大阪府立図書館

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平成27年度第1回大阪府立図書館協議会活動評価部会の概要(平成27年6月25日)

更新日:2016年3月21日


日時:平成27年6月25日(木曜日)午後3時から午後5時まで
場所:大阪府立中央図書館 多目的室

1 開会

2 委員紹介
出席委員:北委員(部会長)、岸本専門委員、村上委員

3 議事(質疑要旨)
【議題1】平成26年度大阪府立図書館の活動評価について
委  員:「重点目標1-1」において、府立図書館から市町村図書館への協力貸出冊数がやや減っている。府立図書館のコレクションの弱体化や資料提供能力の低下が要因でなければよいがと危惧したが、逆に市町村間の物流冊数は増えている。これは、市町村図書館のコレクションの充実や運行手段の工夫等により市町村間貸借が増えたことが、府立図書館からの協力貸出に影響しているということか。
事務局:協力貸出冊数の減少についてはまず、府域全体の貸出冊数が前年度より減っている影響もあると考えている。府立図書館の蔵書の魅力ということに関しては、一昨年度、市町村図書館に対し、「府立図書館が市町村から期待される資料をどの程度カバーしているか」についてアンケート調査したところ、概ね「7割」との回答だった。残る3割のニーズは現在も府立図書館が収集対象にしていない文庫本等へのニーズではないかと考えている。
委  員:この10年で、情報環境が相当大きく様変わりしている。図書・雑誌の販売金額1兆6千億円に対し、電子書籍がその1割に達しようとしている。国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」をはじめとする電子資料や「青空文庫」の増加、全国の図書館の蔵書情報をインターネット上で検索できるサービスの定着など、様々なアクセスツールや環境が整い、従来の紙と物流だけの仕組みからは大きく情報環境が変化しつつあるのではないかと思う。

委  員:「重点目標1-2」において、研修参加者の満足度が伸びており、達成状況を見ると、研修後の成果を自館に還元できるような研修を計画してこられたようだが、研修にはどのようなニーズがあると考えているか。実務的な研修だけではなく、背景や理論等を深く考えられる研修も有用だと思うがどうか。
事務局:「司書セミナー」では理論的な内容も取り上げているが、各館に持ち帰っての伝達研修は実務的なものが中心かと思われる。参加者には様々な雇用形態の方がおられ、経営や評価等の理論ではなく、明日から役立つ研修を求められることが多い。
委  員:研修には正規職員ではない方々の参加も多いのか。
事務局:実態としては多い。
委  員:正規職員ではない方々について、勤務時間中の研修参加は可能なのか。
事務局:市町村図書館の職員については、個人からの申込みではなく、各図書館からの申込みであるため、そのように理解している。府立図書館の職員については、業務に支障がない範囲で参加を認めている。
委  員:正規の研修だけではなく、非公式な場で府立図書館の職員と市町村図書館の職員がフランクに意見交換をすることも必要であると思うが、そのような機会はあるのか。
事務局:いくつかの研修会事例では、研修後にそのような情報交換会を設けているものもある。

委  員:「重点目標2-2」において、e-レファレンス受付件数が減少しており、達成度「D」となっているが、これは国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」の蓄積及びアクセス数の増加と逆相関関係にあると考えられる。従って、達成度は現行の「D」から1ランクアップへ変更しても差し支えないと思うがよろしいか。
委  員:異議なし。
委  員:ついては、「重点目標 2-2」の総合評価は「×」から「△」へ改める。

委  員:「重点目標2-2」の「レファレンス満足度」をはじめ数値データを扱う項目全てについて、パーセンテージを出すにあたり、単純な四則演算をされているのではないかと推察するが、次期以降、統計数値を扱われる際は信頼係数95%を用いた標準的なアンケートの評価方法を導入いただきたい。
事務局:次期から検討する。

委  員:資料1-3の「レファレンス満足度(H26年3・4月調査)」では、「満足」が73%、「ほぼ満足」が24%となっており、これらを合計すると97%となる。一方、資料1-4に掲載されている「利用者満足度」の「調査相談(平成26年度)」では、中央図書館は84.2%となっており、前年度から約10ポイント下がっている。これらの数値の関係についてお伺いしたい。
事務局:両者はそれぞれ異なる調査である。資料1-4の「利用者満足度」は平成27年1月に実施した来館者アンケートの数値からとったものである。資料1-3の「レファレンス満足度」は平成26年3・4月に実施したもので、カウンターでレファレンスをした後にアンケートを行ったものである。レファレンスを経ての調査であることから、満足度が高くなっていると考えられる。また、資料1-4のアンケート結果が前年度比10ポイント程度下がっていることについては、この数字は「大変満足」と「満足」を合計した割合であるが、平成26年度に「大変満足」が多かったのに対し、平成25年度は「満足」が多く、「やや不満」との間で判断が揺れた結果「満足」の回答が増えた可能性も否定できないことから、これらの差が影響しているのではないかと思料する。
委 員:本来、資料1-4のような調査は、調査期間中にアンケートを来館者何名に配り、回収数がどれだけで、その中でどのような分布をしているのかを統計的に確認し、それに基づいて、この10ポイントが本当に大きな意味をもっているのかどうかを考えるべきものである。

