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本蔵-知る司書ぞ知る(138号)

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本との新たな出会いを願って、図書館で働く職員が新人からベテランまで交替でオススメ本を紹介します。大阪府立中央図書館の幅広い蔵書をお楽しみください。

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2026年4月20日版

今月のトピック 【自転車】

今年4月の道路交通法改正により、自転車の交通違反に青切符が導入されたことが話題になっていますが、まずは色々な分野の本から自転車に興味を持ってみるのはいかがでしょうか。

世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学』(ジェイムズ・ウィッツ/著 西薗良太/監訳 東京書籍 2018.9)

 世界的に有名な自転車競技の一つといえば、なんといってもツール・ド・フランス。そんな最高峰の舞台に挑むための科学的なトレーニングが紹介されています。バイクとのフィッティングはもちろん、燃料の補給、ウェアやヘルメットに至るまで。
 極限に挑むトップアスリート達の取組を、本を通して知ってみてはいかがでしょうか。
 とはいえ、この本が出版されたのは2018年(原著の『The science of the Tour de France』は2016年)。科学は常に進歩していくものです。今なら更に効果的なトレーニング方法が生み出されているかもしれません。

50の名車とアイテムで知る図説自転車の歴史』(トム・アンブローズ/著 甲斐理恵子/訳 原書房 2014.9)

 200年以上ある自転車の歴史を50の名車を通して紹介した本です。最初に掲載されているのは、初期の2輪車「ドライジーネ」。現代の一般的な自転車とは構造がかなり異なり、ペダルやハンドルが無いため曲がるのも一苦労するような物だったようです。そして、最後に紹介されているのは、なんと四角いホイールの自転車!
 自転車は今後どのように進化し、どのような歴史を作っていくのか、考えながら読むと楽しそう。

ビワイチ!:自転車で琵琶湖一周(文研じゅべにーる)』(横山充男/作 よこやまようへい/絵 文研出版 2018.4)

 春休みに「これをした」と発表できることが何もない小学生の斗馬は、自転車で琵琶湖を一周する「ビワイチ」に小学生5人で挑戦することになります。参加のきっかけは皆それぞれで、スピードも体力も最初はバラバラですが、少しずつチームとしてまとまっていきます。果たして完走はできるのか。子ども達の成長や友情が感じられる本です。
 児童書なので読みやすく、地名もたくさん登場するので、特に地元の人ならお話がイメージしやすいかも。これからの季節、本と同じようにビワイチに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

今月の蔵出し

アイドル歌会公式歌集 1』(俵万智/編 笹公人/編 吉田尚記/編 短歌研究社 講談社(発売) 2022.9)

 現代短歌のブームがここ数年続いているようです。たとえば『ダ・ヴィンチ』の2023年11月号には「#tanka -空前の短歌ブーム到来中!-」というタイトルで特集が組まれていたり、『短歌研究年鑑 2025』では「『昭和100年』『戦争』。短歌史を考える機運。短歌ブームの拡大と深化。」と題した座談会の様子が報告されていたりします。

 SNSで「#tanka」や「#短歌」で検索してみると、多種多様な短歌が数分前に発表されていて、短歌ブームの熱量に触れられると思います。また、「全国高校生短歌大会(短歌甲子園)」や、全国の各大学の短歌会が集まる全体合宿の開催、文学フリマでの盛況ぶりなど、様々な世代が短歌に触れていることが窺い知れるでしょう。

 本書はそんな短歌ブームをけん引する歌会の一つ、「アイドル歌会」(主催:短歌研究社)の公式歌集です。参加者は私立恵比寿中学や日向坂46、=LOVEといったアリーナクラスのアイドルから、ライブハウスを主戦場とするアイドルまで幅広く参加しています。

 選者も『サラダ記念日』で有名な俵万智、歌人で牧水・短歌甲子園の選者も務める笹公人、自らもファンでありながら番組やイベントで数多くのアイドルと共演しているアナウンサー吉田尚記と、多彩な参加者に負けずとも劣らない顔ぶれです。

 公式ホームページなどで「100を超える短歌と1000を超えるファンたちとの付け句を厳選」と紹介されているように、一つのお題に対してこうも様々な切り口があるのかと唸らされる、バラエティに富んだ内容となっています。お題は「ファン」や「握手会」、「卒業」など「アイドル」に関連するものとなっていますが、よまれた歌から各人の経験や発想力、なによりその人の人となりが垣間見えます。アイドルも「人間」なんだな、と改めて感じるのではないでしょうか。巻末にある選者たちの座談会では各回の「特選歌」が紹介されていて、アイドルがよんだ短歌に選者たちも刺激を受けていることが印象的です。

 たとえアイドルに詳しくなかったとしても、各回の付け句のお題を見ながら「自分だったらどうするだろう」と考えるだけでも楽しめる一冊だと思います。

【2022年11月19日】

ショート・トリップ』(森絵都/作 長崎訓子/画  理論社 2000.6)

 4月も半ばを過ぎました。4月にどこかから来た方、そして5月の連休にどこかへ行こうかなと考えている方に、「旅」をテーマにした小説をご紹介します。

 本書は、『毎日中学生新聞』に週1回連載されていた短編52編のうち、40編を収録したショートショート集です。新聞に掲載されていた読み切りの作品なので、どれも3ページの「小旅行」です。
 その旅先も目的も様々です。刑罰として旅する男、人類初の時間旅行に挑む二人の村人、下駄箱巡りの旅をする下駄箱職人など、どの話も少し不思議でファンタジックな旅路です。
 10年以上前に出会った作品ですが、未だに心に残っているのは、砂漠で遭難した少年の前に動物を連れた老人が現れる「究極の選択」と、誰もが知る、とある人気者にまつわる「ファンタジア」の2編です。

 2011年には、児童向けに集英社みらい文庫から『ショート・トリップ:ふしぎな旅をめぐる28の物語』として発行されています。そちらは本書から抜粋・加筆・修正された28編が載っています。お好みの方を手に取って、想像の旅をお楽しみください。

【びいどろ】

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