活動評価 平成26年度のまとめ
更新日:2015年10月29日
中之島図書館では、昨年度から実施していた耐震補強工事が平成26年12月に完了し、その後、外壁洗浄や正面玄関からのフリー入退館を実現可能とするための諸施設整備などのリニューアル工事を実施しました。また、古典籍のデジタル化と電子目録化を進めるなど、平成28年度に予定されている文化事業や施設管理業務等への指定管理者制度導入による新しい図書館づくりに向け着実に準備を進めました。なお、リニューアル工事中の約3か月間は臨時休館しましたが、貸出等のサービスは継続しました。
中央図書館では平成26年9月をもってAV資料室を閉室し、AV資料は障がい者対応仕様のものを中心に限定的に収集する収集方針に改定しました。代わって商用データベースを充実して調査研究機能の強化を図り、新規に導入したデータベースについては利用者向け講習会の実施により広報と利用の活性化を進めました。
府立図書館の貸出冊数、予約数等は全国的な状況と同様に減少傾向にありますが、昨年度に引き続き、外部機関・他団体との連携事業を両館で実施していくことは、図書館の枠を超えた協力関係の構築とともに、図書館の賑わいづくりへの貢献と図書館未利用者層へのアピールの好機ともなると考えています。
「基本方針1」
大阪府立図書館は,市町村立図書館を支え,大阪府全域の図書館サービスを発展させます。
協力車による搬送資料数は引き続き増加傾向であるため、10月の契約更新では運行コースを再編し、コース編成の効率化と搬送量の平準化を実現しました。国内の新刊発行数は、近年年間約8万点のレベルで推移していますが、府内公立図書館の資料購入予算は厳しい状況が続いています。市町村立図書館では収集が難しい専門書については府立図書館での収集が一層期待されることが予想されるため、今後とも十分配慮していく必要があると考えています。
図書館関係者等を対象に実施する研修では、アンケートの分析結果を活かした企画により、前年度を上回る高い参加者満足度を得ることができました。加えて、文部科学省図書館地区別研修(近畿地区)を中之島図書館で実施し、研修参加者数の総計は1,406名(前年比126%)と大幅に増加しました。
「基本方針2」
大阪府立図書館は,幅広い資料の収集・保存に努め,すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。
中央図書館所蔵の法律分野について蔵書評価を試み、外部専門家からの高い評価を得ました。また、近年に購入した資料の貸出状況を分析し、新刊書・近刊書が利用の中心を占めつつも刊行年の古い資料が一定の割合で引き続き利用されていること、受入直後には利用されなくても数年中には貸出されるため、貸出0回の資料は漸減していくことを、データを基に確認しました。時宜に即したテーマで展示した資料は利用が活発化することから、今後も様々な機会をとらえて府立図書館の幅広い蔵書の魅力を府民に伝えていく必要があります。なお、平成26年10月には貸出冊数の上限を従来の1.5倍に拡大し、12冊としました。
資料の保存を継続し府民の資料要求に応えることは府立図書館の基本的な機能の一つです。収蔵能力の確保に向けて、26年度は複本の精査と除籍作業を効率化し、処理数を増やしました。また、寄贈資料も含む全蔵書の最適化を意図して、寄贈資料の取扱方針を策定しました。
中央図書館ではレファレンス件数が増加しました。中之島図書館でも開館1日あたりの平均値はほぼ昨年度並みで、引き続き高い満足度を維持しました。中央図書館で実施したアンケート結果から、レファレンスでは回答の正確さに加えて迅速さと適切さが評価されることが明らかになりました。今後ともこの二点を重視しつつ、最適な資料の確保と調査ガイドの作成・維持、レファレンス事例のWeb公開等を進め、レファレンスサービスの充実を図ります。
障がい者サービスでは、視覚障がい者の利便性向上のために、蔵書検索システム等の改修を進めました。また、「やさしいにほんご」による利用案内をホームページで公開するなど、誰にでも利用できるよう障がい者サービスの幅を拡げるとともに、研修や情報交換会を通して市町村図書館の障がい者サービスの支援に努めました。
「基本方針3」
大阪府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。
図書館利用が困難な子どもたちへのサービスとして、従来から実施している乳児院・児童養護施設等への出前おはなし会等に加え、貸出セットの貸出対象に府内の矯正施設を加えるなど新たな展開を試みました。また、学校支援サービスや外国語で書かれた児童用資料の紹介のためにPR資料を作成し、学校等へ配布して利用の拡大を図るとともに、「子どもの読書活動推進のページ」を公開し子どもの読書活動に関わる人たちへの情報提供を強化しました。こども資料室でのサービス実践の蓄積と国際児童文学館の豊かな資料は、児童サービスの展開と子どもの読書活動推進を支え、府域の児童サービス担当職員の育成にも貢献していると考えています。
国際児童文学館では、外部機関との連携により展示やイベントが充実しました。中でも国立国会図書館国際子ども図書館および(一財)大阪国際児童文学振興財団との共催により国際的な講演会を実施し好評を得たことは大きな成果です。また、移転資料の再整理も着実に進めました。
「基本方針4」
大阪府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。
電子資料検索システム『おおさかeコレクション』中の「大阪の行政資料」でも、総務部統計課との連携により新たなデータ収集が実現するなど、コンテンツ拡充に向けて運用の幅を拡げることができました。
大阪文献データベースの収録データ数は着実に増加しています。一般の雑誌記事索引では拾い出せない情報を広くカバーし、Webに公開することで、レファレンス事例データベースとともに大阪に関する調査・研究の貴重なツールとなっています。大阪文献データベースは平成18年の運用開始から継続的にデータを追加した結果、現在5万件を超えるデータを蓄積しています。これを基にさらに機能強化を加えた「デジタル大阪ポータル」(仮称)に向けて、基本的な考え方を整理し、実現へ向けて準備を進めることができました。
「基本方針5」
大阪府立図書館は、府民に開かれた図書館として、府民とともにあゆみます。
中之島図書館では、新しい図書館としてのリニューアルオープンに向けて、隣接する大阪市中央公会堂とも連携して文化事業を行い、多くの参加者を集めました。工事による臨時休館中もビジネス関係資料が活用されるよう、利用の多い一部の参考資料を中央図書館に移動するなどして、閲覧・複写利用に供しました。
中央図書館では、ESCO事業の契約開始に向けて機器の更新等を行いました。また、27年度から開始する、施設管理業務等の指定管理者制度への移行のための準備を着実に進めました。
ホームページは国際児童文学館所蔵の街頭紙芝居など新規コンテンツが注目を集め、アクセスを増やしました。今後も引き続き、機敏で効果的な情報発信を目指します。
「基本方針と重点目標(平成25-27年度)」およびそれに基づく活動評価について
平成26年度
- 重点目標評価シート
- 活動評価 平成26年度のまとめ
- 基礎指標(平成23-26年度)
- 外部評価報告