レファレンスサービスのご案内 「土用の丑の日」の「土用」って 夏以外にもあるのですか?
更新日:2023年6月21日
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2019年10月 »「土用の丑の日」の「土用」って夏以外にもあるのですか? [PDFファイル/373KB]
1月22日は「カレーの日」です。1982年に社団法人全国学校栄養士協議会がカレーを全国の学校給食のメニューにすると決め、実際にカレーが提供された日にちなんで定められました。この機会にカレーの歴史について調べてみませんか。
(※【】は当館請求記号)
質問:「土用の丑の日」の「土用」って夏以外にもあるのですか?
「土用」は夏だけでなく、四季それぞれにあります。
■『日本大百科全書 17 とけ-にほんく』(小学館 1987.9)【031/45】
「土用」の項に太陽の天球上を通る経路(黄道)を示す座標が「それぞれ二七度、一一七度、二〇七度、二九七度に達したときが、それぞれ春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用入りで、その期間はおよそ一八日間で、各季の土用があけると立夏、立秋、立冬、立春である」(p.215)と書かれています。
■『現代こよみ読み解き事典』(岡田芳朗/編著 柏書房 1993.3)【449.3/6N/(2)】
陰陽五行思想によれば、陰陽2つの気が1年を周期とし代わるがわる消長盛衰する間に「木」「火」「土」「金」「水」という5つの活力ある物質が生じ、春夏秋冬の四季がうまれるといいます。季節の消長盛衰と五行の関係は以下のとおりです。
〇春→木の芽が出る→木
〇夏→烈火のごとく暑い→火
〇秋→金属のように冷え冷えする→金
〇冬→氷や雪に閉ざされる→水
こうして「木」「火」「金」「水」の四気からそれぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の四季が生じたということです(p.124-125)。
p.132の「四季と土用の作用」に「土」について書かれています。「土」は各季節の最後の18日間を占め、これを「土用」といいます。
一年は、春→春の土用→立夏→夏→夏の土用→立秋→秋→秋の土用→立冬→冬→冬の土用→立春→春→…と巡っていきます。
■『暦の百科事典 2000年版』(暦の会/編 本の友社 1999.11)【449/5N】
土用の間は土の神様が支配する時期で、土を動かすこと、例えば土を耕したり、井戸を掘ったり、壁塗りはタブーとされています。しかし、1年で70日以上(18日間×四季)も土を動かすことができないのは不便なために、各土用に間日(まび)といって土を使った作業ができる日を設けています(p.334-335)。
〇春の土用の間日…巳、午、酉の日
〇夏の土用の間日…卯、辰、申の日
〇秋の土用の間日…未、酉、亥の日
〇冬の土用の間日…寅、卯、巳の日
*その日が巳等どの日に当たるかは、干支の入ったカレンダーで確認できます。カレンダーに載っていない場合は『神宮館高島暦』などでわかります。
■『神宮館高島暦 平成31年』(神宮館 2018.7)【148.4/81N】
p.48-49によると、今年(2019年)の秋の土用の入りは10月21日で、19日目の11月8日に立冬となります。『神宮館高島暦 令和2年』(神宮館 2019.7)によると来年(2020年)の秋の土用の入りは10月20日になります(p.48-49)。
■WEB「国立天文台暦計算室」
「暦要項>二十四節季および雑節」でも前後3年間の土用の入りを調べることができます。
*その他、日食や月食などその他暦に関することについても調べられます。