委  員:資料1-3で「レファレンスの総件数は減少しました」とあるが、これは資料1-4の「レファレンス質問件数」の減少に基づくものか。
事務局:お見込みのとおりである。
委  員:資料1-4の「レファレンス質問件数」を見ると、中央図書館は増えており、中之島図書館は減少している。中之島図書館が減少したのはリニューアル工事中の休館日の影響か。
事務局:そのように考えている。
委  員:そうすると、実質的に開館1日あたりの平均値は増加していると考えられることから、それが分かるような表現で記載した方がよい。

委  員:「重点目標3-3」の「小学校との連携によるモデル事業」は、平成25年度・26年度とパイロット的に進められてきたが、27年度もまた「モデル事業」となっている。一般的にモデル事業というのは、1年間実施して、その成果を具体的に展開していくものであると考えるが、27年度もモデル事業が続くのか。
事務局:予算等の問題に加え、相手校の事情もあり、具体的に進められていない部分がある。実際できているのは、修学旅行前の調べ学習や選書の支援などである。
委  員:学校については設置者責任があり、小中学校は市町村が設置していることから、本事業も場合によっては市町村図書館をワンクッション置いた形のサポートとしていく方が自然であると考える。しかし、これは府立図書館直轄事業であり、さらに27年度も引き続き実施するということであるから、今後の展開については十分に検討されたい。

委  員:「重点目標3-4」の「新刊紹介講座の短縮版の実施」は、「重点目標3-2」でも同じことを評価しており、重複している。同じく、「文化庁メディア芸術データベース開発版の一般公開」についても「重点目標2-5」と重複評価となっていることから、いずれかに統一されたい。
委  員:「文化庁メディア芸術データベース開発版」等の一般公開については、公開時に府立図書館において広報や利用体制の整備をしているか。
事務局:広報はまだ実施していないが、今後ホームページ等に掲載する。
委  員:例えば、カウンターで、「文化庁メディア芸術データベース開発版」を検索したいと申し出たら、検索できる体制が整っているか。
事務局:インターネット端末で利用可能である。
事務局:「新刊紹介講座の短縮版の実施」「文化庁メディア芸術データベース開発版の一般公開」に係る重複評価については、国際児童文学館の活動としても大きな成果であると考えているため、「再掲」との注意書きをして掲載したいがよろしいか。
委  員:異議なし。

委  員:「重点目標4-1」のデータベースに係るアクション・プランの記載が、平成25年度は「大阪文献データベースの機能強化について検討」、平成26年度は「デジタル大阪ポータルの基本的な考え方を整理」、平成27年度は「大阪文献データベースの機能強化の実現性を探る」となっているが、同じデータベースであるのに名称が色々あって分かりにくい。また、25年度からのアクション・プランの表現の変遷を見ると、ほとんど実現性がないように感じられるが、これについて見解を伺いたい。
事務局:まず名称の使い分けであるが、「デジタル大阪ポータル」の元になるものが、現在運用中の「大阪文献データベース」である。次に実現性であるが、実現に向けての方策がまだ少しずつしか実行できていないのが現状である。
委  員:「デジタル大阪ポータル」が最終完成形のネーミングで、ある部分をデータ構築したものが「大阪文献データベース」という関係か。
事務局:お見込みのとおりである。
委  員:全体像があって、その中のファーストステップとして、大阪文献データベースを構築していくというのが通常設計であると考える。しかし、アクション・プランを見ると、部分だけを先に実行して、全体の設計については26年度に「基本的な考え方を整理」して、27年度には何もしないということになるがどうか。
事務局:26年度の「基本的な考え方」に基づき、「大阪文献データベース」の機能強化を進めるところから「デジタル大阪ポータル」の実現性を探る意図である。

