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【トピック展示】大阪文学の巨星・藤澤桓夫 生誕120年

大阪府立図書館 > 大阪資料・古典籍 投稿 > 中之島 > 【トピック展示】大阪文学の巨星・藤澤桓夫 生誕120年

更新日:2024年7月12日

1904年7月12日に誕生し、1989年にその生涯を閉じるまで、多くの文学作品を大阪から生み出し続けた作家・藤澤桓夫。

彼の残した作品に加え、彼と交流を紡いだ人々にまつわる資料を集めました。

開催期間

令和6年7月12日(金曜日)~令和6年7月27日(土曜日)

期間中の開館時間

月曜日~金曜日 9:00~20:00/土曜日 9:00~17:00 (日曜日、祝日(7月15日(月曜日))は休館)

開催場所

大阪府立中之島図書館 3階 大阪資料・古典籍室2(入場無料)

展示資料一覧

※展示資料は中之島図書館所蔵の貸出できる資料の中から選びました。

藤澤桓夫

1904年7月12日、大阪市中央区備後町に父・藤澤章次郎(黄坡)と母・石濱カツの間に長男として生まれる。代表作に、「傷だらけの歌」「花粉」「新雪」などがある。

府立今宮中学校から旧制大阪高校に進学し、旧友らとともに、「龍舫」「傾斜市街」そして「辻馬車」を発行。ここで発表した「冬の花」や「首」が、川端康成をはじめとする当時の流行作家たちから高い評価を受ける。旧東京帝国大学進学後、プロレタリア文学に傾倒し同人活動を続けるが、不摂生が祟って体調を崩し、長野県で静養の後帰阪。1933年以降は住吉に住まいを移し、新聞・雑誌小説を手掛けた。その中には大阪を舞台とした作品も多数存在する。

1989年にその生涯を終えるまで、大阪文壇の大御所的存在として、様々な分野の人々と交流を持ち、後の大阪文学作家たちに大きな影響を与えた。

NOタイトル著者名出版者出版年分類記号請求記号
1大阪 藤沢/桓夫∥著中外書房1959291.63378/209/(2)# 
2幸福の来る道 藤沢/桓夫∥著東方社1960913.6913.6/22434N/フジ 
3新・大阪物語 藤沢桓夫/著桃源社1963913.6913.6/22433N/フジ
4大阪自叙伝 藤沢/桓夫∥著朝日新聞社1974910.26910.26/378NX
5小説棋士銘々伝 藤沢/桓夫∥著講談社1975.6913.6913.6/27067N/フジ 
6将棋に憑かれた男 藤沢/桓夫∥著双葉社1980.8913.6913.6/27068N/フジ 
7回想の大阪文学 藤沢/桓夫∥[述]大阪府1983.3910.26910.26/2285N 
8私の履歴書 文化人 5日本経済新聞社∥編日本経済新聞社1983.12281.08281/558N 
9川柳にみる大阪 藤沢/桓夫∥著保育社1985.7291.63L91 /685N
10モダン都市文学 9 平凡社1991.2918.6918.6/3N/9 
11ふるさと文学館 第33巻 ぎょうせい1995.8918.6918.6/25N/33 
※出版年順
秋田實(本名:林広次)

漫才作家。1905年7月15日大阪市生まれ。藤澤桓夫と同じ今宮中学校出身で、学年は藤澤の一つ下。この頃から藤澤とは50年以上の交流を持つ。藤澤と秋田が知り合ったきっかけは、藤澤から卓球に誘われたことだった。「上方漫才の父」と言われ、藤澤から横山エンタツを紹介されたことがきっかけで漫才作家となり、以降多くの漫才コンビの台本を手掛けた。今の松竹芸能の前身となる「上方演芸」を立ち上げるなど、大阪のお笑い界発展の基礎を作った。

12ユーモア交渉術 秋田/実∥著創元社1984.1809.4269.1/101/#
13大阪笑話史 秋田/実∥著編集工房ノア1984.11779.14979.1/397/#
※出版年順
庄野英二・潤三兄弟

兄・英二は童話作家。代表作に『こどものデッキ』『星の牧場』などがある。1915年山口県で生まれるが、生後間もなく大阪に移り住む。

弟潤三も作家で、英二とは6歳離れている。1943年に発表した「雪・ほたる」が最初の作品となる。その後「愛撫」「舞踏」などの作品を文学雑誌に発表。今宮中学に赴任していた頃、野球部の顧問を担当し、野球好きの藤澤は足しげく応援に駆け付けていたという。

幼いころから藤澤とは知り合いであり、藤澤からは兄弟そろって「英ちゃん」「潤ちゃん」と呼ばれる間柄であった。

14帝塚山風物誌庄野/英二∥著垂水書房1965914.6215/2919/#
15庄野英二自選短篇童話集 庄野/英二∥著編集工房ノア1986.10913.6219/829/#
16文学交友録 庄野/潤三∥著新潮社1995.3914.6914.6/2503N/ショ 
17逸見小学校 庄野/潤三∥著新潮社2011.7913.6913.6/38163N/シヨ
18親子の時間 庄野/潤三‖著夏葉社2014.7913.6913.6/43289N/シヨ 
※出版年順
織田作之助 

