日本の子どもの本~珠玉の30選~ 展示資料『赤い鳥』
更新日:2024年3月24日
『赤い鳥』(第1巻第1号)
鈴木三重吉:主幹 清水義雄:表紙 大正7年7月 赤い鳥社(東京)
児童中心主義の思潮が流入し、自由教育がさかんに試みられた大正期は、子どもの汚れなき純粋な心を理想化・絶対化する〈童心主義〉文学が隆盛であった。その中心に鈴木三重吉主宰の雑誌「赤い鳥」がある。子どものために真の芸術を与えんとした同誌には、子を持つ親だけでなく、作家・教員ら多くが賛同、この期の児童文学の中核となった。芥川龍之介「蜘蛛の糸」や有島武郎「一房の葡萄」、新美南吉「ごん狐」等を送り出したことでも知られる。