【展示】「文豪 森鴎外」
更新日:2022年7月9日
2022年7月9日は文豪・森鴎外がこの世を去ってから100年目の「鴎外忌」です。
森鴎外は幕末の1862(文久2)年、現在の島根県にあった津和野藩典医、森家の長男として生まれました。大学で医学を学び、その後軍医となって、1884(明治17)年にはドイツへ留学。不遇な時代もあったものの、最終的には陸軍軍医総監・陸軍省医務局長の地位まで登り詰めます。
留学から帰国後、「舞姫」「高瀬舟」といった小説や評論などの執筆、外国文学の翻訳など、軍医の仕事と文学の二刀流で活躍、その作品は後続の作家たちに多大な影響を与えました。近代を代表する文豪として日本文学史に大きな足跡を残した鴎外は1922(大正11)年7月9日、60歳でその生涯を終えます。
家族や周囲の人々にも敬愛され、エリートそのものの人生を送った鴎外でしたが、死の三日前に口述した遺書には、「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」とあります。家のため、国家のためにその人生を捧げた「森鴎外」は、最後は地位も名声も捨て去り、市井のひとりの人間「森林太郎」として死ぬことを願いました。今は東京都三鷹市の禅林寺にある、「森林太郎墓ノ外一字モホル可ラス」との遺言通り肩書のない名前だけが刻まれた墓で静かに眠っています。
今回の展示では森鴎外の著作や評論、評伝のほか、鴎外ゆかりの人々の著作等関連資料を展示します。
2022年は鴎外の生誕160年の記念の年でもあります。幅広い知識に裏付けられた無駄なく端正な文章を、この機会にぜひ味わってみてください。
期間
2022年7月9日(土曜日)~8月7日(日曜日)
- 開館時間: 9時~19時(土日祝は17時)
- 期間中休館日:毎週月曜日、19日(火曜日)
ただし、7月18日(月曜日・祝日)は開館
↵
展示資料