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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.145

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年11月10日更新

なにわづ・題字

2011年10月 No.145

知識社会の到来と図書館

酒本 毅 (さかもと たけし)

 団塊の世代とは、我が国が終戦直後の混乱から立ち直りを始める昭和22年から24年にかけて生まれた世代である。 この団塊の世代の後続をなす昭和25年生まれ、26年生まれのポスト団塊世代が続々と定年を迎え、本年、団塊世代と合わせるとこの年齢層が60歳から64歳までの60歳代の前期を占めることとなる。

 この世代の特徴を挙げるとすれば、貧しかった時代の日本の生活臭さを体感して育ち、高度成長期に青少年時代を過ごし、その後の中成長期、低成長期を潜り抜け、内外の急激な環境変化に適応して幾多の試練を乗り越えてきた世代であると言えるのではなかろうか。
 挫折もありながら、夢を実現してきた世代、猛烈に働きもし、時にバブルの夢を見た世代で、エネルギッシュで自他共に一定の達成感を持った世代であると同時に、ワーク・ライフ・バランスに気づき出した世代でもある。

 仕事は確かに生活の糧であるとともに、やりがい、生きがいを実現する場であったが、近年、仕事を取り巻く状況の厳しさが増す中で、このようなライフスタイルは生活、家庭、更に個人の領域との間で調和を欠き、時に深刻な社会問題にまでなるに至り、言わば個人も社会も大手を振って生き方を見直そうという時代になった。
 そんな世代が定年を迎えた社会はどんな社会であろうか。

 定年後の人生は人生の後半戦である。自らの健康への関心の高まりとともに、人生を振り返ってやり残したことはないか、やりたいことはないか、全く新しいものへチャレンジしようと模索を始める。 これは、もはや与えられた課題やミッションへの対応という受動的なプロセスではなく、自ら欲した命題を選択し、かつ、それらへのアプローチの手段やテンポを自ら決定する主体的で能動的なプロセスとなる。
 この衝動は、単なる知識欲ではない。知的充実感を求めながら、自己を探索し、多様な自己形成を図ろうとする人間としての創造的な営為であり、このような知の社会変動は本格的な知識社会の到来を予感させられる。

 情報化の急速な進展の中にあって、人々が選択するテーマは、社会、経済、歴史、健康、趣味等々多種多彩な分野に亘っており、図書館の果たす役割は益々大きくなってきている。図書館は人々の知的好奇心に応え、資料、情報との出会いを作り出し、新しい価値を生み出す知的空間になっていかなければならない。
 当館は、昨年「蕪村のなかの芭蕉」と題して蕪村展と特別講演会を開催した。大阪で生まれた蕪村が大阪で没した芭蕉とどう向き合ったか、「蕪村句集」を読み解きながら蕪村の内なる芭蕉を探ろうとする企画である。昨年度から始めた有料事業であったが、定員はあっという間に埋まり、当日会場は参加者の熱気に包まれた。

 今年もこの7月に「城下町・大坂 武士が見た風景 ~なにわのサムライ・ライフ~」と題し、特別展と講演会を開催した。「町人のまち・天下の台所」と言われてきた大坂は、大坂城の存在を背景に実は「武士のまち」でもあったのではないかという新たな視点から大阪の歴史に迫ろうとする企画である。お蔭様で昨年同様の盛り上がりとなり、今回の企画は来館された方々にとって極めて興味津々のテーマだったと思われる。

 また、当館は、大阪資料・古典籍のセンターとして長年収集、蓄積してきた大阪関係資料や歴史的価値の高い近世資料を所蔵しており、今年度、国の「住民生活に光をそそぐ交付金」を活用して、和古書、漢籍など約1万9千冊のマイクロ化・デジタル化を実施し、資料の永年保存と府民利用の促進に資する予定である。
 今後とも、中之島図書館は本格的な知識社会の到来に応える府民のための図書館運営に向けて日々精進してまいりたい。

(大阪府立中之島図書館長)

平成22年度新収資料紹介

新収資料の本

 『役者百人一衆化粧鏡』    【971/198】

  八文舎自笑著 流光斎如圭画 寛政12(1800)

 役者の似顔絵を百人一首の小倉色紙になぞらえて書いた役者絵本。「孔雀三郎」「在原業平」など戯曲上の名前を配す。二編に『三都戯場草之種』【971/196】がある。流光斎如圭は上方浮世絵の祖として名高い。

平成23年度 特別展・関連講演会報告

 特別展「城下町・大坂 武士が見た風景~なにわのサムライ・ライフ~」
 7月6日(水)~30日(土)

これまでその存在をほとんど語られてこなかった江戸幕府政権下の「大坂の武士」、特に大坂城内に勤務していた武士たちが残した文書など、約80点を展示しました。 会期中には約1,700人のご来場がありました。ありがとうございました。

 関連講演会 「『天下の台所』の侍たち」 
 7月9日(土) 講師:藪田貫さん(関西大学文学部教授・大阪都市遺産研究センター長)

 なぜ、「徳川時代の大坂城」は現代の大阪人に忘れ去られてしまったのか―「町人の都」を否定するのではなく、大坂の武士の存在を明らかにすることにより、江戸期大坂の文化の隆盛は、絶えず他所から赴任してくる武士同士、あるいは武士と町人の交流の上に花開いたことを、スライドをまじえて分かりやすくお話いただきました。