委  員:全体を通じて相当多くの項目で数値目標が掲げられているが、常に対前年もしくは全期間比で増加をめざすと、必ずしもそれに伴ってヒト・モノ・カネが増えてくるわけではない状況下では無理が生じてくる。従って、27年度以降は、一定の成果が挙がったものについては、日常業務レベルでの自己点検・自己評価の対象として具体的実行策に移していく。そして、重点目標の中ではもう少しメリハリをつけていく方向に、少なくとも第三期のサイクルでは切り替えていくのが適切ではないか。
事務局:今後の課題として検討する。

委  員:資料1-4の基礎指標では厳しい数値が出ているが、これは予算の減少が大きく影響しているものと思料する。こうした中で、全てについて右肩上がりを追求していくのは組織として無理を起こしかねない。故に、その中でどのような取捨選択をしていくかを今後は検討されたい。

【議題2】第三期活動評価 基本方針と重点目標について
委  員:資料2-1の「1. 使命、基本方針、重点目標」の(2)では、基本方針について「一部を変更する。」としているが、これは「文言の一部を変更する。」が妥当ではないか。
事務局:ご指摘のとおり修正する。

委  員:第三期の再編成(資料2-2)については、大きな骨組みとして、第一期と第二期を合わせて「第一次(第一期・第二期)」とし、第三期は「第二次(第三期)」という枠組みとしてはどうか。そうすれば、より柔軟に中身の組み替えができる。具体的には、第一期・第二期と6年経って一定の成果が出たと自己評価したものはルーチンに移して、引き続き実務の中で強化・実行を推し進めていく。例えば、ビジネス支援や国際児童文学館は数年経て一定の成果を挙げ、定着した。特に3年かけて重点的に資源をつぎ込んで実施したいという「重点目標」については、一つの基本方針の中で一つずつ、多くとも二つ程度に縮減してはどうか。その中で3年かけなければならないもの、1年でできるものが出てくるだろうが、それは中身を見て判断すればよい。資料2-2のような一覧表にルーチンに移した項目が記載されていてもよい。重点的に取り組む項目を強調表示するとよい。現状の一覧は、総花的で何を重点だと捉えているかが分かりにくい。
委  員:多くの図書館で自己点検・自己評価がなされており、それが評価のための評価になっている場合があるが、これらはあくまで職員が業務改善につなげるために実施するものである。外部評価はこのような自己点検・自己評価を踏まえて行うものであり、両者は切り分ける必要がある。また、“何をどれだけやったか”というのは自己点検・自己評価の場合は重要であるが、外部評価の場合は、結果として利用者にどう受け止められたかの方が重要であり、これを外部評価の軸とすべきではないか。その意味でも、評価項目は絞っていった方がよい。
委  員:それはまさにアウトカムの評価を重点的にやっていくべきということである。せっかく良いことを実施していても、それがなかなか外に伝わらないことがあるとすれば、アピールの仕方に問題があるのではないか。今後は、実施したことをピンポイントにアピールしていくことが重要になってくる。
事務局:自己評価と外部評価について具体的にイメージしづらい部分がある。自己評価は従前どおりこの形式で行って、それに加えて外部評価を実施するということか。また、自己評価はどの程度のレベルで行えばよいのか。
委  員:自己評価は、職員集団の中で、どういう項目をどのようにチェックして評価し、その結果を業務改善にどうやって活かしていくのかという観点で決めるもの。外部評価は、外に対する「公約」であり、“これをこの期間に重点的に実施する”というもの。その公約がどの程度どのようにして実現されたかをチェックする仕組みがこの評価部会である。そして、この評価の基礎資料になるのが、自己評価の資料である。外部評価は社会への公約、府民への約束という視点で、もう少しメリハリをつけ、重点的な項目に絞っていかれることを提案したい。
委  員:外部評価は、府立図書館が自己点検・自己評価したものを外部の者がオーソライズするということではない。府立図書館の状況を点検・評価するということと、実務を自分達の手で点検・評価して改善していくこととは次元が違ったものとして捉えるべきである。重要なのは、府立図書館の業務を外部の目を通した上で、広く対外的にPRしていくことである。

4 閉会挨拶

5 閉会

資料1-1 重点目標評価シート一覧 [PDFファイル/84KB]  重点目標評価シート [PDFファイル/1.17MB]
資料1-2 評価の基準と重点目標評価シートの記入について [PDFファイル/155KB]
資料1-3 大阪府立図書館の活動評価~平成26年度のまとめ~ [PDFファイル/452KB]
資料1-4 基礎指標(平成23年度~26年度) [PDFファイル/201KB]  大阪府立図書館の基本統計 [PDFファイル/266KB]
資料2-1 第3期「基本方針と重点目標」(案)について [PDFファイル/173KB]
資料2-2 「基本方針と重点目標」第2期~第3期(案)対照 [PDFファイル/143KB]

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