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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.153

更新日:2020年1月10日

なにわづ・題字

2019年10月 No.153


「おおさかポータル」を公開しました

2019年1月にリリースした「おおさかポータル」(http://osakaportal.library.pref.osaka.jp/)は、大阪に関するあらゆる分野の「事項」を収録し、それについて書かれた文献(図書・雑誌、絵画・写真等)を調べることができるデータベースです。

平成18年度より提供してきた「大阪文献データベース」をリニューアルし、掛け合わせ検索のほか、地図や年表からの検索など、さまざまな切り口でデータにアクセスできるようになりました。また、当館の蔵書検索だけでなく、市町村図書館や国立国会図書館、大学図書館などの外部データベースにワンクリックでつながるリンク機能など、利便性の向上を図りました。

大阪ポータル画面

こうした機能を実現するため、緯度・経度といった空間情報や時間情報、関連サイトのアドレスや他のデータベースと連携するための検索キーなどを登録できるようにしました。今後、データを一層充実させていきたいと考えています。

また、おおさかポータルのデータをもっと幅広く、自由な発想でご活用いただけるように、2019年4月に「おおさかポータルAPI」を公開しました。詳しくは「おおさかポータルAPI」のページ(https://www.library.pref.osaka.jp/site/osakaportal/help-api.html)をご覧ください。

さて、一度おおさかポータルを使ってみましょう。

地図を動かしていくと、天王寺公園の左側に青いピンが立っていました。クリックすると、大阪の観光名所「通天閣」のようです。通天閣の文字をクリックすると、通天閣について書かれた文献リストのページに移りました。通天閣の歴史やビリケンさん、通天閣を歌った流行歌について書かれている興味深い資料もあるようです。資料名をクリックするとそれぞれの資料の詳細画面に。大阪府立図書館の所蔵情報だけでなく、「所蔵館情報」のリンクから近くの図書館での所蔵状況も確認できました。ふたたび「通天閣」のページに戻ると、関連することばとして「新世界」も挙げられています。「新世界」をクリックすると今度は新世界に関する文献リストが表示されました。リストをたどると、「ジャンジャン横丁-林芙美子の描いた庶民のまち」という文章が収録されている『近代大阪の史跡探訪』に目が止まりました。この資料を手がかりに、久しぶりに林芙美子の小説を読んでみようかな…。興味は広がります。

大阪のことをもっと知りたくなったら…。大阪のことなら「おおさかポータル」。ふとした興味・疑問から特定のテーマに関する専門的な調査まで、大阪に関する調べものにぜひご利用ください。

(大阪資料・古典籍課)


平成30年度新収資料紹介     <大阪資料・古典籍課>

平成30年度中に収集した大阪にゆかりのある和古書・既刊書の一部をご紹介します。

                                         ※【 】内は当館の請求記号です。

『連歌手尓於葉大事』

半時庵淡々 宝暦六年(1756)自筆 【甲和1334】

半時庵淡々は江戸中期の俳人。大坂生。松木氏。別号は

渭北・勃窣翁等。元禄元年江戸に出て松尾芭蕉に入門、

宝永頃京都で門戸を張り名声を博した。享保19年(1734)

大坂に移り、浪花ぶり半時庵流と称する俳風を広めた。

           

連歌手迩於葉大事
〔将軍天保山入港〕

『〔将軍天保山入港〕』  

歌川貞秀画【枚550】

十四代将軍家茂の第2回上洛(1864)に

あたり、将軍のお召艦が天保山沖に入港

する様子を描いたもの。

           

 『〔中村歌右衛門 片岡仁左衛門〕』   寿好堂よし国画【枚549】

「よし国」は文化から天保にかけて活躍した大坂の浮世絵師で多くの役者絵を描いている。

『〔磐城平藩〕大坂行役日記』

『〔磐城平藩〕大坂行役日記』〔堀内織衛〕

文政10年(1827) 写 【文書289】

磐城平藩(現在の福島県)の家臣・堀内

織衛が御用により大坂の平藩蔵屋敷を

訪ねた際の記録。

大坂滞在中の交渉過程が克明に記述さ

れ、当時の諸藩と大坂商人の関係を知る

ことができる。 

           

