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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.136

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年11月30日更新

なにわづ・題字

2002年9月 No.136

図書館長に就任して想うこと

石崎 重雄

 近年のITブームも一段落しようとしているが、少しゆっくり考えたほうがいいと思うところもある。もっともITはスピードが勝負なので、ゆっくりしていては駄目なので、意味のない言い方ではあるが。
 何か調べ物をする時、中之島図書館でも横断検索システムを使えば、即座にどこに、誰の何の図書があるかすぐに引き出せることが可能となっている。
 しかし、ITは手段であって、目的ではないのは言うを待たない。問題は、調べ物をする時の問題意識とその深さは、自分で考えるしかない。ここが図書館機能の本質になると思う。
 例えば、「大阪」を卒論のテーマとして取り上げ、何をレポートとしてまとめるかに直面した場合、パソコンだけで成果が得られることはないと思う。コピーの集まりにしかならない。

 やはり、図書館に出かけ、関連資料を渉猟しながら「大阪」の絞込み一歴史なら古代か中世か、文芸ならどの時代の誰をと言うふうに進められていきながら「論」を創造することになる。
 その時、この調べ物のスピードを加速させるのが、ITと司書の役割になり、知的インフラのアクセスサポーターみたいなものである。
 浅く限りなく広く書物を知っておくには、百科全書的な知的訓練や、若しくは、雑学の大家みたいな人間を育てる必要があると思われる。今のITには困難なことである。
 しかも、かなりこまめで親切でないと勤まらない。例えてみれば、アベレージゴルファーへのレッスンプロみたいなものと思うがいかがなものか。

 日本語をもう一度勉強し直そうという動きが出始めている。これは、復古でもなく郷愁でもないと思われる。忘れていたことを、思い出してきただけである。
 そういえば、かの「源氏物語」も百、三百年単位で思い出されて読み継がれてきた。中之島図書館の本領発揮の時である。

 時あたかも平成16年3月に、本図書館は百周年を迎えることになる。今年からこれを記念して、募金活動や記念事業の準備に入りたいので、中之島図書館をご利用いただいた方、ご愛顧いただいている方々のご支援をお願いし、併せてIT時代の図書館のあり方について、職員一同真摯に追求していきたい。

(府立中之島図書館長)

平成14年度 初夏の展示・関連講演会報告 

初夏の展示「近世大坂『自然科学』の展開」
6月6日~6月20日

 近世大坂の「自然科学」といえば幕末の洋学が思い浮かびますが、それ以前にも多様な学問がおこっています。商都として多くの人・モノ・情報がゆきかう大坂は自由で合理的な思考が発達しましたが、自然科学の分野でも独創的な成果をあげました。
 今回の展示では、本格的な洋学がおこる以前の大坂・上方の自然科学関係資料(本草学、医学、数学、暦学・天文学など)約90点を展示し、その動向を紹介しました。
 会期中には約2,000人のご来場がありました。ありがとうございました。

関連講演会「天へのまなざし -近世大坂における儒学と洋学-」
7月13日

講師:宮川康子氏(京都産業大学助教授)
近世大坂の学問所・懐徳堂の儒学者たちが洋学と出会い、互いに交流を深める中で、新しい知識をどのように受け止め、自らの学問を展開させていったのか、スライドをまじえて分かりやすくお話いただきました。
今回の講演会からインターネットからも参加の申込みをしていただけるようになりました。

秋の展示会と講演会のお知らせ

特別展示「商都の景観-近代大阪の名建築-」
平成14年11月1日(金)~24日(日)
午前10時~午後5時  (休館日は月曜と祝日)

 急速にその数が減りつつあるとはいえ、大阪には明治から昭和戦前期に建てられた「近代建築」がまだ数多く残っています。
 そのひとつ大阪市中央公会堂が4年にわたる保存のための工事を終えて、この秋いよいよリニューアルオープンするのを機会に、商都大阪の都市景観を形成してきたこれら貴重な建物群の変遷を、中之島図書館が所蔵するさまざまな資料によってたどってみたいと思います。
 大阪という個性的な都市の成り立ちとその魅力の再発見につながればと願っています。

関連講演会

(1)「都市を彩る中之島・船場の近代建築」
―モダン都市大阪再見―
講師:中嶋節子氏(大阪市立大学大学院生活科学研究科専任講師)
平成14年10月12日(土)午後1時30分~3時30分
申込締切:9月29日(日)

(2)「造形芸術作品としての建築」
―「中之島図書館」を巡って―
講師:井面信行氏(近畿大学文芸学部芸術学科教授)
平成14年10月26日(土)午後1時30分~3時30分
申込締切:10月13日(日)

場所:大阪府立中之島図書館3階 文芸ホール
申込:(1)各講演会ごとに往復はがきで講演名・住所・氏名・電話番号を記入の上、下記まで。
(2)インターネットでも可。
http://www.library.pref.osaka.jp/

宛先・問合せ:大阪府立中之島図書館 大阪資料課
〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
Tel 06-6203-0473(直通)

