大阪府立図書館

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大阪府立図書館 平成23年度 活動評価のまとめ(重点目標レベル)

更新日:2024年2月21日


大阪府立図書館 平成23年度 活動評価のまとめ(重点目標レベル)

掲載日:2014年2月13日更新

<基本方針 1 >
大阪府立図書館は、市町村立図書館を支え、大阪府全域の図書館サービスを発展させます。

「基本方針1」 総合評価結果

重点目標 評価 評価の理由
1-1 市町村立図書館に関する情報の収集と提供を行い、図書館間相互のさらなる連携・協力を進めます。 前年度に引き続き、人的な交流や情報交換のほか、メーリングリストや「府域図書館向け・協力貸出ポータルサイト」(市町村立図書館限定の情報提供サイト)を通じて、市町村立図書館との情報共有を行った。
「協力貸出に関する調査」など、府域図書館を対象とした複数の調査を実施し、その結果をポータルサイトに掲載などフィードバックしている。
毎年2回実施している協力業務担当者連絡会の第2回目には、国立国会図書館関西館の職員を招き、平成24年1月稼働の同館の新サービスについて紹介してもらうことで、情報の共有化を図っている。協力車への添乗では、府立図書館の職員が、43自治体を各2回程度訪問し、各図書館の現状把握及び情報収集にも取り組んだ。
「大阪府内図書館案内展」で府内図書館の情報を一堂に集め、府民に提供する初めての試みを行った。
1-2 市町村立図書館・府立の学校図書館への協力貸出を促進するとともに、市町村立図書館相互の資料物流を支援します。 府立高校への協力貸出は、新たに対象校を3校増やすことができ、17校となった。このうち1校はシャトル便(主に中央と中之島の物流を担当している便)使用の新パターンとなっている。
今年度は、市町村立図書館のニーズ把握のため、平成23年10月に「協力貸出に関する調査(2011)」を実施した。府立図書館からの貸出範囲については、市町村立図書館の77%が満足(「非常に満足」または「やや満足」)と回答しているが、81%の自治体が帯出区分のために協力貸出の申込みができなかったと回答している点については、今後の課題である。
1-3 府域図書館職員のスキルの向上を図り、職員間のつながりの場を提供します。 今年度も、講義形式や実務実習形式の研修を実施し、いずれも参加者の満足度は高くなっている。特に、参考業務研修は例年にない申込者数だったため、一部のコースは同一内容で2回実施した。また、府立図書館から府域図書館に講師を派遣する「情報検索出前講習」を新たに開始し、寝屋川市(試行)に3名、八尾市・富田林市に2名の職員を派遣した。これにより、職場を離れるのが難しい府域図書館職員の研修受講機会を拡大することができた。
中之島図書館で実施したスキルアップ研修「連携しよう!」では、府内の図書館職員を講師に迎え、図書館運営に役立つ情報交換の場を提供した。
1-4 大阪公共図書館協会(OLA)、近畿公共図書館協議会(近公図)等の場を活用して府内図書館活動を推進し、学校図書館、大学図書館、国立国会図書館、専門図書館、類縁機関その他の社会教育機関・施設や行政機関等との連携・協力を広げます。 今年度も、OLA事務局、各種委員会の活動を通じて府内公共図書館との連携や情報共有を進めた。また、近公図事務局、全国公共図書館協議会(全公図)副会長、日本図書館協会(JLA)公共図書館部門連絡幹事等の役割を果たした。特に近公図については、中之島図書館が研究集会の開催を担当し、近畿圏における図書館界の情報共有と情報発信に貢献した。

<基本方針 2 >
大阪府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が情報・知識に到達できるようサポートします。

