日本の子どもの本~珠玉の30選~ 展示資料『赤い蝋燭と人魚』
更新日:2024年3月24日
『赤い蝋燭と人魚』
小川未明:著 大正10年5月 天佑社(東京)
大正10年2月16日~20日「東京朝日新聞」夕刊連載後、本書に所収。蝋燭屋の老夫婦が人魚の母親に娘を託されるが、大金に目がくらみ、娘を香具師に売り飛ばす。すると海は荒れ、町は滅びる。著者の小川未明は、詩的で象徴性の高い短編童話が特徴的な作家である。本書の序には「全て、芸術は愛から出発するが殊に童話は、子供を愛さなくては書けない」とあり、芸術と童話を結びつけて考えたことは斬新であった。