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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.142

更新日:2008年10月16日

>> No.142 PDF版

なにわづ・題字

2008年9月 No.142

知るを楽しむ

隆�湊 大我 (おもき ひろかず)

明暦新板大坂之図
「明暦新板大坂之図」

今年度、中之島図書館では、「観光の大阪」展と称する小展示をシリーズで実施している。その2回目として「近世大坂の旅」と名付けた展示を行った。近世大坂の名所案内のガイドブックや、大坂から各所に至る道中案内記の展示が主である。その中に大川端を描いた地図があり、「八軒家浜」と思しき場面が小さく描かれている。この地は世界遺産に指定され、観光客が増えている熊野へ至る街道の起点であった。

近世では、京都を発して「くらわんか舟」で知られる枚方宿を経由し、大阪へ至る三十石船の終着点でもあった。その地には、現在、碑も設置され、由来が記されている。何でも八軒の船宿なり飛脚問屋が並んでいたことから、そう名付けられたらしい。交通の結節点としてたいそう賑わったが、交通手段の変遷とともに、次第に忘れられつつあった。ところが、地元町会の熱心な取り組みと、行政の取り組みで、護岸の修景や桜並木の遊歩道の整備などが行われ、船着場としての機能・景観がよみがえった。その少し下流に、当図書館は立地している。

八軒家浜が賑わっていた頃、中之島には多くの蔵屋敷が立ち並んでいたと言う。そこで、疑問。冒頭述べた地図には、中之島も描かれているが、この図書館が建つ場所には、当時何があったのだろうか? 調べ物をする場合、時節柄、インターネットを使って検索をされるのではないだろうか。

ところが、中之島図書館がある場所の来歴については、適当な項目がヒットしない。インターネットには、得手・不得手がある。八軒家浜に関しては、最近話題を集めたためか、検索に不自由はない。しかし一方の中之島は、キーワードがわからず、難しい。そうなれば、図書館のお世話になるしか無いだろう。しかし図書館に行って、やみくもに調べても、目的とするものにめぐり合う幸運はそんなに多くない。時間の無駄遣いとなる可能性もある。そうならないためにも、司書の活用をお勧めする。特にあやふや・あいまいな記載や記憶から調べを進めていく時には、心強い存在となる。

私の場合、家の近くにある図書館へ行き、半時間程度で大方の調べは終了した。芋づる式にいろんな手がかりが得られた。結論から言えば、そこに答を記した資料は見当たらなかったが、必要とする資料が何であるかは判明した。勤め先や家の近くで、ちょっとした伝承を耳にしたり、碑を目にした時、図書館でその来歴等を確認してみてはどうだろうか。実務の上では、多分何の役にも立たないだろうが、知る楽しみを満たしてくれることは請け合いである。

で、疑問の答えは? 知る楽しみを奪いたくないので、ここには書かない。

ところで、冒頭の八軒家浜辺りでは、京阪線の延長工事が最終段階にあり、中之島のほぼ西の端まで鉄道が通じる。京都・大阪間にまた新しい交通路が生まれようとしている。

(大阪府立中之島図書館長)

今年の小展示はシリーズ「観光の大阪」展
-旅行案内書(ガイドブック)に見る大坂 大阪 OSAKA- を開催しています

増補登舩独案内

地域経済の再生に観光産業が注目されています。政府の「ビジット・ジャパン・キャンペーン(YOKOSO JAPAN!)」や大阪府の「観光立都・大阪宣言」、加えて国際会議などのコンベンションや映画やテレビドラマのロケーション誘致など、まちの魅力を高めた観光都市づくりが現在すすめられています。

今年度の大阪資料・古典籍課の小展示では、いま注目されている観光をメインテーマに、過去から現在に至るまでの旅行案内書(ガイドブック)を手がかりに、大阪と観光について通年でシリーズ展示し、「粉もん」「こてこて」「お笑い」だけでない大阪の魅力を伝えていきます。

