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本蔵-知る司書ぞ知る(135号)

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更新日:2026年1月20日

本との新たな出会いを願って、図書館で働く職員が新人からベテランまで交替でオススメ本を紹介します。大阪府立中央図書館の幅広い蔵書をお楽しみください。

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2026年1月20日版

今月のトピック【岡本太郎】

2026年は、芸術家・岡本太郎の没後30年の年です。岡本太郎がデザインを行った、大阪万博テーマ展示施設「太陽の塔」は、重要文化財への指定や、大阪・関西万博の開催をきっかけに、昨年再び注目を集めました。そこで今回は、岡本太郎に関する資料を紹介します。

もっと知りたい岡本太郎 :生涯と作品(アート・ビギナーズ・コレクション)』(佐々木秀憲/著 東京美術 2013.7)

豊富な写真と図版で岡本太郎の生涯を辿るビジュアルガイドです。時系列順に岡本太郎の作品とその解説を見ていくことができるほか、生い立ちや交流のあった人々についても知ることができます。「万博の時代」が章立てされており、「太陽の塔」完成までの流れもわかります。

岡本太郎爆発大全』(岡本太郎/著 椹木野衣/監修 河出書房新社 2011.3)

生誕100周年を記念して刊行された、岡本太郎の作品集です。見開きいっぱいに1点ずつ印刷された図版や写真は、かなり見応えがあります。巻末には年譜のほか、新聞のテレビ欄風に構成された「(岡本太郎テレビ年譜)1953-1992」があります。

タローマン・クロニクル :オフィシャルファンブック』(藤井亮/著 NHK「TAROMAN」制作班/著 玄光社 2023.3)

岡本太郎の作品、言葉をモチーフに制作され、NHKで放送された特撮番組『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』のファンブックです。昨年は同番組の映画版も公開されました。“でたらめ”が魅力の本作から、岡本太郎の精神にふれてみるのはいかがでしょうか。

今月の蔵出し

あたらしい近代服飾史の教科書:衣服の標本で見る、着るものの歴史と文化』(長谷川彰良/著 翔泳社 2025.1)【383.1/81NX】

衣装展が好きです。現代のこだわりが詰まったブランドの衣装展から資料として残る衣服の展示会など、探してみると多くの衣服をテーマにした展示会が各地で行われています。

さて、今回は「半・分解展」という「分解」をテーマに当時の衣服の内部構造などに着目した展示会を開催する著者の資料です。

フランス革命前後や19世紀半ばからの西洋の衣服の内部構造や変化の変遷について、豊富な写真を添えて解説がされており、衣服の修復や分解した様子の写真掲載や一般的な展覧会では中々見ることが難しい細かな刺繍なども接写されています。

紹介された衣服を見てみると、現在も着ている衣服に似ているような服があり、人々が着用してきた服の歴史に思いをはせてみたくなります。

衣服のデザイン以外にも、内部構造や普段使いのための工夫といった観点から近代衣服を改めて見てみると、その時代のお話がさらに楽しめるかもしれません。

【はにわ】

ともに前へ!:伊達武将隊奮闘記』(佐々木ひとみ/作 新日本出版社 2025.7)

私が2011年1月に初めて仙台を訪れた際、仙台城跡で案内してくれた「奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊(以下、「伊達武将隊」)」、彼らの活動が2025年に15周年を迎えました。本書には、そんな伊達武将隊の15年間の歩みとメンバーたちの思いがつづられています。

2010年8月に初陣を飾ってから、塩竈や松島を巡るバスツアー、商店街での節分会などを実施し、仙台や宮城県のPRを行ってきた、伊達武将隊。
この本で印象に残ったのは、伊達政宗役の佐藤綾丞(りょうすけ)さんの成長です。
初陣の日に「甲冑をつけたら、あなたたちは武将なんです」とスタッフから厳しい言葉をかけられた佐藤さんは、お客さんだけでなく他のメンバーやスタッフの前でも「伊達政宗として在る」と決意。立ち居振る舞いや表情を武将らしくし、周りの人からは話しかけづらいと言われながらも、休日には政宗公ゆかりの地をめぐり、「政宗公だったら」という視点で物事を考えるようになったそうです。そのうちに、イベントで「伊達政宗が来た!」と喜んでもらえるようになりました。最初は苦手だったお客様との会話もスムーズにできるようになり、地道な努力を重ねることで手ごたえをつかんだ佐藤さんの姿に感動しました。

2011年3月末までの事業でしたが、3月11日に起こった未曽有の大地震により被災地となった仙台で、できることを考え、募金や演武などの復興応援イベントを行った結果、第2期伊達武将隊の活動がスタート。傷ついた人々を前に、伊達武将隊が叫んだ言葉は「がんばろう」ではなく、本書のタイトルにもなった「ともに前へ」でした。

本書には武将隊の1人1人からのメッセージもあり、それによると、結成から15年間、政宗役を務めてきた佐藤さんの夢は、伊達武将隊が仙台の街の一部となり、ずっと続いていくこととのこと。私が2011年に案内してもらったのは伊達武将隊の1人、伊達成実でした。その後も何度か仙台や閖上などに行きましたが、残念ながら政宗公にはまだ会えていません。いつか会えるかもしれないと期待しつつ、また東北を旅したいと思います。

【Y2】

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