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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.150

更新日:2017年1月13日

なにわづ・題字

2016年12月 No.150


中之島図書館レファレンス相談事例紹介 ~NHK連続テレビ小説「あさが来た」の加野屋のモデル について~

図書館では、レファレンスとして皆様の調査相談のお手伝いをしています。また、一般的に参考になりそうな事例は、下記のようなインターネットサイトにて公開しています。

●国立国会図書館「レファレンス協同データベース」
http://crd.ndl.go.jp/reference/では、全国の図書館から登録されるレファレンス相談事例を閲覧することができます。
もちろん、大阪府立図書館からも登録しています。

●大阪府立図書館(中央・中之島)調査相談(レファレンス)サービス
https://www.library.pref.osaka.jp/site/info/reference.htmlでは、大阪府立図書館へ寄せられたご質問と回答の一部を検索することができます。また、アクセス・ランキング(インターネットでよく見られた被参照件数) 「トップ50」などを紹介しています。
(例)大阪府立中之島図書館 レファレンス事例・トップ50(対象:2014年以降登録データ)
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以下では、累積アクセス件数が多いレファレンス相談事例をご紹介します。
平成27年度後期NHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインの「あさ」が嫁ぐ「白岡家(加野屋)」のモデルとなった「広岡家(加島屋)」についてのレファレンスです!


調べたい内容は、「長州藩大坂蔵屋敷で売買をしていた大坂商人、広岡久右衛門・鴻池市兵衛について、また、その子孫について」でした。

詳細は「大阪府立図書館中之島図書館レファレンス事例トップ50(対象:2014年以降登録データ)」や、国立国会図書館「レファレンス協同データベース」の検索結果、「大阪府立図書館レファレンス検索」(https://www.library.pref.osaka.jp/licsxp-opac/WOpacRefChoAction.do)の検索結果に掲載していますが、ここではNHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロイン・あさ、あさの夫・新次郎、あさが嫁いだ大坂有数の両替商・加野屋のモデルについてご紹介します。

○広岡信五郎・浅子(新次郎とあさのモデル)
※信五郎は加島屋(加野屋のモデル)8代目当主・広岡久右衛門正饒(まさあつ)の次男。その妻である浅子は出水三井家の出身。二人は、信五郎の弟である久右衛門正秋(9代目当主)とともに加島屋の経営を切り盛りした。
・『大同生命90年の歩み』(大同生命保険相互会社広報部[企画・編集] 大同生命保険 1993年)
p2 広岡浅子 の写真、略歴。
・『小説 土佐堀川-女性実業家・広岡浅子の生涯』(古川智映子[著] 潮出版社 1988年)
広岡浅子の生涯を描いた小説。
広岡久右衛門正饒、広岡久右衛門正秋、広岡恵三(浅子の娘婿)らも登場。
・大阪日日新聞「なにわ人物伝-光彩を放つ-:広岡浅子(2006年1月7日)」

○加島屋代々について
・『大阪町人』(宮本又次/著 弘文堂 1958年)
「第八章 加島屋久右衛門と辰巳屋久左衛門」の内、加島屋についてはp201~215に書かれている。
・『大同生命100年の挑戦と創造』大同生命保険株式会社広報部[編集] 大同生命保険 2003年)
p22~23「浪速の豪商かくありき 核となった加島屋の足跡」
※江戸時代から昭和にかけて(大同生命第4代社長・広岡松三郎まで)のおおまかな加島屋の歴史が
わかる。
・『大同生命七十年史』(大同生命保険 1973年)
p309~316 別編 広岡家の歴史、p525~569 年表
※大同生命内の人事が詳細に書かれている。広岡家の人が登場するのは主にp542まで。

当館が誇る社史コレクションの『大同生命100年の挑戦と創造』『大同生命90年の歩み』『大同生命七十年史』や、平成27年度後期NHK連続テレビ小説「あさが来た」の原案本である『小説 土佐堀川-女性実業家・広岡浅子の生涯』の他、大阪日日新聞からの記事など、様々な資料をもとに調査しました。

皆様が図書館でお調べの際に、「探している情報はどんな資料に掲載されているのだろう?」など、お困りのことがありましたら、大阪関連については、大阪資料・古典籍室カウンターへ、ビジネス関連については、ビジネス資料室調査相談カウンターへご相談ください。
また、「e-レファレンス」として、インターネットから質問をすることもできます。電子メールで回答します。
https://www.library.pref.osaka.jp/site/e-service/portal-help-eref.html
※「e-レファレンス」をご利用いただくには、利用者登録などが必要となります。ご自宅のパソコンなどから、上記アドレスの「e-レファレンスのご案内」をご確認の上、お申し込みください。


●  『小説 土佐堀川』の著者・古川智映子さんのサイン本 ●

 平成27年度後期NHK連続テレビ小説「あさが来た」の原案本は、『小説土佐堀川-女性実業家・広岡浅子の生涯』(古川智映子[著]、潮出版社)という書籍です。
中之島図書館では、同書の著者・古川智映子さんが広岡浅子氏の座右の銘「九転十起」とともに、直筆サインをしてくださった『小説土佐堀川-女性実業家・広岡浅子の生涯』(潮出版社2015年2月出版)を所蔵しています。昨年度に古川さんからご寄贈いただきました。
平成28年8月1日から9月30日まで、大阪資料・古典籍室内にてトピック展示「NHK連続テレビ小説関連資料」として資料展示を行いました。