「基本方針2」 総合評価結果

重点目標 評価 評価の理由
2-1 市町村立図書館や国立国会図書館との役割の違いを考慮しつつ、現在のニーズだけでなく将来の利用を見据えた資料収集・蔵書構築を行います。 資料購入における入札実施の初年度として、一定の歩引き率を確保、府立図書館として必要な専門書や高額図書をある程度まとめて購入するなど、資料費の執行効率を高めるとともに、業者選定における公平性、透明性を高めることができた。商業的に流通しない出版物(研究機関や公益法人等が発行する非売資料等)についても、積極的に寄贈依頼を行うとともに、保存図書館としての位置づけに基づいて、府内市町村立図書館等の除籍図書から当館未所蔵図書を選択して受入れた結果、前年度水準の受入数を確保できている。
電子書籍については状況がめまぐるしく進展しているため、引き続き情報収集を進めるとともに、出版社や国立国会図書館等の動向も見極めて、検討していく。
2-2 大阪府域における「資料の保存図書館」としての役割をはたすため、資料収蔵能力確保に努めるとともに、資料が利用できる環境を整えます。 資料の保存スペースの確保に向け、書庫の現状についての把握、収蔵能力の将来予測を出すことができた。23年度中に中間報告として取りまとめを行った。
「住民生活に光を注ぐ交付金」の活用により、両館ともマイクロ化・デジタル化事業が大きく進展し、資料提供の環境整備に一定の目途をつけることができた。
これを踏まえて、全国的な資料デジタル化の動向についての情報収集を進めつつ、今後のデジタル化計画と効果的な提供方法について検討を進めていく必要がある。
2-3 図書館資料と検索技術に精通した職員(司書)の専門性を生かし、レファレンスや資料提供サービスを充実させます。 リーフレットやパスファインダーの作成、検索講座、スキルアップのための研修への参加や開催など、具体的な取組みは、計画にしたがい、着実に実施することができた。これらの取組成果も活かして、レファレンスサービスへの利用者の理解を深め、利用促進につなげるリーフレット「図書館の力!!」を取りまとめた。
政策立案支援サービスでは、市町村の職員への広報を実施し、実際の利用につながっている。また、懸案であった利用者満足度調査を行い、回答者の92%から「満足」との高い評価を得た。中之島図書館で実施した利用者アンケート調査でも、ビジネス支援に関するレファレンスサービスに高い評価を獲得している。
2-4 図書館利用に障がいのある人へのサービスを充実させ、すべての府民の情報アクセスの確保を進めます。 ニーズが増えている墨字図書の郵送貸出サービスの申込みに対応するため、他館の状況を踏まえて、送付方法の見直しを行い、送料の低減化を図った。
LLブックのリスト作成、活字による読書が困難な方のための利用案内の作成等、サービスの向上と利用促進につながる広報に力を入れている。年度末には、IT講習会、大活字本リスト等の作成を行った。
こども資料室と協力して「楽しい手話」というイベントを継続して実施し、絵本の読み聞かせに手話をつけて、聴覚障がい者も健聴者も楽しめるような内容にしている。職員向け手話講習会にも力を入れて取り組んだ。
来年度の市町村立図書館との意見交換会の実施に向けて、情報収集と検討を進めている。
2-5 ビジネス活動を支援するサービスを充実します。 ビジネス支援サービスについての利活用調査の実施により、利用者の利用実態と満足度の把握を行い、レファレンスサービスについて高い評価を得た。資料収集面では、寄贈依頼に継続して取り組むとともに、「住民生活に光を注ぐ交付金」を活用して通常購入が難しい高額参考資料の収集を行った。外部機関との連携事業を含めた、ビジネスセミナーや講習会等のイベントもさらに充実させることができた。調査ガイド等の作成、インターネット公開にも継続して力を入れ、これらレファレンス関連のコンテンツへのインターネットアクセス数が大きく伸びている。
2-6 来館することなく利用できる遠隔サービスの利便性の向上を図ります。 個人向け「e-レファレンス」の受付件数は大幅に伸びており、昨年度の約2.5倍の件数に達した。件数の増加に対応するとともに、期限内回答率、利用者満足度は高い水準を維持することができた。また、Web複写サービスの受付件数も着実に増加している。
2-7 デジタル情報技術の進展に合わせて環境整備を進めます。 国際児童文学館図書館業務システムの、本体(中央・中之島)図書館業務システムへの統合を完了し、新しい国際児童文学館システムとして運用を開始した。また、無線LAN環境についても、システム上のトラブルはなく、開館時間中100%のサービスを提供できた。

