第184回大阪資料・古典籍室小展示「組み立てる錦絵 立版古」
展示内容
「立版古」は、一枚摺りの錦絵であり、風景や建築、芝居の様子などを一枚の和紙に摺り込み、パーツを切り抜いて立体的に組み立てるようにしたもので、現代のペーパークラフトのようなものです。「立版古」は関西での呼び名であり、江戸時代に錦絵や刷り物など木版印刷物のことを、「はんこう(版行、板版)」と呼んだことに由来すると言われており、「組上絵」「切組燈籠絵」などと呼ばれることもあります。立版古作者には、絵師としての腕前だけでなく、限られた紙面の中に美しく要領よく絵柄を割り付ける科学的な発想とセンスも必要でした。
観賞用の浮世絵とは異なり、組み立てて消耗される版画であるため、一枚ものとして現存するものは少なく、貴重な資料です。今回は当館所蔵資料より、その一部を展示いたします。

『浪速川口松嶋楼切組燈籠の図』
開催期間
令和7年11月17日(月曜日)から令和8年1月17日(土曜日)まで
※平日9時から20時 土曜日9時から17時 入場無料
※期間中の休館日は、日曜日・祝日(11月24日(月曜日)、年末年始12月29日(月曜日)から1月3日(土曜日)、12日(月曜日))です。
場所
大阪府立中之島図書館 3階 大阪資料・古典籍室1
※【】内は当館請求記号です
展示資料一覧
◇ケース内展示資料
| 書名 | 著者名 | 出版社名 | 出版年 | 請求記号 | |
| 1 | 川口伝信機神戸通り蒸気船浪花入津之体切組灯籠 | 長谷川貞信 | 綿屋喜兵衛 | [明治初期] | 枚/461# |
| 2 | 第五回内国勧業博覧会組上之図 | 藤川忠七 | 明治36(1903)年 | 枚/23# | |
| 3 | 大極新版切組燈籠祭礼御神輿ノ図 | 長谷川貞信 | 古鹿吉兵衛 | [明治] | 枚/615# |
| 4 | 浪速川口松嶋楼切組燈籠の図 | 長谷川小信 | 枚/419# | ||
| 5 | 大しんぱん切くみとうろう 妹背山三段目 | 長谷川小信 | 枚/255# |
<サイネージ展示>*現物の展示はありません。書名をクリックすると「おおさかeコレクション」資料にジャンプします。
| 書名 | 著者名 | 出版社名 | 出版年 | 請求記号 | |
| 1 | 仮名手本忠臣蔵 | 長谷川貞信 | 甲雑/112/# |
◇参考文献
| 書名 | 著者名 | 出版社名 | 出版年 | 請求記号 | |
| 1 | 立版古考 | 肥田晧三 | 日本浮世絵協会 | 1966 | 949/79/# |
| 2 | おもちゃ博物館 7 おもちゃ絵・立版古 | 多田敏捷∥編 | 京都書院 | 1992.7 | 759/33N/7 |
| 3 | 池田郷土研究 24(2022) | 「池田郷土史研究」編集委員会学会 | 池田郷土史学会 | 2022.4 | P 21/240NX |