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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.141

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年10月4日更新

>> No.141 PDF版

なにわづ・題字

2007年9月 No.141

常識のうそ

鳴澤 成泰

女手習教訓書(文政改正女子手習状)

 中之島図書館では毎年、館内で所蔵している江戸時代の古文書を材料に、専門の講師に講演をお願いしている。昨年私も聞かせていただいて、長年疑問に思っていたことがやっとわかった。これは他の人には常識で、私だけが知らなかったのかもしれないことなので、赤面の至りなのだが、当時寺小屋で読み書きに使われた文字があのくずし字であるという。

 当館の資料で、近世の文書、商人がつけた帳面や、当時教科書として発行されたいわゆる往来物と呼ばれる本を見ると、全てくずし字で書かれている。今年展示した俳諧一枚摺でも、俳諧が流れる様な筆致で印刷されている。

 当時の俳人達は、くずし字が読めたということだろうと納得してしまう。なるほど片手に紙をもって、さらさらと筆で書くにはくずし字が書き易い。私が、当時の寺子屋では楷書で練習していたのではないかと思い込んでいたのはテレビの影響である。

 明治の教育改革で教科書が作られ、全国一律の教育が行われた。明治維新からたかだか140年、その間に江戸時代の文書類を読める人が少なくなった。江戸時代は鎖国という状況下ではあったが、中国、朝鮮、オランダなどを通じて世界の情報が適度に入っている。

 今年400年を迎える朝鮮通信使は大阪の港に上陸し江戸へ向かったが、その宿には自ら作った漢詩を携えて教えを請いに駆けつけた文化人がいたという。瓦版を買い、黄表紙などの本を貸し本屋から借りて読むことも行われた。浄瑠璃稽古本が出版され、素人浄瑠璃が盛んになったりしている。

 様々な文化が栄えた江戸時代の大阪について、多くの資料が中之島図書館には所蔵されている。今年からはインターネットでまだ一部分ではあるが、原文を見ることができるようになった。

 これまで研究者の手でいろんな切り口から研究し、紹介されているが、多くの人に当時のありさまを、当時の人の筆跡で読み取っていただきたいものだと思っている。

 当館ではささやかながら古文書講座を開催し、古文書を読む手助けもしてきているが、さまざまな文書に触れ、これまでの常識が覆される驚きと知識を得る喜びをぜひ味わっていただきたい。

(大阪府立中之島図書館長)

特別展示 「俳諧一枚摺-挨拶と披露の配り物-」を開催しました

 平成19年6月11日(月)から30日(土)の間、当館3階文芸ホールにおいて特別展示会「俳諧一枚摺-挨拶と披露の配り物-」を開催し、当館の所蔵する資料を中心に約65点を展示しました。近年、俳諧研究の分野でも、重要な「俳諧文化資料」として注目されている俳諧一枚摺は、俳諧の大衆化とともに俳人間の交流、挨拶の手段として広く流布しました。今回の展示では、俳諧一枚摺の企画、注文、そして配布に至るまでの制作行程を全体の枠組みとし、そこに大衆化の諸相が垣間みえる様に工夫しました。期間中の入場者数は1346名で参加者からは「制作の現場から実作品に到るまで、また江戸から昭和期まで多岐に扱っており、分かりやすかった」「体系だった展示で、図版も完備し、大変勉強になりました」という感想をいただきました。

 関連講演会は7月7日(土)に開催しました。参加者は51名でした。

 大阪城南女子短期大学教授の小林孔(トオル)氏には「俳諧一枚摺の流行」と題して、展示目録をテキストに俳諧一枚摺の作成期間、一枚あたりの値段を示され、一枚摺が大衆化の中でいかに流行していったかを、わかりやすくお話しいただきました。

 また奈良大学教授の永井一彰氏は「一枚摺の板木」と題して実際の板木を手にとって、材料、用途、耐久性について興味深くお話くださいました。実物の板木を参加者の手にとれるように回し、また「板木で摺る」という理解のために本物の和装本を「解体」するなど、「実物」を前にした講演に好評を得ました。

秋の展示会のお知らせ
特別展示「なにわグルメ百景」

平成19年11月5日(月)~21日(水)予定
午前10時~午後5時(8・11・18日は休館)

関連講演会 12月15日(土) 開催予定

 「京の着倒れ、江戸の呑み倒れに、大坂の食い倒れ」 ――― 料亭浮瀬(『浪華の賑ひ』)
 三都を比較する言葉は数あれど、これは、飲食に心をくだく大坂人の気質を表す言葉として、もっとも一般的に使われました。日本料理が確立した江戸時代、大坂は「天下の台所」であり、全国の富と物資が集まる一大経済都市であったことから山海の食材に恵まれ、高級料亭から町の屋台まで、幅広い階層の人がそれぞれに応じた食を楽しむ文化が発達しました。今回は近世から近代にかけての大阪の料亭・料理屋、茶店などを紹介した資料、またそこへ集った人々の諸相、菓子・麺類など様々な食道楽の風景、また大阪特産の野菜に関する資料などを展示いたします。美味なる大阪を満腹になるまでお楽しみください。


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 2005年9月より、月2回(第1・第3水曜日)の頻度でメールマガジンによる情報発信を行っています。セミナーの開催・申込案内や新着図書紹介、ビジネス支援サービス、大阪資料・古典籍に関するトピックを掲載し、登録者数は平成19年7月に1,000名を突破いたしました。登録やバックナンバーの閲覧も当館ホームページ上から簡単にできますので是非ご活用ください。

