大阪府立図書館

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平成23年度第1回大阪府立図書館協議会の概要(平成23年8月31日)

更新日:2019年3月23日

平成23年度 第1回 大阪府立図書館協議会 議事録

日時:平成23年8月31日(水)午後2時~午後4時30分
場所:大阪府立中央図書館 大会議室

1 開会
2 委員紹介
出席委員:(10人)安保委員、岩崎委員、尾崎委員、北委員、高崎委員、谷川委員、秦委員、村上委員、森委員、山崎委員
3 挨拶
4 議事(質疑要旨)

【会長の選任】委員の互選により、山崎委員を会長として選任

【議題1】図書館管理運営業務委託にかかるモニタリング
<委員>
・資料1-2の評価シート7頁、「その他の創意工夫」の項目に「受託者の有する独自の技術・ノウハウや広範なネットワークを活用した質の高いサービス展開を期待します。」とある。
そもそもニューパブリックマネジメントや大阪版市場化においては、民間のノウハウを活かした質の高いサービスの導入が大きな柱であったはず。評価シートの最後にその他の項目としてあげるのは、全体のコンセプトからずれているのではないか。
また、「サービス展開を期待する」という第三者的な表現はいかがなものか。
・2頁のID・パスワードの管理に関して、自分の業務外の操作ができたということは、システム上、パスワードの管理上どうなっているのか。
また、マニュアルにない操作によってデータが破壊されたということだが、本来そのようなことのないようシステムをつくっておくべきである。この件には、管理運営の問題、システム構築の問題の2点がある。

<事務局>
・委員のご指摘のように、「その他の創意工夫」の部分がニューパブリックマネジメントで一番大事な点であると認識している。
事業者と情報交換しながら、民間でなければできないサービスを付加していただけるよう、協議をすすめており、できるだけ早く付加的なサービスが実現できるよう努力してまいりたい。
・また、イベント等についても様々な提案をいただいている。
・ID・パスワードは、業務ごとに付与している。資料情報系のデータ修正であるにもかかわらず、別の業務に係わっているスタッフが、知っていたID・パスワードを使ってデータ修正を試みたものである。この件をうけて、事業者においては、本社も入ってID・パスワードの管理に関する研修を行い、図書館側もID・パスワードの変更を行った。再度こうした事態がおこらないよう留意していきたい。

<委員>
・1頁にある「年度途中に異動が多い」理由はなにか。
・2頁に「不適切な処理・対応が行われ、利用者の不利益を招いた」とあるが、その不利益の内容を具体的に教えていただきたい。
・4頁のアンケート結果において、中之島図書館は中央図書館に比べて、満足度が低く、不満足の割合が高いのはなぜか。

<事務局>
・市場化テストは3ヵ年の契約であり、3年後はまた別の事業者に委託することもありうる。そのような方式の中で、スタッフの中には雇用体系の不安があるのではないかと思われる。
・「不適切な処理による不利益」については、上司に相談しないで、スタッフだけの判断で処理した結果、本来ならばもっと適切な資料を利用者に提供できたにもかかわらず、それができなかったものである。
・中之島図書館のアンケート結果については、前回調査より満足度は前進している。
推測にはなるが、中之島は便利な立地にあるが、一般図書はその場で借りられず、中央図書館を通して借りなければならないという点が不満足の結果の一因ではないかと思われる。

<委員>
・本来の市場化テストの趣旨は、従来行政で実施していた業務を民間が受託した結果、どういうメリットが生まれたかである。受託後1年経過しているので、行政が実施していたときと比べて良くなった点をぜひアピールしていただきたい。
・事業者においても、アンケート結果で不満足の点を項目別に分析されることが大事だと思う。

【議題2】大阪府立図書館活動評価について
○平成22年度の活動評価について
⇒事務局から説明、「外部評価」について部会長から報告

<委員>
・図書館では、活動を精緻かつ真剣に報告していただいているが、評価疲れにならないよう、一定の歯止めを考えておくことが必要である。
⇒平成22年度の評価を承認
○平成23年度のアクションプランについて

<委員>
・重点目標、アクションプランの項目がこれだけ多いと、単年度で成果をだすのは不可能である。評価のための評価にならないよう、各年度に重点的に取り組む活動に対して重み付けをされてはどうか。
また、府民の目線や満足度、図書館を利用されていない方の意見などを含めて検証されたい。

<会長>
・新規事業をスクラップするのは難しく、どんどん事業が積み上がっていくうちに、利用者目線からずれてしまうこともありうる。府民の満足度を精査するとともに、利用者以外の意見も検証されたい。

<事務局>
・アクションプランの末尾に当該年度のポイントを記しており、これらの事業を中心に実施してきたい。また、府民の満足度も視野に入れ、府民にどのように受け止められているかを分析しながら、それぞれのサービスに活かしていきたい。

<委員>
・府民が身近で使いやすいのは、まず市町村図書館である。市民や市町村にも府立図書館のサービスをアピールして、府立図書館への誘導を図られたい。
・以前実施されていた府市の人事交流などは考えられないか。