大阪芦辺踊唱歌原稿』 10冊 

【978-6】~【978-24

生田南水作、宇田川文海作を含む

芦辺踊唱歌の原稿10冊。表紙の絵

は俳画家としても知られる生田南水

による。芦辺踊りは南地五花街の

芸妓が総出で演じた舞踊。

           

大阪芦辺踊唱歌原稿

その他、『浪速鉄道線路案内略図』〔189-〕【686.2/12NX】、大阪バス系統図』〔大阪乘合自動車〕 〔19-〕 【685.5/3NX】

等の資料を収集しました。

イベントレポート     <ビジネス支援課>

(1)ビジネス・セミナー「インバウンドと災害-企業が知っておきたい自然災害への備え」

講師:塩見 正成さん(公益財団法人大阪観光局 マーケティング事業部長)

開催日 5月22日(水曜日)18時30分から20時

大阪観光局から講師をお招きし「インバウンド」をテーマとしたセミナーを開催しました。昨年9月に発生した台風21号の際の経験をふまえ「訪日客の受け入れ企業が、災害に対して備えておくべきこと」をメインテーマに、大阪が目指す観光戦略や最近の訪日客の傾向についてもお話しいただきました。

初めに、来阪インバウンド数・来阪観光客数の推移、空港別入国者数や消費額推計など、インバウンドの現状について、次に「食」「スポーツ」「ナイトタイムエコノミー」など、大阪観光局が注力している分野について、お話しいただきました。

その後、台風21号の発生時の大阪観光局の対応を紹介いただきました。実際の対応策として、訪日客による電話での問い合わせの大半が交通情報であったため、観光案内所に多言語の交通情報についての掲示を行ったこと、台風の影響で関西空港を利用できず大阪に残された外国人観光客に対して、大阪周遊パスを無料で配布し、賛同企業との割引コラボ企画などを実施したことをあげられました。当時の観光局の記録からは、日を重ねるごとに観光客の「情報ニーズ」が変化していくことが見て取れました。

また、大阪観光局では2018年2月に観光施設向けの災害時初動対応マニュアルは配布済でしたが、台風21号の教訓を受けて「必要な情報をタイムリーに入手できる一元化したプラットフォーム」の必要性を実感し、現在、構築に着手されているとのことでした。

災害時の企業の対応については、平時から観光案内所で用意されている「災害時対応フロー」や「災害時対応の考え方」などについて共有することや「JNTO観光案内所専用サイト」などの使用による観光案内所と事業者(企業)の間での連携体制の必要性についても言及されました。

ほかにも、様々なテーマについて詳細にお話いただき、充実した内容でした。参加者アンケートでは、「お話も資料もとても分かりやすく、参考になった」との感想が多く寄せられました。

ビジネス・セミナー「インバウンドと災害-企業が知っておきたい自然災害への備え」

(2)大阪中小企業診断士会共催セミナー「学んですぐ実践!仕事力・経営力アップ講座」

当館は今年度、大阪中小企業診断士会と『学んですぐ実践!仕事力・経営力アップ講座』(共催セミナー 全9回)を開催します。ここでは、これまでに開催したセミナーからひとつをご紹介します。

『広告費ゼロ・人脈ゼロ・実績ゼロから始める 売上アップにつながるプレスリリースの書き方・届け方』

講師:中島 史朗さん(中小企業診断士)

開催日 7月17日(水曜日)18時30分から20時

 講師は現在、コンサルタントして企業の広報活動を支援されていますが、もともとは広告代理店から中小企業の広報部署に転職し「広告費ゼロ・人脈ゼロ・実績ゼロ」の環境のもと、試行錯誤しつつ、マスコミに掲載される「プレスリリースの書き方」を体得されたそうです。

セミナーでは、プレスリリースに関しての具体的なコツについてお話しいただきました。訴求したいターゲットによりアプローチすべきメディアが異なる具体例、広報先の選定に役立つ資料、プレスリリースを書く上で参考となる資料なども紹介いただきました。加えて、プレスリリースを書き始める前に、マスコミから質問を受けた際に確実な情報や数字をすぐに答えられるように表にまとめて準備をしておいた方が良いこと、新聞社に訪問する際の最適な時間帯、プレスリリースの書式など、講師のこれまでの経験に基づいたノウハウを、細部にわたり丁寧にお話しいただきました。