旅行案内書を「アピール」と「まなざし」の交差点として捉え、これを通して、これまで大阪が観光都市として何を発信し、旅人が大阪に何を見たのかを探っていき、産業としての観光が注目され観光立国を目指す中、これからの大阪の観光のあり方を考える一助とします。

【展示日程 】
第1回 「大大阪観光案内」 5月31日(土)~ 7月 9日(水)
第2回 「近世大坂の旅」 7月11日(金)~ 9月10日(水)
第3回 「郊外電車に乗って」 9月12日(金)~11月12日(水)
第4回 「水都中之島のいまむかし」 11月14日(金)~ 1月 7日(水)
第5回 「Guide Book OSAKA」 1月 9日(金)~ 3月11日(水)

「調査ガイド」を発行しています

中之島図書館では大阪資料・古典籍及びビジネス支援に関する調べものをお手伝いする「調査ガイド」(下記24タイトル)を作成、配布しており、同じ内容のものをホームページでも掲載しています。今後も順次、内容を追加、修正していく予定です。下記アドレスより、ご覧ください。

1.企業情報をしらべる
2.法令のしらべ方
4.府内市町村の広報・市勢要覧・統計書リスト
5.デジタル情報室のオンラインデータベースの使い方
6.大阪の企業情報
7.大阪の名簿
8.大阪の商工名鑑・商工会議所名簿
9.統計情報を調べるには(基礎統計編)
10.新聞記事を検索する
11.判例を調べる
12.大阪のビジネス雑誌〈経済・商業編〉
13.大阪の雑誌〈トレンディ情報編〉
14.大阪の条例
15.大阪の航空写真
16.アジア開発銀行寄託資料
17.文献を探す(基礎篇)
18.地図のしらべかた(基本編)
19.業界・市場動向のしらべかた
20.地価を知る資料
21.ビジネス関連の人物情報を探す
22.大阪の地名を調べるには
23.白書を使って調べる
24.中之島図書館について調べるには
25.大阪のビジネス支援機関
図書館調査ガイド目次

オンライン・データベース入門講座を開催しました

7月22日(火)~24日(木)の3日間、「LexisNexis JP 日本法総合データベース」、「聞蔵2 ビジュアル for libraries」、「日経テレコン21」の3つのデータベースをとりあげて「オンライン・データベース入門講座」を開催いたしました。

最近のデータベースは情報量が多く、検索機能も多機能化しています。そのため、便利である一方、使いこなすことに困難さがあることも否めません。本講座では、データベースの概要と機能とを紹介するだけではなく、“実際に、どのように活用できるのか”ということに重点をおいて案内いたしました。また、講座の内容に詳しい説明を加えた資料を作成し、講座終了後も活用いただけるように、配布いたしました。今後は、さらに多くの方に参加いただけるような時間帯を設定し、定期的に講座を開きたいと考えています。

《オンライン・データベース》とは、インターネットを通じてアクセスする各種の情報源で、日々更新される大量の情報を豊富な機能を使ってスピーディに検索することができます。紙媒体の資料と合わせてご利用いただくことで、図書館での調査の幅がさらに広がります。 現在、当館では9種類の商用オンライン・データベースを導入しています(下記参照)。

  • 聞蔵2ビジュアル for Libraries
  • ヨミダス文書館
  • MAGAZINEPLUS(NICHIGAI/WEBサービス)
  • LexisNexis JP 日本法総合データベース
  • 官報情報検索サービス
  • 日経テレコン21(図書館対応)
  • 毎日Newsパック
  • LexisNexis(レクシスネクシス)
  • 朝日中央インターネット総合ライブラリ

地域からの情報発信 -寄贈雑誌のご紹介-

10月19日、京阪中之島線が開業します。中之島を取り上げた記事も多く見られるようになってきました。中之島という地域に限らず、大阪の街づくり、「地域」への関心が高まっているようです。今年に入ってから『おおさかえぇまち読本 まちづくりに関わるすべての人に向けて』、『都市再生・街づくり学 -大阪発・民主導の実践』、『都市の魅力アップ』なども出版されています。