土佐堀川    土佐堀川(サイン)    トピック展示

(写真左)『小説 土佐堀川』 (潮出版社)です。
(写真中央)『小説 土佐堀川』の著書・ 古川智映子さんの直筆サイン本です!
(写真右)「NHK連続テレビ小説関連資料」展示風景です。


●  社史 ~中之島図書館の誇る蔵書コレクション~ ●

 上記のレファレンス相談事例でご紹介した『大同生命100年の挑戦と創造』『大同生命90年の歩み』『大同生命七十年史』のように、中之島図書館では「社史」を各社・団体から多数ご寄贈いただき、所蔵しています。

社史1   社史2   社史3

 会社が発行する社史(会社史)は、長期的なスパンでその会社にまつわるさまざまな情報が総合的にまとめられた重要な資料です。創業以来の事業内容が分かるだけでなく、統計、組織、役員名簿、さらに企業理念や社風といったものも読み取ることができます。また、その会社がかかわる産業の、産業史資料としても役立つ場合が少なくありません。
社史はほとんどの場合非売品として刊行されるため、なかなか目にすることができない資料でもあります。中之島図書館の「社史コーナー」では、比較的最近に刊行された社史を中心に配架しています。ぜひご活用ください。

 大阪府立図書館所蔵の社史については、以下の当館HPにて検索いただけます。
・大阪府立図書館蔵書検索https://www.library.pref.osaka.jp/licsxp-opac/WOpacMnuTopInitAction.do
・中之島図書館 社史コーナー目録https://www.library.pref.osaka.jp/site/business/shashi.html

平成27年度新収資料紹介

 平成27年度に収集した、大阪にゆかりのある和古書の一部を紹介いたします。        ※【 】内は当館の請求記号

『[初代市川蝦十郎死絵]』歌川国広画

(1)歌川国広画【枚496】

『[初代市川蝦十郎死絵]』春好斎北洲画

(2)春好斎北洲画【枚498】

『[初代市川蝦十郎死絵]』

(1)歌川国広[画] [大坂]天満屋喜兵衛 文政10(1872)年 40×27cm
(2)春好斎北洲[画] [大坂]天満屋喜兵衛 文政10(1872)年 39×27cm

死絵は主に江戸時代後期から明治時代にかけて、歌舞伎役者などの有名な人物が亡くなった際、その死を惜しんで出版された追悼の錦絵で、当時の歌舞伎役者のプロフィールや人気の程を今に伝える貴重な資料です。辞世の句や追悼の和歌が添えられる場合もありました。
描かれた初代市川蝦十郎は、安永6(1777)年生まれ。4代市川団蔵に入門し、寛政元(1789)年に市川市蔵として大坂で初舞台を踏みました。文化12(1815)年に蝦十郎に改名。実悪(じつあく)や老役(ふけやく)を得意とし、立ち回りや早替わりにも優れていました。文政10(1827)年7月16日に51歳で死去しました。
(1)を描いた歌川国広は、大坂の画家。南亭または丸丈斎と号して、文化末から天保末まで役者絵を多く描きました。大坂戎橋一丁北に住んでいたと伝えられています。また、版元の天満屋喜兵衛と同一人物であるといわれています。(2)を描いた春好斎北洲は、大坂に住み、大坂の劇場に出演する人気役者を多く描きました。市川蝦十郎は北洲の役者絵に頻出する役者の一人です。さらに、北洲画の蝦十郎の死絵は、【枚497】として、計2枚収集しました。
(1)、(2)ともに蝦十郎の死絵、戒名である「蘭有秀山信士」、墓所「三津寺」(大阪市中央区)の他、行年、辞世の句なども記されています。

『よしこのしきの花』 『よしこのしきの花』 一荷堂〔半水〕[撰] [大坂] 伊予屋善兵衛
5×6cm 12冊 【子657】

江戸時代から明治期にかけて流行した唄本の資料。掌サイズの横長本が一般的ですが、当資料は豆本仕立てとなっています。装丁も美しく、12冊揃っています。撰者の一荷堂半水は、文政11(1828)年大坂船場生まれの戯作者です。

大日本土産図誌 『大日本土産図誌』 大原東野 大坂 森本太助 5冊
明治19(1886)年(原版:文化10(1813)年) 【802-26】

近畿圏各地の名産物を収録した図誌。左図は第5巻・摂津部で、今宮神社の十日戎子宝と、木津人参、市岡茄子、勝間木綿が描かれています。
著者の大原東野は江戸時代後期の画家。明和8(1777)年に大和(奈良県)に生まれ、大坂に住みました。