<基本方針 3 >
大阪府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めます。

「基本方針3」 総合評価結果

重点目標 評価 評価の理由
3-1 乳幼児、児童およびYA(ヤングアダルト)、障がいのある子どもなど、すべての子どもの読書やサービスに関する情報の収集と発信を行います。 こども資料室と国際児童文学館の連携による合同選書会議を継続実施し、情報と知識の共有に貢献している。子どもにすすめる本のリスト「ほんだな」、情報提供誌「はらっぱ」を継続して発行した(「ほんだな」は2000部作成、1000機関に配布済)。
3-2 すべての子どもに対するサービスを推進し、取組結果を子ども読書活動の推進に活かします。 中高生対象の「本のPOP広場」の取組みは、引き続き多くの参加を得た。「たのしい手話」の取組みも継続して実施している。「おはなし会」の実施記録の公開に向け、データ整備を進めている。
3-3 学校のニーズ把握を行い、学校支援サービスを展開します。 平成22年度開始の学校支援サービス(学校支援のページ、特別貸出用セット含む)は、サービスの利用者が増加している。また、既存のスクールサービス・デイ、体験学習、インターンシップ等についても、個別の増減はあるものの、全体の参加者数は大きく増加している。
学校支援のページについては、新たにコンクール情報を掲載したほか、「教材開発のための図書館活用ガイド」を更新するなど、内容充実に努めている。
教員の教材開発を支援するための研修(府教育センターと連携)では、今年度も参加者の満足度を調査し、高い満足度を維持している。
3-4 市町村立図書館と連携し、児童およびYAに対するサービスに携わる人材(市町村立図書館職員、学校および学校図書館の司書、司書教諭、ボランティア等)の育成と交流を進めます。 平成22年度に引き続き「子どもの読書活動支援員派遣事業」(講師派遣事業)や「公立図書館と学校との合同研修」等を実施し、それぞれ好評価であった。特に合同研修については、申込者数が大幅に増加しており、ニーズの高さが改めて分かったが、定員を大幅に上回っていたため抽選等で参加者数を調整する必要があった点は、今後の課題である。そのほか、従来から実施している各種の研修や連絡会についても、多くの参加を得た。
3-5 国際児童文学館機能の充実に向け、資料の収集・整備・活用を図ります。 寄贈の増加を働きかけたことにより、寄贈の割合は平成22年度の38.5%から、平成23年度44.9%まで増加した。
引継資料の整備については、正確な資料整理のための基礎となる、資料整理マニュアルを作成するとともに、「住民生活に光を注ぐ交付金」の活用により、保護カバーの装着事業を大きく進めることができた。
資料の利活用拡大に向けた広報の取組みを強化する一方、国際児童文学館のあり方の検討を加速させている。
3-6 豊富な資料と児童サービスにおける専門性を生かして各種事業を行うとともに、外部機関との連携を強化します。 移転前からの実施事業「新刊紹介講座」を継続実施し、今年度は職員も講師に加わった。室内での小展示とその解説(ギャラリートーク)・集客のためのワークショップを行った。1周年記念イベントは話題を呼び、当日は281人の参加を得た。
財団法人国際児童文学館との連携により日本児童図書出版協会の見学を受け入れた。文化庁委託平成23年度メディア芸術デジタルアーカイブ事業に協力している。

