大阪府立図書館

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「はらっぱ」 No.36 大阪府立中央図書館における児童およびYAサービスに関する広報について

更新日:2023年3月31日

こども資料室

はじめに

大阪府立図書館における児童サービスおよびYAサービスは、こども資料室が設置されている大阪府立中央図書館が中心に行っている。その中でも児童サービスはこども資料室が担い、YAサービスはこども資料室もしくは国際児童文学館の職員が事務局となり、各課から選ばれたメンバーで構成されるYA利用活性化チーム(以下、YAチーム)が運営している。広報に関しても実施するイベントの主催がどこなのかによりそれぞれが担当となる。
令和4(2022)年度は休館こそしなかったものの、新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じながら開館する中、定期的に開催するおはなし会は休止している。ただ、長期休暇(ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、春休み)の期間に、対策を講じたうえで、いくつかのイベントを実施した。そこで、今号ではその際の広報を中心に前述のアンケート項目にあわせて報告する。
YA向けの広報に関しては、YAチームからホームページ(以下、HP)のリニューアルやInstagramの開設などインターネットおよびSNS活用に関する経緯を別途YAチームから報告する。

広報について

イベントや休館等の広報に関しては、基本的にチラシやポスター、メールマガジン、HP、Twitterでの広報を行っている。休館や蔵書点検など全館的なことは個別に広報することは少ないが、場合によってはHP「こどものページ」で個別に案内することもある。
イベントの場合、内容によって複数のイベントをまとめたものや、それぞれのイベントごとで作成するなど、効果を考えて作成している。また、チラシやポスターでは複数のイベントをまとめたものを作成していても、ツイートやHPのお知らせでは実施日にあわせてこまめに、場合によっては同内容を複数回案内している。YA向けの場合はそこにInstagramが追加される。一方、大阪府の広報誌やSNS、大人向けイベントであれば活用する報道機関への情報提供もこども・YA向けイベントではあまり活用していない。
チラシやポスターの仕様については、基本チラシは白黒、ポスターは館内印刷でのカラー印刷である。展示の見出しなども館内でカラー印刷している。外注はほとんどなく、チラシは白黒ではあるが、色上質紙に印刷し、イベントごとに色を分けるなどしている。
ルビに関しては、こども向けは総ルビを心がけている。YA向けは一般的でない読みや難しいもの、間違いやすいものなどにはルビをふるため、一部ルビである。ルビ以外では、文章はできる限り短い表現でイラストや写真画像などで見てわかりやすいものを心がけている。
チラシやポスターの配布先としては、こども向けはほぼ館内である。YA向けは一部高等学校へ配布している。ただし、イベントは基本HPでの広報も行うため、HPからダウンロードが可能な形とすることが多い。
前述であまり活用していないとした自治体広報誌は、図書館専用の掲載場所はなく、必要な時に依頼することになるが、イベント等の詳細が確定した時点では掲載に間に合わないことが多い。そのため、ここ最近では自治体広報誌に掲載依頼するケースはない状況である。
大阪府立図書館は独自のHPがあり、こども向けのページ「こどものページ」とYA向けのページ「YA!YA!YA!べんりやん図書館」を用意している。こども向け、YA向けのどちらもコンテンツがあり、資料紹介やブックリストの公開、リンク集などがある。工夫していることとしては、こども向けの場合はひらがなを用い、分かち書きを行うなど、わかりやすい表現を心がけているほか、イラストや画像なども使うようにしている。また、こども用検索として、ひらがなメインでかみ砕いた表現にした「かな検索」を用意している。また、階層はできる限り浅くするよう、努めている。YA向けに関しては次頁以降のYAチームからの報告記事で詳細を確認いただきたい。
大阪府立中央図書館のHPには「こどものページ」以外に、学校向けのページ「学校支援のページ」、子どもの読書活動に携わる人向けのページ「子どもの読書活動推進のページ」がある。
「学校支援のページ」では、府内学校と府立学校に向けてのサービス案内のチラシも掲載しており、HPからダウンロードできる。ほかに、図書館見学や団体利用の案内や申し込み様式、学校等向けの貸出用図書セットの案内や協力貸出の案内、体験学習・インターンシップの案内、「青少年読書感想文全国コンクール」や「大阪こども「本の帯創作コンクール」」といったコンクール情報なども掲載している。
「子どもの読書活動推進のページ」では、大阪府子ども読書活動推進計画など大阪府の取り組みや大阪府立図書館の取り組み、児童サービス情報提供誌である本誌『はらっぱ』やブックスタート用冊子『子どもと楽しむはじめての絵本』など刊行物の紹介、府内の動きとして「大阪府内市町村の読書活動推進計画策定状況」を作成するほか、大阪府や国の機関等の関係リンク集などを掲載して情報提供に努めている。
利用される機器への対応に関しては、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレットのいずれも意識するようにしている。これは、こども・YA向けに限った事ではないが、YA向けに関しては特にスマートフォンを意識してリニューアルを行ったところである。
SNSの活用は、こども向けでは現状Twitterが中心である。ほかに府立図書館の公式YouTubeチャンネルに工作関係のコンテンツを数点あげている。利用案内など広報するのであれば、YouTubeでの動画配信が効果的であり、児童サービスにおいて今後も活用するのは、TwitterとYouTubeの2つになるかと思われる。Twitter活用における現状について付け加えると、Twitterは文字数制限があるため、チラシやポスター以上に短い文章の中にどれだけ伝えるべき情報を盛り込むかがカギとなり、毎回文字数と格闘しながらつぶやいている。写真も添付できるので、工作イベントなどは完成品の写真を添えることにしている。わかりやすいのか、時には参加につながることもあった。また、文字数の可能な範囲内でハッシュタグ(例「#おはなし会」「#こういうときこそ本を読もう」など)も活用している。
YAに向けては、TwitterとInstagramを活用しているが、彼らは新しいもので情報収集、例えば現時点でもTikTokでの本紹介などをよく視聴している世代なので、今後もSNSの動向などは注視していく必要がある。とはいえ、当館ではInstagramの運用を始めたばかりなので、まずは安定的な運用が当面の目標である。
Twitterの発信は各室で担当者が決まっており、基本的に児童に関してはこども資料室の担当者が行う。YAに関してはYAチームのそれぞれの記事担当者が所属課の発信担当者に発信を依頼している。InstagramはYAチームで記事を作成し、発信担当はチーム内で輪番としている。

さいごに

大阪府立図書館としてはさまざまな媒体を活用しているが、目的や対象によって使い分けている。新型コロナウイルスの影響で来館者が減少している中、広報は来館や利用につながる重要な手段である。どのような広報が有効なのか、世の中の動向をみながら、利用者へ届く広報を今後も考えていきたい。

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