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レファレンスサービスのご案内 西行「なにとなく 春になりぬと 聞く日より 心にかかる み吉野の山」の現代語訳や解釈が知りたい

更新日:2023年6月21日


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2018年4月 »西行「なにとなく 春になりぬと 聞く日より 心にかかる み吉野の山」の現代語訳や解釈が知りたい [PDFファイル/396KB]

お花見と言えば桜。桜の名所として名高い吉野山を詠んだ西行の歌についての質問をいただきました。

(※【 】は当館請求記号)

質問:西行「なにとなく 春になりぬと 聞く日より 心にかかる み吉野の山」の現代語訳や解釈が知りたい

​■『山家集 新潮日本古典集成』([西行/著] 新潮社 1982.4)【911.1/314】

p.296に訳があり「春が立ったと聞いた日から、何となくみ吉野の山の桜のことが気にかかるよ」と書かれています。

■『新日本古典文学大系46:中世和歌集 鎌倉篇』(佐竹昭広/[ほか]編集委員 岩波書店 1991.9)【918/2N/46】

p.3に訳があり、「なにということなく、今日春が立ったと聞くと、もうその日から心にかかるみ吉野の山よ」と書かれています。

■『西行』(安田章生/著 弥生書房 1993.11)【911.14/47N】

p.168に歌の解釈があり、「桜の花の名所であった吉野山には、とりわけ花の頃にしばしば出かけたものであろう。そういう吉野山に桜の咲く頃となったが、去年たずねていって目じるしをしておいた道を変えて、まだ見ない方面の桜の花を、ことしはたずねよう、というのである。第一句の後に軽い休止感があるが、その後、一気に詠み下して、平明な表現のうちに思いをよくとおらせている。西行らしい情感が大きく揺らぐように出ている歌である。」と書かれています。

■『西行 その歌その生涯』(松本章男/著 平凡社 2008.6)【911.14/261N】

p.131に歌の解釈に関する記述があり、「「なにとなく」の語が掛かっているのは下句。―今日は節気の立春だが、吉野山の桜はいつ咲きはじめることであろうか―。来る年ごと、立春だよと聞いた日から、なにとなく、つまり、はっきり意識するするわけではないが、そのことが気にかかってきた、とこの歌は言って居る。」と書かれています。

■『古典文学に見る吉野』(片桐洋一/[ほか]著 和泉書院 1996.4))【910.2/67N】

p.38に「昔の暦ですから、年の初めくらいに立春になります。そうすると、何ということなくその日から心は吉野山の方を向いている。春になる。すると、いつ桜が咲くだろうかというふうに心待ちされるのでそれで心にかかる吉野山。と、こういうことです。」という解釈が記載されています。

■『中古中世和歌文学論叢 竜谷大学仏教文化研究叢書』(大取一馬/編 竜谷大学仏教文化研究所 1998.12)【911.13/150N】

p.167に「一首は、「今日から春になったと聞く立春の日から、何となくみ吉野の山の桜の花が気に懸かる。」というものである。勅撰八代集では、立春には「春風」・「霞」・「梅の花」・「鶯の声」が待たれるものとして詠まれる。それに対して西行は吉野山の桜が「何となく心にかかる」というのである。」という記述があります。

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