<基本方針 4>
大阪府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。

「基本方針4」 総合評価結果

重点目標 評価 評価の理由
4-1 地域資料を積極的に収集するとともに、古典籍を充実します。 寄贈依頼のシステム変更にともない、一時的に依頼件数が減少したが、10月以降はほぼ前年水準の依頼実績に戻っている。
古典籍収集の課題について購入方法の検討に取りかかり、所蔵資料の確認のためのツールの整備及びマニュアルを作成している。
4-2 地域資料および古典籍に関する情報を整理し、提供します。 平成23年度は、11件のレファレンス事例を公開した。e-レファレンス開始後、本格的な調査を伴うレファレンス依頼が増加していることを受け、収集事例数が増加しているので、公開に向けた作業の効率化が課題である。
「大阪文献データベース」の新規データ登録、行政資料目録の発行を引き続き進めるとともに、データ化されていない資料のデータ登録も着実に進めている。
4-3 大阪の文化に関わる情報を発信し、大阪への理解を広げます。 昨年度に引き続き若い世代向けのワークショップを開催した。今年度は、小展示を人材育成の場として各人テーマを設定するところから始め、展示だけでなくギャラリートークを実施できた。大阪府立大学との共催事業をはじめ、外部機関との連携も広がり、情報発信を強化できた。
4-4 地域資料および古典籍サービスにおける専門性を活かし、外部人材・機関とのネットワークを形成します。 「府内図書館員向け研修」は今年も申込者が予定を超え、2回に分けて実施。
美術館・博物館等の展示貸出・出版掲載の手続の簡便化を目的として、申請書類書式や利用例をホームページに搭載し、前年度より実績が上がっている。
今年度は連携事業を実施できた。「外部人材との協力」に関しては、主催事業で外部人材から協力を得て、展示会の内容を充実させることができた。また、中之島図書館では、『俳諧一枚摺』資料に関する内容調査、中央図書館では「住友文庫」の大学の学術的調査に引き続き協力しており、その成果が徐々に形になろうとしている。

<基本方針 5 >
大阪府立図書館は、府民に開かれた図書館として、府民とともにあゆみます。

「基本方針5」 総合評価結果

重点目標 評価 評価の理由
5-1 府立図書館の役割や活動について理解を広げ、利用促進につながる情報発信を行います。 府立図書館ウェブサイト全体へのアクセス数は、昨年度よりやや減少しているが、両館メールマガジンの登録者数やホームページで提供しているサービスの利用は、昨年度の1.2倍を超えるペースで増加している。
中央図書館の書庫見学ツアーは参加が多く、満足度も高い数字を維持している。中之島図書館では、市町村立図書館と府立図書館との使い分けのPRを含め「大阪府内図書館案内展」を実施し、847名の参加があった。
大学実習、教員・職業技術専門学校からの実習生・視察・見学者の受入人数も引き続き多く、図書館活動への理解促進につながっている。
5-2 図書館運営やサービスに関わる情報公開を推進します。 府立図書館ホームページに、利用者アンケート結果、図書館活動評価、図書館協議会の資料や議事録を掲載した。また、FAQ(よくある質問)の改訂を行った。
5-3 図書館が持つ資料や施設を活用し、府民の生涯学習活動を支援するとともに地域の魅力づくりに貢献します。 今年度も、図書館という「場」を活用し、両館の特徴を活かした多彩なイベントを開催したほか、各種資料展示も実施した。
また、中央図書館については、MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)との共催で大人向け読書会を新たに実施するなど、近隣施設と連携した地域の魅力づくりに着手している。
施設の有効活用を推進する取組みとして、中央図書館1階ブラウジングコーナーを見直し、利用者のニーズを踏まえて「企画展示エリア」「グループ読書エリア」としてリニューアルオープンさせることができた。
5-4 市場化テストによる効果を検証し、効率的な業務体制をつくります。 市場化テスト2年目となり、日々の業務報告や週例・月例会議、工程会議を通じて進捗管理を行い、サービス水準の維持・向上に努めた。概ね円滑な業務運営を行なったが、今後は質の向上に向けた働きかけが必要である。
次期委託に向けて、業務の流れの検証、業務対象範囲の見直し作業に着手した。

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