平成14年度 初夏の展示 近世大坂「自然科学」の展開
更新日:2002年6月6日
近世大坂の「自然科学」というと幕末の蘭学・洋学が思い浮かびますが、本格的な洋学がおこる前にも、近世の「自然科学」は多様な広がりを見せていました。
江戸時代、上方(京・大坂)は日本の本草学・医学の一大中心地でした。特に医学の分野では、実証と臨床を重視する姿勢が生まれ、発達します。元禄ごろからさまざまな学問が花開いた大坂でも、懐徳堂の中井履軒、山片蟠桃らが、医学や天文学などの新しい知見を取り入れつつ、独自の世界観を打ち立てていきました。学問に深い関心を持ち、援助を惜しまなかった町人の存在も忘れることはできません。そうした風土が、後に大坂の洋学が興隆する基盤となっていったのです。
今回の展示では、洋学がおこる前の時代を中心に、近世大坂の「自然を見る目」をさぐってみたいと思います。
【日 時】 平成14年6月6日(木)~6月20日(木)
午前10時~午後5時
■休館日 6月10日(月)、17日(月)
【会 場】 大阪府立中之島図書館 3階文芸ホール
■■■ 展示会報告 ■■■
商都として多くの人・モノ・情報がゆきかう大坂は自由で合理的な思考が発達しましたが、自然科学の分野でも独創的な成果をあげました。
今回の展示では、本格的な洋学がおこる以前の大坂・上方の自然科学関係資料(本草学、医学、数学、暦学・天文学など)約90点を展示し、その動向を紹介しました。
会期中には約2,000人のご来場がありました。ありがとうございました。