高校生対象ワークショップ 『なにわタイムとらべる2』 開催

 大阪資料・古典籍室では、平成23年8月1日(月)に高校生を対象としたワークショップ『なにわタイムとらべる2―武士の時代にタイムスリップ―』を開催いたしました。 高校生にも、郷土資料や近世の資料にもっと親しんでもらいたいと昨年から始めたワークショップの第2回目になります。
 今回は、特別展「城下町・大坂 武士が見た風景~なにわのサムライ・ライフ~」の展示資料紹介(ギャラリートーク)と、江戸時代の本(和本)づくり体験を行いました。 合計9名の高校生の参加があり、ギャラリートークについては「貴重なものを見ることができてよかった」、和本づくりでは「昔の人はこんな風に和本を作ったんだと思うととても親近感がわいてよかった」といった感想がありました。 これを機会に、若い方たちに当館の所蔵資料を知ってもらい、積極的に当館を活用してもらいたいと思っています。

大阪府内図書館案内展開催

展示風景  「大阪府内図書館案内展」を8月11日(木)から8月18日(木)迄、当館3階文芸ホールにて開催しました。 府内図書館・図書室のほか、国立国会図書館・(財)大阪国際児童文学館からの協力を得て、利用案内・パンフレット・利用者カード・ポスター・行事案内・図書館グッズ・マスコットキャラクター等を借用し、 各館の案内を行うとともに府立図書館と市町村の協力事業に関するパネルを展示しました。また(社)日本図書館協会からも東日本大震災における図書館関連の写真を提供していただきました。

 府内43市町村図書館の活動を知っていただき、併せて府立図書館と市町村図書館(室)の使い分けによる、より便利な図書館の利用方法を紹介することができました。 
府内各図書館の様々な取り組みを一度に知ることができた事は、今後の協力業務を展開していく中での大きな力となると確信しました。
 なお一層、府内図書館等との連携・協力の充実を図っていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

平成23年度中之島図書館ビジネスセミナー開催

 「商圏マーケティングデータを使いこなす」をテーマに8月4日(木)開催しました。
 (株)日本統計センターが提供する地域特性情報を地図やグラフで提供するデータベース“MieNa レポート”(8月1日から当館3階デジタル情報室で提供しています。)について、-第1部-で、青山武夫さん(〈株〉日本統計センター 主任研究員)をお招きし、解説していただきました。
 第2部では、「商圏マーケティングデータをプロモーションに活かす」をテーマに岸本喜樹朗裕一さん(桃山学院大学 経営学部教授)をお招きし、地域ブランド・マーケティングと関連づけながら、マーケティングデータの活用方法について講演していただき、大変好評でした。

大阪府専修学校各種学校連合会より各種資料が寄贈されましたのでご利用ください

 中之島図書館では、平成23年7月からビジネスパーソンへの情報提供(ビジネス支援)のため、(社)大阪府専修学校各種学校連合会との連携事業を推進しています。
 当館の持つビジネス支援情報とともに発信するため、各加盟校の学校案内・催しもののチラシ等をご自由にお持ち帰りいただけるコーナーを設置し、各学校で発行しているテキスト・試験の問題集等についても、資格図書コーナーを設置して貸出による提供をおこなっています。
 資格取得・キャリアアップ・就職活動・その他のご利用をお待ちしております。

「大阪の未来をつくる図書館をめざして 大阪府立図書館の基本方針と重点目標」策定

 平成23年3月、大阪府立図書館(中央・中之島)は、「大阪の未来をつくる図書館をめざして 大阪府立図書館の基本方針と重点目標」を策定しました。 府民の皆様と地域社会の要請に応えられるよう、「使命」および5つの基本方針を立て、各基本方針のもとに3ヵ年(平成22年度~平成24年度)の重点目標を設定しました。 あわせて重点目標に沿った活動内容(「アクション・プラン」)と活動指標を定め、活動の評価を毎年実施していきます。 以下に掲げた「使命」のもと、より一層のサービス向上をはかってまいります。詳しくは、大阪府立中之島図書館ホームページでご覧ください。   http://www.library.pref.osaka.jp/lib/hyoka/juten2010.html

使命

  府域の図書館ネットワークの核として、広域的かつ総合的な視点から府民と資料・情報をつなぎ、府民の”知りたい”という気持ちにこたえ、”学びたい”という意欲を育み、豊かで活気あるくらしと大阪における新たな知識と文化の創造に寄与すること 

図書館の1階に「展示室」を新設しました

図書館模型

このたび、当館1階の休憩室の手前に「展示室」を開設しました。元喫煙室であった部屋を改修し、今年の3月より展示室として開放しています。 現在は、国指定の重要文化財である中之島図書館の40分の1の精巧な模型を展示するとともに、当館の100年以上にわたる歴史をまとめた年表や昔の記録写真のパネル等を掲示しています。
 今後、当館に係る関係資料・物品の展示や掲示を計画しており、更に展示内容の充実を図っていく予定です。 ぜひ1度お立ち寄りください。


中之島図書館付近図



開館時間 月~金 午前9時~午後8時        
       土    午前9時~午後5時  

休館日  ・日曜日・国民の祝日及び休日          
       ・年末年始・6月、10月、3月の第2木曜日

   大阪府立中之島図書館
     〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
     電話(代表) 06-6203-0474