また、地域からの新しい情報を発信しているコミュニティ誌が大阪にもたくさんあります。 今回はそのうち最近受け入れたものをご紹介します。

○『月刊島民』 1号(2008年8月発行)から所蔵 〔編集・発行人 江弘毅(140B)〕
島とは、なんと中之島のことです。中之島に住む人・働く人・学ぶ人をはじめ、「橋を渡る人はみな島民」と銘打ち、中之島エリアのネタが縦横無尽に紹介されています。1号では当館のガードマンも紹介されており、職員の間でもちょっとした話題となりました。
編集部の方も図書館で所蔵することを大変喜んでくださり、140Bのブログにもそのことを書いていらっしゃいます。作る側の喜びが伝わってきて、保存・提供する図書館も、頑張らなくてはと決意を新たにしました。
フリーマガジンなので皆様への配布用もいただいています。人気がありすぐになくなってしまいますが、他に京阪電車の主要駅などでも配布されています。ぜひ、一度手にとってみてください。

○『月刊フェニックス』 1号(1974年1月)から所蔵
東燃ゼネラル石油堺工場が工場周辺地域の方に向けて発行しているもので、地域の文化・歴史・生活などの情報を提供しています。会社の宣伝記事は全くなく、近隣の方々との交流を深めることを目的としているとのこと。2007年3月には400号を迎え、これだけ続けて発行されている地域誌はとても珍しいそうです。担当の方のお話によると、毎月投稿してくださる方もいるそうです。会ったことはなくても文面での人と人とのつながりを感じられるのが、とても嬉しく励みになるとおっしゃっていたのが印象に残っています。

大阪府内の市町村図書館で府立図書館の本をご利用いただけます

本

大阪府立中之島図書館・府立中央図書館の本をお近くの図書館に取り寄せてご利用いただけます。府立図書館協力車が府内各図書館を週1回巡回し、本をお届けしています。ご希望の本がございましたら、お近くの市町村図書館へ直接お申し込みください。貸出・返却は無料です。ただし本によってはお届けできないものもあります。

また、必要とされる本が中之島図書館になく、ほかの図書館が持っている場合は借り受けるサービスも行っています。府内の図書館にあれば無料で取り寄せることができます。府外の図書館から借り受ける場合は、郵送料をご負担いただくことになります。ご希望の本について「どの図書館が持っているのか」「借りることはできるのか」などは当館2階図書館協力室でご相談ください。

持込パソコン専用席の利用が増えています

当館では、お持ちいただいたパソコンをご利用いただくため、3階デジタル情報室に電源を用意した持込パソコン専用席を8席設けています。当館の所蔵資料を閲覧しながら文書を作成するなど、ご活用いただいております。
平成19年度の利用が一日平均7.6人に対し、今年度は7月までに一日平均13.4人と2倍近くも増加しております。今年度からは、満席時には2時間以上ご利用いただいている方から交代していただいておりますが、更にスムーズな運営を工夫していきたいと考えております。

NHK大阪放送局「トップランナー」の公開録画が行われました

「トップランナー」録画中の様子

8月10日(日)の午後、当館において、作家の有川浩(ありかわ・ひろ)さんをゲストにNHK大阪放送局による「トップランナー オン ザ ロード in 大阪」の公開録画が行われました。
最初に、2階中央ホールの階段で声優の前野智昭さんが、『図書館戦争』の一節を朗読するシーンを収録しました。その後、3階の大阪資料・古典籍室の収録会場に向かい、本編の収録が始まりました。司会の箭内道彦さん、SHIHOさんが上手に話を引き出して、収録はスムーズに進んでいき、観覧者からの質問コーナーでは、たくさんの手が上がりました。
収録後は観覧者、スタッフ、出演者の方々に、普段は公開していない記念室をご覧いただきました。有川さんの代表作『図書館戦争』シリーズにちなんで当館での収録でしたが、皆様に中央ホールドームのステンドグラスなど、伝統のある雰囲気を感じていただけたと思います。

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