第179回大阪資料・古典籍室小展示「大坂の本屋さん」
更新日:2025年2月1日

『本屋安兵衛引札』【枚/13】
近世の大坂は、出版が盛んなまちでした。当時の本屋さんは、本を店頭で販売するだけでなく、本を出版する版元となったり、読み終わった本を買い取る古本屋となったり、本以外の商品を販売することもあったようです。当時の出版物や本屋さんで働く人、店頭の様子がうかがえる資料をご紹介します。
開催概要
開催期間
令和7年1月20日(月曜日)~3月22日(土曜日)
※平日9時から20時 土曜日9時から17時 入場無料
※期間中の休館日は、毎週日曜日、館内整理日(3月13日(木曜日))と祝日(2月11日(火曜日)、2月24日(月曜日)、3月20日(木曜日))です。
場所
大阪府立中之島図書館 3階 大阪資料・古典籍室1
展示資料一覧
書名 | 著者 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 人倫訓蒙図彙 4 | [蒔絵師源三郎絵]川上邦基 編集 | 珍書刊行會 | 大正4(1915)年 復刻 |
022/34/# |
2 | 近世書林板元総覧(日本書誌学大系 14) | 井上隆明 著 | 青裳堂書店 | 1981 | 018.3/383/# |
3 | 浪速叢書 第8 | 船越/政一郎 編纂校訂 | 浪速叢書刊行会 | 1928 | 035/5/(2)# |
4 | 本屋安兵衛引札 | – | – | – | 枚/13 |
5 | 綿屋喜兵衛店引札 | 前田徳太郎 | – | 明治再刻 | 枚 -128 |
6 | 本屋新刊広告 | [明治年間] | – | – | 018.3/38/# |
7 | 南総里見八犬傳 |
瀧澤解(馬琴) 著 |
– | – | 朝日/255.6/2 |
8 | 享保以後大阪出版書籍目録 | 大阪図書出版業組合 編纂 | 清文堂出版 | 1964 | 013/67/(2)# |
9 | 慶長以来書賈集覧 | 井上和雄 編 | 彙文堂書店 | 1916 | 018.3/10/# |
10 | 大坂本屋仲間記録 第1巻-第18巻 | 大阪府立中之島図書館 編 | 大阪府立中之島図書館 | 1975-1993 | 018.3/219/# |
※『吉原細見』は、大坂の出版物ではありませんが、今年の大河ドラマで取り上げられている「蔦屋重三郎」が版元を務めた資料のため、併せて展示しています。
サイネージ展示 (*実物の展示はありません)
*各資料のタイトルをクリックすると「おおさかeコレクション」内の各資料のページが開きます。
- 心斎橋通初売之景 (浪華百景之内) 貞信(初代)画 【378/536/#】
正月二日、心斎橋通りの初売りの様子が描かれています。心斎橋筋の船場から島之内にかけては、多くの書肆(本屋)が軒をつらねていました。心斎橋は「浪花第一の繁花」といわれ、とくに順慶町から戎橋までが賑やかだったと記されています。
- 大塩平八郎蔵書売払代金施行票 【甲和397】
大塩平八郎は、天災や飢饉が続き諸物価高騰にあえぐ民衆を救うため、蔵書を売り払うなどして窮民1万軒に金1朱ずつ施すことを決めました。江戸時代の本屋は、古本屋も兼ねていたところもあり、「書林 河内屋喜兵衛」「同 新次郎」「同 記一兵衛」「同 茂兵衛」が名前を連ねています。1万軒分ということですので、625両(1両=16朱)が用意されたようです(1朱は白米二升ほどの価格)。
- 難波雀 水雲子撰 古本屋清左衛門 延宝7(1679)年【甲和/391/#】
大坂最古の地誌・商工案内といわれています。
大坂の稽古本の始めといわれています。
- 好色一代男 (巻八) 井原西鶴著 荒砥屋孫兵衛 天和2(1682)年【甲和/245/#】
巻五から巻八は縹色表紙で荒砥屋板の初刷、挿絵の版下は井原西鶴によるといわれています。浮世草子の始めとなりました。