寄贈二題  -“社史”とくすりの“業界紙”-

社史

 本年4月、株式会社ダイヤモンド社(本社東京)から社史約5,000冊の寄贈を受けた。6月14日にはダイヤモンド社社長鹿谷史明氏、雑誌編集局長坪井賢一氏が来館され、当館館長鳴澤成泰が感謝状を贈呈した。

 社史寄贈は読売・朝日両新聞に紹介記事が掲載され、読売新聞メディア事業部制作のCS放送等でオンエアされた。(注) 坪井氏によればダイヤモンド社の社史受託制作の歴史は長く、現在も行っているという。

 ダイヤモンド社では永年蓄積した社史を一社で保存するよりも広く公共の場で活用してもらいたいと、ビジネス支援サービスを標榜し社史コーナーもある中之島図書館を寄贈先として選ばれた。

 社史・団体史の意義とは、「産業史研究における実証的文献であり、社会風俗、産業技術あるいは地域開発等の史的問題と関連して、他の一般図書では到底得られない独特のインフォメーションソースとして、利用範囲が極めて広い」(『社史・経済団体史目録』中之島図書館刊)ものである。

 今回寄贈いただいた社史の分野は非鉄金属・金融・電機機器・化学・石油・繊維・製紙パルプ・ガラス・鉄鋼・製薬・食品など多岐にわたる。ダイヤモンド社制作の「ポケット社史」シリーズが寄贈された社史にあったがこれは当館未所蔵であった。現在当館には約3,000冊の社史があり、そのうち約2,000冊が社史コーナーに開架されている。このコレクションが更に充実することとなる。寄贈いただいた社史は整理できたものから順次閲覧に供している。

(注)読売新聞:平成19年6月21日夕刊、朝日新聞:平成19年7月5日朝刊、CS放送:「読売ザKANSAI」:7月3日、ケーブルテレビ:「関西トピックス」:平成19年7月2日・3日

くすりの業界紙

 本年7月、日本薬業新聞社(本社大阪)から自社発行の業界紙・『薬業事報』と、その後継紙『日本薬業新聞』の昭和22年9月から平成19年6月までの約60年間分の寄贈を受けた。日本薬業新聞社の創業は昭和21年、大阪本社は中央区淡路町にある。この度、諸般の事情により会社を整理することとなり、『日本薬業新聞』は平成19年6月で廃刊となった。これを機に、薬業界の貴重な新聞の保存を中之島図書館に託されたものである。

 『薬業事報』・『日本薬業新聞』は国の薬務行政、大阪府薬務課の動き、法律改正、新薬の紹介、薬に対する世論など多彩な業界ニュースを届けてきた。例えば、敗戦の荒廃から立ち上がろうとしていた昭和23年の「医師に聴く医薬品」の座談会は、関係者が本音を語り、紙面からは当時の実態が浮かび上がる。産婦人科医からは、よく効く陣痛促進剤が欲しい、これは品薄でヤミは恐ろしく高い、という発言。三流品にはアンプルの中に塵や昆虫が入っていたりする、という発言には驚かされる。昭和38年当時はスーパーの躍進、流通革命と医薬品の販売問題が大きく取り上げられている。

 戦後日本の薬務行政と薬業の歴史を辿れるほか、コラムや広告、製薬会社の登録商標の由来など楽しい記事もある。『薬事時報』・『日本薬業新聞』は閲覧が可能になり次第、館内掲示・メールマガジン等で広報の予定である。

中之島図書館利用者アンケート集計結果
(平成18年9月実施)

 今回の調査は、平成16年度から開始したビジネス支援サービスと大阪資料・古典籍サービスの二本柱による運営と、夜間の開館時間延長及び月曜開館が利用者にどのように受け止められているかを確認する為に実施しました。

 有効回答者数は2,229名で、調査・集計は中之島図書館および大阪市立大学学術情報総合センター・図書館情報学部門と共同でおこないました。

 利用者では会社員・公務員が増加し、図書館ホームページの蔵書検索や横断検索の利用は増加していますが、ビジネスや大阪の様々な情報がまだ十分利用されていないことがわかりました。そこで、ビジネス支援サービスの内容を理解していただくため、今年2月に「中之島のビジネス情報拠点『大阪府立中之島図書館ビジネス支援サービス』」というパンフレットを作成し、周知を図っています。

 満足度調査では「利用時間・曜日」を含めて、ほぼどの項目でも満足と大変満足が増加していますが、ビジネス、大阪・古典籍ともに、様々なサービスのPRが必要であると感じています。なお、調査結果の詳細は、中之島図書館のホームページに掲載していますのでご覧ください。

(ホームページアドレス http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/anketo/an06_top.html )

◆CD・Eyes50 TSR企業情報ファイルが新しくなりました

 ご好評いただいている「CD・Eyes50 TSR企業情報ファイル」が平成19年5月発行の最新版になりました。2階ビジネス資料室1にて、無料で閲覧していただけます。
 なお、プリントアウトはできません。

◆デジタル情報室 インターネット端末の利用が増えています

 ビジネス情報へのアクセスを中心に、たくさんの方にご利用いただいている当室のインターネット端末ですが、利用者の増加により、満席時にご利用をお待ちいただくことが多くなっています。

 そのため、平成19年7月23日より端末の利用時間を1回1時間へと変更させていただきました。当室ではホームページ閲覧の他にも、当館所蔵のCD-ROMや商用データベースを無料でご利用いただけます。

 

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