平成15年度　大阪府立中之島図書館特別展示
水の都・大阪道頓堀　特別展示会
平成15年10月12日(日)〜10月26日(日)

道頓堀展ロゴ
〜描かれた なにわの華〜


３　からくりと人形浄瑠璃

「摂津名所図会」四下
22「摂津名所図会」四下　寛政10（1798）
「浄瑠璃大系図」上
26「浄瑠璃大系図」上　天保13（1842）


からくり


　からくりとは、精巧な機械仕掛けで人形を動かし、スペクタクルを見せるもので、角の芝居の向かいに小屋を構えた竹田近江が人気を博した。俗謡に「竹田の芝居、値が安うておもしろい」とうたわれたという。


人形浄瑠璃


　道頓堀で人形浄瑠璃を見せるものは古くは伊藤出羽掾・井上播磨掾などがいたが、その薫陶を受け近代浄瑠璃を大成したのは竹本義太夫である。貞享元年（1684）彼は道頓堀西端の位置に竹本座の看板を掲げ、浄瑠璃を発表する。翌年、道頓堀に乗り込んできた京都の宇治加賀掾との競演に勝利したあとは事実上の第一人者となり、気鋭の脚本家近松門左衛門の登場や、名プロデューサー竹田出雲によるからくりの技術を応用した舞台機構の改革をみて、浄瑠璃全盛期を築いた。元禄16年（1703）には弟子の竹本采女が独立、豊竹若太夫と名を改め、豊竹座を開いたので、両座競い合い、心理描写を得意とする西風（竹本座）、美声を売りとする華麗な芸風の東風（豊竹座）と異なる魅力で人気を二分した。両座はやがて明和年間に衰退するが、その筋は歌舞伎に換骨奪胎されるなど、後の芸能に寄与したものは大きい。

「竹豊故事」中
25「竹豊故事」中　宝暦6序（1756）


道頓堀展（４）へ