レファレンスサービスのご案内 サーカスの歴史と文化について知りたい
更新日:2023年6月21日
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2020年10月 »サーカスの歴史と文化について知りたい [PDFファイル/436KB]
10月26日は、サーカスの日です。明治の初めに東京九段の招魂社(靖国神社)で、フランスの「スリエサーカス」が日本で初めて洋風のサーカスを興行した日だそうです。本格的なサーカスが来日したのは1886(明治19)年のイタリアからのチャリネ曲馬団で、3度、来日しました。現在も、世界中でサーカスは心が躍る娯楽として、人々の楽しみであり続けています。
(※【】は当館請求記号)
質問:サーカスの歴史と文化について知りたい。
■『芸双書 2 さすらう‐サーカスの世界』(南博/[ほか]編 白水社 1981.2)【779/14/】
サーカスという芸能は、社会的に冷遇されて来た歴史との関係もあり、この本が出版された当時、活字になった文献はほとんど残されておらず、研究者も少なかった。その状況下、これからのサーカス研究の誘い水となることを目指して大衆芸能の双書として刊行された一冊。
■『<サーカス学>誕生:曲芸・クラウン・動物芸の文化誌』(大島幹雄/著 せりか書房 2015.6)【779.5/43N/】
綱渡り、クラウン、中原中也の詩「サーカス」の舞台裏のエピソードなど、サーカスを切り口に、歴史・美術・映画・文学を幅広く紹介。著者は、東洋も含めたサーカスの文化史としての<サーカス学>を学問として深く掘り下げる出発点と位置付ける。とりあえずサーカスについて知りたい人の入門書として最適。
■『ニッポン・サーカス物語:海を越えた軽業・曲芸師たち』(三好一/著 白水社 1993.8)【779.5/10N/】
少年時代、足繁くサーカスに通った著者が幕末から明治への移行時に焦点を当てて、欧米で活躍したニッポンの軽業・曲芸師たちの足跡と京都の見世物興行を中心に貴重な絵や写真を使い、当時の様子を鮮やかに再現している。サーカスへの夢を心に抱いて書き記した読み物。
■『サーカス:起源・発展・展望』(エヴゲニイ・クズネツォフ/著 桑野隆/訳 ありな書房 2006.12)【779.5/24N/】
ロシアを中心に1930年代までの近代サーカスの起源から成立と発展を社会史、文化史、経済史的に位置づけ、自立した芸術、民衆の笑いの文化としての側面も強調している。当時の様子がわかる多数の図版が用いられており、巻末にはサーカス用語の索引がついている。詳細なサーカス史であると共に著者の好みも混じったサーカス観が興味深い。
■『サーカスのフィルモロジー:落下と飛翔の100年』(石井達朗/著 新宿書房 1994.12)【778.2/423N/】
1910年代から現代まで、サーカスを舞台にした映画約50本を渉猟し、その魅力を紹介する。まず、これだけの数が映画化されているというのに驚かされる。映画の中のサーカス論、パフォーマンス論を映像論と無理なく融合させながら展開し、サーカスと映画の時空を漂いたいという著者の気持ちが込められている。