大阪府立図書館の活動評価~平成29年度のまとめ~
更新日:2019年1月29日
第三期大阪府立図書館活動評価の中間年にあたる29年度は、最終年度の目標達成にむけて重点取組業務を進めました。
中央図書館では新規利用者の開拓を模索する中で、府立図書館では初めて行う展示「わたしを館外(おそと)へ連れてって‐貸出0(ゼロ)回本展示‐」やイベント「図書館でボードゲームをする日」などを企画し、広報を積極的に行った結果、様々な媒体で取り上げていただきました。
中之島図書館では、大阪の作家織田作之助のご遺族より新たに小説の原稿、書簡など650点あまりの資料の寄贈を受け、これらを紹介する展示や講演会を実施しました。今後の資料提供や適切な保存のための整理を行い、目録を作成しました(目録は、30年4月にホームページに掲載しています)。
「基本方針1」
府立図書館は、市町村立図書館を支援し、大阪府全域の図書館サービスを一層充実させます。
府域図書館との情報ネットワークのハブとしてメーリングリストの利用を推進し、情報の提供・共有の強化に努めました。
研修事業では、今年度から情報検索出前講習の対象を府立高校も含めて拡大し、実施することができました。内容についても参加者から高い満足度を得ています。一方、研修参加状況をみると4自治体が未参加でした。30年度から情報検索出前講習に新しいメニューを加えて研修内容の充実に努めるとともに、未参加自治体への働きかけを継続します。
府域における資料搬送手段としては、府立図書館の協力車の利用が引き続き増加傾向にあります。協力貸出については、府域図書館利用者への広報を強化していきたいと考えています。
「基本方針2」
府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。

蔵書全般については、個人利用者の88.2%、府域図書館の88.4%から「満足」という評価を得ました。資料収蔵能力の確保に向けて引き続き複本の整理にも取り組み、効果的な蔵書構築をめざしていきます。
府民や府域図書館が情報リソースをより利活用できるよう、大人向け・子ども向け調査ガイドをオープンデータ化しました。レファレンスでは、事例公開数・アクセス数ともに増加しており、定型的な質問が減少し、オンラインデータベース等も含めた幅広い資料を使う複雑な案件が増加傾向にあります。
障がい者サービスでは、国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスへのデータ提供数、利用数ともに増加しています。30年度からは府域図書館職員等にむけて、職員派遣型の新しい研修を実施予定です。
ビジネス支援サービスでは、関連機関と連携をさらに深め、新たなセミナーを企画・実施しました。ビジネス支援サービス実施のための研修会を開催し、近畿一円の図書館からの参加者がありました。30年度も関連機関との連携により、多様なビジネス情報を提供するセミナーを実施していきます。
「基本方針3」
府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。
子どもの読書活動推進に関わる人を対象とする講座等を実施するとともに、社会的課題となっている子どもの貧困対策として「図書館資源を活用した困難地域等における読書・学習機会提供事業」におけるブックリスト、リーフレットの作成に携わりました。また、大阪府教育庁の運営方針にある「英語教育の推進」に合わせ、学校等における英語教育を支援するために英語多読*用図書セットの貸出を開始しました。
国際児童文学館ではタンザニアの絵本作家ジョン・キラカさんの国際講演会とワークショップをはじめ、「むかしの紙芝居を楽しもう!」「ドイツの子どもの本の魅力翻訳者上田真而子の仕事」など、1年を通じて催しを行いました。引き続き様々な分野を専門とする機関等と連携し実施していきます。また、より一層の資料利活用のため、移転資料の再整理も継続します。
*多読:英語習得のため英語初級者でも理解しやすい簡単なストーリーを読み進めることによってたくさんの英語に触れること。
「基本方針4」
府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。

電子資料検索システム「おおさかeコレクション」については、新規コンテンツとして「浄瑠璃本」804件を掲載し、デジタル形態で発行された大阪府の行政資料についても継続して収集・公開しました。
そのほか、立命館大学アートリサーチセンターとの連携による芝居番付の画像検索システムへ新たな資料提供を行いました。
30年度は、「おおさかeコレクション」を更に充実させるとともに、大阪に関する情報発信の新たな拠点となる「デジタル大阪ポータル(仮称)」の31年1月公開に向けて準備を進めます。
中之島図書館では、指定管理者との資料展示、講演会といった共同企画事業を順調に開催し、「古文書講座」は従来の内容に加え、切り口を変えた内容のものも行い、好評でした。
「基本方針5」
府立図書館は、府民に開かれた図書館として、地域の魅力に出会う「場」と機会を提供します。

中央図書館では、生涯学習事業において新たな外部機関との連携を進め、展示や講演会・イベントで好評を得ました。また、多目的室を学習スペースとして開放するなど、府民に開かれた図書館として一層親しまれるべく取り組みました。
中之島図書館では、指定管理者との共同企画展示として、「特別展没後70年記念甦る織田作之助~大阪を駆け抜けた夭折の天才~」や「特別展戦後大阪の文芸展~焼け跡から平成のはじまりまで~」を開催し、船場エリア施設との連携講座など、「大阪」の魅力を再発見でき、その魅力を存分に実感できる「場」の充実に努めました。
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