この他にも、江戸時代に大坂から長崎までの航海路を描いた『[大坂より長崎海上航路図巻]』(各藩の蔵屋敷が集まり、近世海運の中心的役割を担っていた大坂から、当時の唯一の海外交易の地である長崎への海運ルートを一望できる)【甲和1328】や、『伊藤糸店[引札]』(明治26(1893)年に東区安土町2丁目に開店した、伊藤忠商事の前身である伊藤糸店の一枚刷りの広告)【枚490~493】などを収集しました。

小展示だより ~「中井芳瀧の世界」を開催~

『松嶋廓大芝居 人形芝居 繁栄図』中井芳瀧画

『松嶋廓大芝居 人形芝居 繁栄図』 中井芳瀧[画] 17×37cm 【枚30】

 2016年8月1日から9月30日まで、大阪資料・古典籍室では、小展示「中井芳瀧の世界」を開催しました。
中井芳瀧(なかい・よしたき)は、天保 12(1841)年2月22日、現在の大阪市中央区に生まれ、12歳で江戸の歌川国芳に入門しました。安政 2(1855)年に独立し、芝居看板絵、俳優似顔絵、新聞挿絵、摺物絵、風俗画などを描きました。晩年は絹本画を主とし、戯作、情歌、狂歌、冠附などを作る多趣味の人でした。
また、芳瀧は当館所蔵貴重書「人魚洞文庫」の著作者である川崎巨泉の師匠にあたります。今回の展示では、芳瀧の描いた引札や刷物など(6点)を展示しました。左上図は、人形浄瑠璃の文楽座と歌舞伎の松島大劇場が描かれた錦絵で、明治初期に松島が芝居街として賑わっていた様子がわかる一点です。

いちおしeコレ! ~おおさかeコレクションより資料紹介~

 大阪府立図書館ホームページでは、当館所蔵の貴重書、特別コレクション、デジタル資料等の検索・閲覧ができる「おおさかeコレクション」https://www.library.pref.osaka.jp/site/oec/index.htmlを公開しています。「錦絵に見る大阪の風景」、「人魚洞文庫」、「中之島図書館貴重書」、「中央図書館貴重書」、「中之島図書館韓本コレクション」、「大阪の行政資料」、「住友文庫ドイツ医学学位論文目録」のデジタル画像をカテゴリ別に検索することができます。今回はその中から、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」と、2017年の干支「酉」に関する資料をご紹介します。

「茶臼山」芳雪画 「錦絵に見る大阪の風景」より「茶臼山」芳雪[画] (『浪花百景』【甲和1086】)

茶臼山は一心寺の北にあり、「荒陵」と呼ばれ、もとは前方後円の古墳であったといわれています。大坂冬の陣では徳川家康がここに陣を構えました。また、夏の陣では真田信繁(幸村)が陣を置き、茶臼山の合戦の地となりました。現在は天王寺公園の中にあり、隣に大阪市立美術館が建っています。

作者の芳雪(よしゆき)は、天保6(1835)年生まれの大坂の人で、森氏、芳雪、南粋亭、六花園などと称しました。一鶯斎芳梅の門人であり、江戸期には役者絵や風景画を、明治になってからは開化風俗画などを描きました。明治8(1875)年頃まで活躍し、明治12(1879)年に亡くなりました。

「鶏の玩具」川崎巨泉画 「人魚洞文庫」より「鶏の玩具」 (『巨泉玩具帳』【甲雑41】)

「人魚洞文庫」は大正から昭和にかけて全国各地の郷土玩具を描いた、おもちゃ絵画家・川崎巨泉(堺市出身、1877-1942)が遺した自筆写生画帳。取り上げられた玩具は5000種以上にのぼります。人魚洞とは、巨泉の別号です。

資料右上には「鶏の玩具 大正六年大阪の縁日にて求む、板クリヌキ、ペンヌリ、原寸」と玩具の説明が記されています。

中之島図書館アーカイブ ~レイアウトの変遷~

レイアウト(1995年4月→1996年5月)

1996年5月に東大阪市に中央図書館が開館、中之島図書館2階北側の人文科学室は一般資料室に、2階南側の小説・新聞室や郷土資料室は新聞室に、3階南側の社会科学室は、2階にあった郷土資料室が拡大する形で大阪資料・古典籍室に、3階の自然科学室は文芸ホールに変わりました。また、2階中央にはよみものコーナーが、2階南側にはコンピュータ検索室が開室しました。

レイアウト(2004年4月→2016年4月)

(2004年4月)
2階北側・中央にあった一般資料室・よみものコーナーがビジネス資料室に変わり、3階北側には商用データベースなどが検索できるデジタル情報室が開室しました。

(2016年4月)
大阪資料・古典籍室が3階北側に移り、2階・3階の南側には、新たに展示室、貸室としての多目的スペース、カフェ、ライブラリーショップが誕生しました。


図書館周辺図

開館時間 月~金 午前9時~午後8時
土    午前9時~午後5時

休館日  ・日曜日・国民の祝日及び休日
・年末年始・6月、10月、3月の第2木曜日

大阪府立中之島図書館   
〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
電話(代表) 06-6203-0474

https://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/


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