<事務局>
・人事交流は、現在、国会図書館のみである。市町村のニーズ把握や情報交流を行うため、協力車の運行にあたって、職員が年2回市町村図書館を訪問するなどの工夫をしている。

<委員>
・府立図書館は府民への直接サービスと同時に、市町村を通じた間接的なバックアップサービスが重要である。府立図書館の持ち味を活かした市町村へのサービスとは具体的にどのようなものか。

<事務局>
・アンケートや大阪公共図書館との連携等を通じて、市町村のニーズを把握している。
中小の市町村図書館は行政支援サービスへの取組みが少ないという実態が把握できたので、府立の実施状況を紹介するなどの準備をすすめている。また、レファレンスサービスに関する出前講習を実施し、市町村の環境を利用しながら、情報検索、資料の使い方を紹介するなど、巡回相談だけでは見えない実態把握も行っている。

<委員>
・大阪公共図書館協会は全市町村が加入している。アンケートや統計など、数字に表れるものについては情報共有ができているが、レファレンスについては、レベルが様々である。レファレンスの出前講習では、情報の引き出し方を学ぶことができた。
・基本方針4「大阪の歴史と知の蓄積」の分野は、人材の育成が急務かつ永遠のテーマである。資料を読み解ける人材の育成が大事であり、スペシャリストの育成を念頭においてほしい。

【議題3】レファレンスサービスのあり方について
<委員>
・司書の業務は、情報を収集し、必要な人に提供するものである。民間ではアドバイザリー業務が成立しており、アドバイザリーフィーが存在している。
インターネットで情報が簡単に入手できる時代になっており、図書館に来る人は、知的好奇心を満足させたいだけではなく、高度な情報がほしい人ではないか。
例えば、学術研究のために本を書く人へのレファレンスサービスは十分フィーがとれるし、それができない司書は淘汰されていくと思う。
サービスのレベルをあげていくことは重要であり、経済効果という観点を入れることもできるのではないか。

<委員>
・日本の公立図書館では、図書館法の精神から有料サービスに踏み込むのは難しい。
「全ての人への公平なサービス」から「金銭的支払能力のある人への付加サービス」へ切り替えることになる。理念とポートフォリオの問題である。
・図書館サービスの経済効果については、ニューヨーク公共図書館分館でのベンチャー企業支援サービスのような、ワンクッションおいた経済効果になるのではないか。
中国の国会図書館では野村総研、日本総研のような仕事をしているという例がある。
このような方向は、日本の公立図書館では政治体制や法制度が異なるので難しい。

<委員>
・レファレンスサービスが発展すれば、教育的な効果が大きいと思う。
子どもの頃からレファレンスサービスを利用し、図鑑や百科事典の使い方を教えてもらうといったことを体験すれば、自分で調べられる情報と専門的な知識にもとづいて調べてもらった方がよい情報との区別ができてくる。

<委員>
・学校図書館でのレファレンスは難しい。インターネットは小学校から利用している環境にあるが、偏った情報になりがち。学校教育では、異なった意見を探すよう資料を紹介したり、双方の視点から考えさせたりという教育をしている。
教育の視点からレファレンスサービスのあり方を考えるのは非常に難しいと感じている。

<委員>
・利用者は、図書館のレファレンスサービスを知ると、「こんな便利なものがある」と喜ばれる。レファレンスのあり方を考えるときは、情報への到達の度合い、レファレンスに対する満足度が重要となる。
利用者には、自分が知りたい答えを求めるタイプと調べ方を求めるタイプがある。答えを求める方はレファレンスを誤解されていることがあり、図書館は態度をはっきりしてくことが重要と考える。

【報告】国際児童文学館
<委員>
・児童文学館の研究機能はどうなったのか。

<事務局>
・業務切り分けの中で、研究機能は引き継がないという認識である。図書館は、研究者の調査支援という形で、資料や情報を提供し、サポートしていく。図書館の一般サービスの利用層にも研究者が含まれており、児童文学館の豊富な資料についても、同様に利活用を図っていきたい。

資料1-1 府立図書館管理運営業務委託にかかるモニタリングについて
資料1-2 大阪版市場化テスト モニタリング評価シート
資料2-1 大阪府立図書館 平成22年度 総合評価について [pdf 251KB]
資料2-2 大阪府立図書館 平成22年度 活動評価のまとめ(重点目標レベル)
参考資料1 大阪府立図書館の基本統計 [pdf 186KB]
参考資料2 大阪の未来をつくる図書館をめざして (大阪府立図書館の基本方針と重点目標)
参考資料3 アクション・プランと活動評価[pdf 143KB]
資料2-3 大阪府立図書館の活動評価について(外部評価報告)[pdf 347KB]
資料2-4 大阪府立図書館アクション・プラン [pdf 501KB]
資料3 大阪府立図書館のレファレンスサービスのあり方について
資料4 平成22年度大阪府立中央図書館国際児童文学館活動報告

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