超高精細画像表示システムによる「大阪府立中之島図書館蔵錦絵にみる大阪の風景(江戸~明治)」を公開しています

 中之島図書館では7月から、『浪花百景』『浪花名所図会』など幕末から明治初期の大阪の風景を描いた錦絵約200点を「超高精細画像表示システム」(SHD:Super High Definition Image System)において一般公開しています。
 SHDは28型の薄型液晶ディスプレイとPC内蔵型の専用ビデオボードで構成されるシステムで、ハイビジョンをはるかに超える情報量の画像を表示することができます。緻密な画質で実物のもつ質感を十分に伝えることができるため、文化遺産などの電子アーカイブの分野で注目されているものです。

 SHDは3階大阪資料・古典籍室に設置しています。普段なかなか見る機会のない貴重な古典籍を気軽に見ていただけます。ぜひご覧ください。
 なお、このシステムは、通信・放送機構(TAO)による「大阪府マルチメディア・モデル図書館展開事業」の実証実験のひとつとして展開しているものです。

寄贈資料ピックアップ

当館初夏の展示でも、近世大坂「自然科学」の一分野として〈和算〉が紹介されていましたが、それにちなんだ(?)資料の寄贈がありました。

「生國魂神社復元算額奉納記及び解説」(発行者:悠久会、解説:近畿数学史学会)
江戸時代の中ごろ、大坂の船場を中心に栄えた和算の一派「宅間流」が元文4年(1739)に生國魂神社に奉納した算額を復元、奉納した次第と解説が、この資料。奉納算額の写真と算額の一部を写した絵馬がついています。

同じく近畿数学史学会発行の雑誌「和算」を創刊号(1971.9)からご寄贈いただいています。(現在第95号まで)近畿各地の神社に奉納された算額の調査報告のほか、問題と解法なども掲載、力だめしにいかがでしょう?

さて、ワールドカップ・イヤーだった今年は記念の展覧会が開かれ、その図録「韓国の名宝」(発行:NHK、708/331N)もいただきました。観に行けなかった人は図録でどうぞ。また、その時来阪された方たちは大阪を楽しんでいただけたでしょうか。ガイドブックとは一味違う視点で大阪を紹介するのは「博物的新大阪文化名鑑」(発行:大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所)。
もっとピンポイントで御堂筋、ガスビル近辺を紹介するのがその名のとおり、「ガスビル食堂物語」 (現在7まで。制作:ガスビル食堂歴史研究会)。
ほかに「名所を描く 大阪・西宮・芦屋・神戸」 (発行:西宮市大谷記念美術館、720.8/64N)など、資料で旅などいかがでしょうか。(文中に請求記号のない資料はすべて近日受入予定です)  

利用者アンケート調査結果について     

  ◇中之島図書館の利用者像◇

 中之島図書館では本年2月に利用者の現状、ニーズ、満足度等を把握し、今後の図書館運営やサービスのあり方の検討に資することを目的として利用者アンケート調査を実施しました。(有効回答者数は2,501名)。その調査結果について、特徴的なことを紹介いたします。

 調査結果によると、利用者の多くが図書館から30分以内にある会社から来られた会社員で、年齢も比較的高く、50歳以上の男性利用者が30%を超えていることがわかりました。また、図書館の「自習室」というと受験生を連想しますが、調査では中之島図書館の自習室利用者の42%が30歳以上の方となっており、仕事関係のレポート作成などに利用されているものと思われます。

 その他の特徴的なこととしましては、(1)男性利用者が73%と多く、女性利用者が少ない。(2)他府県の利用者が25%にのぼる。(3)会社や学校の所在地は「大阪市内」が圧倒的に多い。(4)職業別では会社員が最も多く、学生や主婦は少ない。(5)4割ほどの方が「週に1回」以上の頻度で来館している。(6)男性は「調べもの」が多く、女性は「自習」「資料の借用」が多いといった点があげられます。こうした調査結果をみますと、中之島図書館がビジネス街の中心地にある図書館らしい特徴が現れています。
 また、今回の調査では、図書館を利用しての満足度もお尋ねしましたが、性別や世代を越えて、どの項目とも70%ほどの方から「大いに満足」「満足」との回答をいただきました。

 しかしながら、自宅等からパソコンを使って蔵書検索をしている方はまだ20%弱と少ないことや、府立図書館の本を地元の図書館で取り寄せたり、他の図書館等から本を取り寄せて利用した経験のある方が予測以上に少ないこともわかりましたので、こうした制度のPRに努めることといたしました。

 当館においては、今後さらに、定期的に内容を掘り下げたアンケートを実施していくこととしており、その結果も参考にして、図書館サービスの改善・充実に向けて取り組んで参りたいと考えております。

(一般資料課 前田)

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地図記号「図書館」

国土地理院発行の発行の地形図に表示される図書館の記号です。
10000分の1の地形図には、1983年以降実施されていましたが、来年度以降には25000分の1の地形図にもこの記号が付されることになりました。