大阪を代表する作家の一人。代表作に「夫婦善哉」「大阪の女」などがある。大阪鉱山監督局にて開かれた相談会に、新聞記者として入り込んでいた織田へ藤澤が声をかけたのが初めての出会いとなった。その後織田はたびたび藤澤の家を訪れるようになり、藤澤に誘われて一緒に競馬に出かけるなど、親しい交流が続いたとされる。

19織田作之助 オダサク倶楽部∥編集河出書房新社2013.8910.268910.26/6175N/オダ(2)
20天衣無縫 織田/作之助‖[著]KADOKAWA2016.10913.6L 913.6/47097N/オダ 
21夫婦善哉 織田/作之助‖著創元社2022.9913.6913.6/5867NX/オダ 
22小説家、織田作之助 斎藤/理生‖著大阪大学出版会2020.1910.268910.268/184NX/オダ(2) 
※出版年順
川端康成

茨木市出身。藤澤が1925年5月発行の『辻馬車』第3号で発表した「首」を片岡鉄平とともに賞賛した。その後、藤澤が東京大学進学に合わせ上京した折、川端や片岡が中心となり発行していた「文芸時代」に寄稿を依頼するなど、藤澤とは深い交流が続いた。藤澤が療養のため訪れた湯ヶ島の湯本館でも交流があり、湯ヶ島の山や谷へ散歩に出かける仲だったという。

22文豪ナビ川端康成 新潮文庫∥編新潮社2004.12910.268L 910.26/3972N/カワ 
23川端康成 山中/正樹‖著鼎書房2022.1910.268910.268/451NX/カワ 
※出版年順
司馬遼太郎

大阪市生まれ。『竜馬がゆく』『坂の上の雲』などの長編時代小説を多く生み出した。大学卒業後に兵役を経て、終戦後は新聞記者として様々な新聞社で活躍する。司馬は「サンケイ新聞」文化部員時代、藤澤の家に社用でよく出入りしていたという。司馬の作品に対し、「(史実をよく調べたうえでの)作家的空想の大きな翼の音が聴える、それが彼の作品が多くの人から愛される魅力の源」と高く評価しており、司馬に対して直筆の軸を送った事もあるという。

24坂の上の雲 1司馬遼太郎∥著文芸春秋1972913.6913.6/1864NX/シバ
25竜馬がゆく 立志篇司馬遼太郎∥[著]文芸春秋1981913.6913.6/1699NX/シバ
26菜の花の沖 1司馬遼太郎∥著文芸春秋1982.6913.6913.6/1532NX/シバ
27大坂侍 司馬遼太郎∥著講談社1982.12913.6913.6/1607NX/シバ
28司馬遼太郎読本 現代作家研究会∥著徳間書店1996.11910.268L 910.26/1625N/シバ(3) 
29司馬遼太郎の現在地 [1] 朝日新聞出版2023.4910.268910.268/599NX/シバ 
※出版年順
大阪文学の本
30大阪文学散歩 1関西文学散歩の会∥編集関西書院1981910.2910.2/9N/1
31大阪文学散歩 2関西文学散歩の会∥編関西書院1981.3910.2910.2/9N/2
32大阪文学散歩 3関西文学散歩の会∥編関西書院1990.2910.2910.2/9N/3
33大阪文学地図 東秀三∥著編集工房ノア1993.5910.26910.26/685N/(2)
34大阪の文学 近現代篇大阪府教育センター教科教育部教科第一室∥編集大阪府教育センター1997910.2910.2/42N
35大阪文学名作選 富岡多惠子∥編講談社2011.11913.68L 913.68/844N 
※出版年順

参考文献

『大阪自叙伝』(藤澤桓夫/著 朝日新聞社 1974)【910.26/378NX】

『大阪学 文学編』(大谷晃一/著 編集工房ノア 1999.11)【302.1/129N/】

『大阪近代文学辞典』(大阪近代文学会関西支部大阪近代文学事典編集委員会/編 和泉書院 2005.5)【910.26/4077N/】

中之島図書館藤沢文庫

中之島図書館では、藤澤桓夫の旧蔵書を夫人の典子氏をはじめ、藤澤氏と交流のあった関係者から寄贈を受けた、書籍や書簡、草稿、書画など約3,500点を「藤沢文庫」として所蔵しています。また、「藤沢文庫目録」-web版-では資料情報を公開しています。

※「藤沢文庫」の利用について

閲覧可(貴重書の原本の閲覧は17時まで)・複写可(代替資料があるものは代替資料からの複写。書簡は複写不可)・貸出不可

※令和6年7月1日(月曜日)~10月31日(木曜日)まで書庫内資料の移転作業のため、一部を除き利用を制限しています。詳しくはこちらをご覧ください。

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