大阪府立図書館

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令和7年度第1回大阪府立図書館協議会の概要(令和7年9月3日)

更新日:2025年10月24日

令和7年度 第1回 大阪府立図書館協議会議事録

日時  令和7年9月3日(水曜日) 14時から16時10分

場所  大阪府立中央図書館 多目的室

1. 開会

2.委員紹介

出席委員:橋本会長、村上委員(活動評価部会長)、井上委員、川窪委員、竹内委員、西田委員、藤井委員、道簱委員、山下委員
(遠隔出席)中野委員

3.中央図書館館長挨拶

4.議事(質疑要旨)

議題

(1)会長の選任について

(2)活動評価部会の委員について

(3)令和6年度 大阪府立図書館の活動評価について

(4)第六期図書館活動評価(案)について

〈議題1〉会長の選任について

[事務局] 大阪府立図書館協議会条例第4条の規定により、会長を委員の互選により選出する。

[委員] 橋本委員を推薦する。

[各委員] 異議なし

議題2〉活動評価部会の委員について

[会長] 大阪府立図書館協議会規則第4条第1項の規定に基づき、本協議会に活動評価部会を引き続き設置する。なお、部会に属する委員及び専門委員は、同規則第4条第2項の規定に、会長が指名するとある。前期に引き続き、同志社大学の佐藤先生、関西大学の村上先生、大阪成蹊大学・大阪成蹊短期大学の川窪先生、を指名する。村上先生には、部会長もお願いする。

[各委員] 異議なし

議題3〉和6年度 大阪府立図書館の活動評価について

(事務局より資料1~5により第五期の活動評価について説明)

(活動部会長より外部評価報告について説明)

(重点事業1)読書バリアフリーに重点的に取り組む。日本語を母語としない利用者へのサービスのうちアクセシブルな書籍などの充実と周知については、デイジー図書の目標値を上回る作成実績があるほか、多様な読書体験ができるイベントを開催した。バリアフリー映画の上映開催時にデイジー図書の再生機器を展示するなど積極的な周知への取り組みを高く評価した。マルチメディアデイジー図書に関する情報提供に関する記述が見られなかったため、その強化を求めた。

市町村立図書館が必要としている支援の把握については、やさしい日本語に関する司書セミナー開催、デジタルサイネージ見直しなど広報・情報発信が行われていることを確認した。府内図書館に実施したアンケートの要望から、要望の多い言語の絵本セットを作成するなど積極的な支援を展開している。日本語を母語としない利用者に向けて府が作成したサイトから府立図書館へのリンクが張られているが、TOPページが表示されるため、府立図書館の外国語資料の紹介などへつながるように要望した。

障がいのある子どもへの支援については、支援学校への出前おはなし会も昨年度同様実施しており着実に成果が出ていることを確認。職員の育成も継続していただきたい。

支援学校の教員学校司書向けの情報提供については、昨年度同様教員や学校司書への体験の機会を提供し評価されている。

日本語を母語としない利用者に向けてのサービス研修を市町村立図書館職員向けに実施し、児童サービス担当者連絡会などでも、関連情報の共有を行うなど、着実に実施しており、高く評価できる。

(重点事業2)非来館型利用の促進に取り組む。デジタルコンテンツの拡充については、目標数値を達成。令和6年から国文学研究資料館のプロジェクトに協力している点にも注目。行政資料については、デジタル化資料の収集について展望計画、進捗状況の可視化を期待する。評価項目外だが、国際児童文学館が国立国会図書館の未収かつ入手困難資料のデータ収集事業に参加し、利便性の向上に努めている点を評価する。他機関のデータベース連携については、国文学研究資料館の国書データベースに3年間で1万4千点のデータを提供するという数値目標を掲げ、昨年度の段階で大幅増となっている。デジタルコンテンツの認知度向上については、QRコードの提示で連携を図る、YouTubeチャンネルで公開するなど、様々な取り組みをしている点を高く評価する。現在国書データベースのみに搭載されている画像については、今後提供元の府立図書館おおさかeコレクションでカテゴリ別、解説付きで閲覧できるように望む。国書データベースのメタデータをおおさかeコレクションに効率的に利活用する可能性を検討するよう提言した。おおさかeコレクションにより大阪府民のシビックプライドの醸成に貢献すると考える。