また実践として、実際に掲載されたプレスリリースのタイトルと、掲載されなかったタイトルを挙げられ、掲載されたタイトルにはどのような特徴があるのかについて、参加者も一緒に検討する時間も設けられました。

多くの方にご参加いただきましたが、参加者のうなずいて聞いていらっしゃる姿や、スライドの内容を熱心にメモされている様子が印象的でした。


令和元年度特別展「江戸時代大坂の医学と医療」を開催しました  <大阪資料・古典籍課>

当時流行町請医師見立

当館は、公共図書館では珍しく20万点に及ぶ古典籍資料を所蔵しています。普段なかなか目にすることのないこれらの資料の展示を、年に2回、3階展示室で「特別展」として開催しています。

令和元年度1回目の特別展は「江戸時代大坂の医学と医療」と題し、6月14日から7月31日まで開催しました。

医学・ライフサイエンス分野の最先端の研究機関、企業等が集積し、注目を集める大阪・関西。そのルーツは江戸時代にさかのぼります。実証と臨床を重んじ、新たな学説を取り入れつつ、発展を遂げた江戸時代大坂・上方の医学。江戸時代はまた、一般向けの医学書も多数刊行され、医療知識が広がりを見せた時代でもありました。

こうした江戸時代大坂の医学と医療の足跡がうかがえる資料を、医学関係の貴重な資料が多く含まれる当館の特別コレクション「石崎文庫」「森田文庫」「三井文庫」の資料などを中心に展示しました。会期中、5,636人の方にご覧いただきました。

特別展にあわせ、住友史料館主席研究員の海原亮氏を講師にお迎えし、関連講演会「江戸時代上方の医療環境」を7月9日に開催しました。44名の方にご参加いただき、好評でした。

「当時流行町請医師見立」天保11年

                            【当館請求記号027-10】

大阪企業家ミュージアムとの連携展示について          <ビジネス支援課>

ビジネス支援課では、平成22年より所蔵しているビジネス関連資料などの有効活用を目指して、所蔵資料の企画展示を行っています。ビジネス・トレンドに関するテーマ展示のほか、当館で開催しているセミナー等のイベントに関連した展示、大阪府商工労働部やビジネス支援関連機関等との連携展示といった内容になっています。

大阪産業創造館内にある「大阪企業家ミュージアム」の講座「講座・企業家学」との連携による資料展示もその中のひとつです。「講座・企業家学」は、毎回興味深いテーマのもと大阪に関係する高名な企業家を取り上げ、毎年6月頃と11月頃に4~5回程度の連続講座を年2回開催されています。

当館では、講座の開催される前後1ヶ月ぐらいの期間に、中之島図書館及び中央図書館の府立図書館2館の蔵書の中から講座に関連する企業や業種の資料を選んで展示します。また、中之島図書館内に「講座・企業家学」のポスター・ちらしなどを配置し、「大阪企業家ミュージアム」の広報に協力しています。

一方で、大阪企業家ミュージアムでは講座の参加者に、当館の展示資料リスト・利用案内・ビジネス支援サービス紹介パンフレットなどを配布し、当館のビジネス支援サービスを紹介してくださっています。

お互いにとって、利用(受講)のメイン・ターゲットであるビジネス・パーソンへの情報提供・利用促進の一助となる取り組みであり、この連携は平成25年度より始め、今年度で7年目となりました。

今年の11月にも「企業集団の形成と総合商社の発展」というテーマで4回講座が開催されます。それに合わせて、当館でも10月中旬から年末まで関連資料の展示を行います。どうぞご覧ください。


中之島図書館周辺の地図

開館時間 月~金 午前9時~午後8時
土    午前9時~午後5時

休館日  日曜日・国民の祝日及び休日・年末年始
6月、10月、3月の第2木曜日

大阪府立中之島図書館   
〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
電話(代表) 06-6203-0474

https://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/


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