むらから「ピーピー」と声がします。見ると鳥のヒナが地面にいます。さて、どうしますか。
@拾い上げて巣を探す
A獣医へ連れて行く
B連れ帰って世話をする
C知らん顔して立ち去る
D一緒に泣く
さて、親切でやったこと、良かれと思ってやったことが全く裏目に出てしまうほど、悲しいことはありませんよね。Dr.ヒルルクのためにアミウダケを取りに行ったチョッパーの悲劇を思い出しませんか。私は思い出しただけで号泣です。というわけで、正解はCです。
なぜ、鳥のヒナが地面にいるのでしょう。例外はありますが、飛ぶ練習中なのです。多くの場合、そのまま立ち去れば親鳥が戻ってきて、ヒナを誘導します。皆さんも、プールで練習中に立ち止っただけなのに、先生が「どうしたっ!」と飛び込んできて、保健室に連れいて行かれたら驚くでしょう。@はそういうことなんです。ABは略取誘拐です。人間にしたら犯罪です。そもそも野生動物を自宅で飼うことは法律で禁じられているということ、何よりも人間に育てられた動物は野生では生きられないことを再認識していただきたいと思います。また、人がそばにいると親鳥は警戒して近寄りません。だからDもだめ。ヒナ鳥にすれば「もうええから早くどっか行ってよ」ということになります。まあ、普通
はそんなことする人はいないと思いますが。
では、ほっておいて猫やカラスに襲われたらどうするのだとの意見もあるでしょう。それでもCの態度が望ましいのです。それが自然なのです。すべての卵が成鳥になれば、世界中からエサとなる虫が消滅します。あらかじめ成長途中での死を踏まえた上での卵の数なんです。(詳しくは
「日本野鳥の会」のサイトをご覧ください)
広場や公園で、ヒナを見かけることはめったにないかと思いますが、ハトや野良猫にエサを与えている人はよく見かけます。こうした行動もヒナを拾うことと同じです。エサを与える行為が、決して動物にとっての利益にならないこと、糞害や病原菌の媒介として地域の住民にとって迷惑なこと、結局、満足しているのはエサを与えている本人だけだということはお分かり頂けると思います。
「動物にエサをあげないでください」という立札にはそうした意味があるのです。