活動評価 平成25年度のまとめ
更新日:2018年6月29日
中央・中之島両館共通システムと国際児童文学館システムとの初の同時リプレイスを行い、1月より新システムが稼働しました。既存サービスのより安定的・効果的な提供とともに、新たにWeb-OPAC関連機能の拡充や「おおさかeコレクション」の公開等が実現しました。また、情報発信の強化をめざしてホームページの再編を行い、新しい管理システムへ移行しました。
外部機関との連携が各セクションで進展しました。公共図書館の枠を超えた協力関係の構築は、府民への幅広い情報提供に資するものであり、図書館利用の広がりも期待されます。
「基本方針1」
大阪府立図書館は,市町村立図書館を支え,大阪府全域の図書館サービスを発展させます。
市町村間の相互貸借の増加とともに協力車による搬送も継続して増加しています。府立図書館の所蔵資料の提供に加え、搬送手段の提供による府域の相互貸借の活性化が市町村支援の柱として定着してきたことがうかがえます。
協力貸出資料の分析やアンケートから、府立図書館の蔵書として期待される資料は比較的高額で専門性の高いもの、品切れ・絶版本等であることが再確認されました。市町村図書館への資料提供に関しては、従来から府立図書館が「強み」として持つこれらの資料群のさらなる充実に加え、資料の保存が一層重要になると考えられます。研修については、アンケート結果の分析に基づいて新たに初任者向け研修等を実施、参加者数を大幅に増やしました。今後も参加者満足度を高水準で維持することをめざします。
「基本方針2」
大阪府立図書館は,幅広い資料の収集・保存に努め,すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。
蔵書については、個人利用者の74.7%、市町村立図書館の85.3%から「満足」という高い評価を得ました。資料収蔵能力の確保に向け、資料保存ガイドラインを策定するとともに、一部の複本を精査の上除籍するなど具体的な取り組みにも着手しました。
レファレンスでは、利用案内が減少する一方、事実調査が増加し、e-レファレンスの受付件数や政策立案支援サービス利用件数の大幅な伸びとしても現れました。調査ガイドの作成・維持、レファレンス事例のWeb公開、利用者向けセミナーの開催等も着実に行い、府民の調査・研究の支援に努めました。
障がい者サービスでは、府域全体のサービス向上をめざして、24年度に引き続き情報交換会を開催するとともに、新たに民間企業と連携した研修を実施しました。
「基本方針3」
大阪府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。
各種研修や情報交換会は、新規メニューを加えて一層の充実を見ました。こども資料室でのサービス実践の蓄積と国際児童文学館の豊かな資料は、府立図書館の新たな試みを支える基盤となっています。
国際児童文学館では、図書館協議会の提言「大阪府立中央図書館国際児童文学館の今後のあり方について」の実現に向け、外部資金の活用により、街頭紙芝居のデジタル化、資料紹介パンフレットの作成、外国語の利用案内やホームページの作成等を行うとともに、移転資料の再整理に着手しました。目録情報の整備は資料提供サービスの基礎として不可欠であり、その第一歩が踏み出せたことは大きな成果です。
「基本方針4」
大阪府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。
豊富な地域資料と大阪に関するレファレンススキルは確実に蓄積されています。これらの実績は市町村図書館から高く評価され、地域資料に関する出前講習への多くの要望となって現れました。大阪文献データベースの収録データ数も着実に増加し、大阪に関する調査・研究に貢献しています。
庁内他部局や研究機関との連携事業は増加し、大学との連携では韓国の大学との協力関係を築くことができました。外部研究者等とのネットワークも広がっています。建築物としても歴史的価値の高い中之島図書館からの情報発信は、大阪への関心の向上に寄与しました。
デジタル形式で発行される地域資料を収集・提供できる機能を図書館情報システムに導入しました。当面は大阪府の行政資料を対象とし、効率的な運用体制の確立を図ります。また、他機関と連携して大阪の情報を提供する「デジタル大阪ポータル」の実現に向けて取り組みを進めます。
「基本方針5」
大阪府立図書館は、府民に開かれた図書館として、府民とともにあゆみます。
中之島図書館では、耐震補強工事のため、臨時休館やスペースの減少、騒音の発生等、厳しい制約の下でサービスを行いつつ、「大阪府立中之島図書館のあり方検討タスクフォース」において現状の評価やあり方の検討を行いました。その検討結果を踏まえ、国指定の重要文化財である建物、開館以来110年間に蓄積した蔵書や培ってきたノウハウなど特徴を最大限に活かしつつ、27年度を目途に新しいタイプの図書館にリニューアルし、利用者サービスの向上を図ります。
中央図書館では、施設管理費の縮減を目的としたESCO事業の導入準備を進めるとともに、施設管理の効率化・合理化をめざして指定管理者制度の導入準備を進めました。
大阪版市場化テストによる業務委託は契約延長により4年目を迎え、安定的に運営されています。図書館情報システムのリプレイスに当たっても、官民の連携によりスムーズな移行が実現しました。
入館者数・貸出冊数等の利用指標は全国的な傾向と同様、減少傾向にありますが、研修事業では参加者が順調に増加し、参加者満足度も高い水準を示す等、府立図書館の中核的な事業として重みを増しています。外部機関との連携や情報収集を進めた結果、国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスをいち早く導入することができました。今後も外部の新しいサービスを積極的に取り入れつつ、費用対効果も考慮しながらサービス向上に努めてまいります。
「基本方針と重点目標(平成25-27年度)」およびそれに基づく活動評価について
平成25年度
- 重点目標評価シート
- 活動評価 平成25年度のまとめ
- 基礎指標(平成22-25年度)
- 外部評価報告