非来館登録サービスについては、令和7年1月から試行、令和8年から本格実施予定で取り組まれている。

(基本方針1)グループウェアを活用した図書館実践事例の共有については、府域の図書館ネットワークの核としての役割実績を高く評価する。

(基本方針2)資料の展示回数については、目標値を上回り、時宜にかなった資料との出会いを提供した点を高く評価する。パスファインダー作成は目標値に1回足りなかったが、次年度の作成に不安はないと考える。

(基本方針3)学校などに対する支援の拡充、府域の子ども読書活動の推進については、目標値を大きく上回る成果を出した。国際児童文学館の資料の利用促進については、目標を上回る情報発信数、満足度調査でも高い評価を得ている。

(基本方針4)地域資料の収集保存と利活用について。万博関係資料の収集タイトル数は3年間で目標値は上回る見込み。昨年度、民間機関への資料提供の呼びかけについて提言した。図書館ホームページへの寄贈依頼ページの新設、大阪商工会議所などへ協力を依頼するなど取り組んでいる。

(基本方針5)連携事業数、情報発信数ともに、目標値を大きく上回る結果となっており、評価する。

最後に、第五期の2年目である令和6年度には中之島図書館の耐震改修のために建て替えられた新書庫が完成し、外部書庫からの資料移動配架が進められ、令和7年2月には供用開始に至った。こうした大きな事業を抱えながら、基本事業重点事業において拡充を進め、成果を出したことは評価する。

(質疑応答)

[委員] 資料4の資料費の予算が、大阪府と東京都で乖離している。東京都立の図書館費が不明のため資料費の割合がわからない。図書館費の中に占める資料費の割合も示した方が良いのではないか。

[事務局] 資料費の比較では差があることは把握しているが、東京都の図書館費については、この場で把握していない。

[会長] 事務局で再度調査し、別途報告するということでよろしいか。

[委員] 承諾。

[事務局] 図書館費における資料費に関して、未確定であるが速報数値があったため報告する。令和5年度は大阪府の図書館費全体で約7億円のため、図書館費における資料費の割合は約13%、東京都の令和5年度図書館費は、16億6千万円のため、資料費の割合は20.4%。

[委員] 資料5のネパール語の資料について言及があるが、現在、日本で就労する外国人で多いのはネパールやベトナムからの人である。ベトナム語などの本についてはどうか。

[事務局] 特別貸出用図書セットでは、ベトナム語、スペイン語なども用意している。こども資料室では、各小学校から見学があった際に、どのようなルーツの子どもがいるか確認し、関連する言語の資料を収集するよう努めている。令和7年度は特別貸出用図書セットにおいてベトナム語のセットを追加準備予定。

[委員] 障害のある子どもへの支援について、手話で楽しくお話し会が記載されているが、障がい児に対するサービスは手話だけに限らないのではないか。また、点字資料については含まれていると思うが、LLブックなどもう少し幅広い資料の収集と提供が必要ではないか。

[事務局] LLブックなどは情報を入手できたものはできる限り収集している。障がい者支援室でリストとしてホームページに掲載している。マルチメディアデイジーについても掲載しているが、活動評価部会でわかりづらいという指摘があったため、他からリンクできるようなものを今年度検討する。「手話」としているのは言語が全く違うため。その他お話し会でも様々なこどもたちが参加している。図書館見学で支援学校の来館があり、その際にお話し会も実施している。できる限り様々な方が参加できるものができればいいと考え実施している。「楽しい手話」には、外国にルーツのある子どもも参加している。

[委員] 重点事業1でネパール語の貸出図書セットを作ったとあるが、実際に利用はあったのか。

[事務局] 10月から12月にかけて高等学校の利用があった。高校で利用していたのはネパールにルーツを持つ生徒で、感想とPOPを書いてもらい、図書館で展示する準備をしている。

[委員] 国文学研究資料館と連携しての資料のデジタル化について、資料1(2)-1の古典籍資料のデジタル化について令和6年度の実績が極端に減っていたり、資料1(2)-2のデータ提供の点数が令和6年度は0になっていたりするが、目標を達成したため行っていないのか。減少の理由を教えていただきたい。

[事務局] 国文学研究資料館によるデジタル化については、令和6年度は令和7年度にデジタル化を行う資料のデータ選定を行う年度であったため減少している。データ提供については、当館でデジタル化を済ませ、おおさかeコレクションでも公開しているものの中から、国文学研究資料館が選定されたものを令和5年度に提供して、令和6年度はその公開作業を行う年度であったため提供件数がなかった。

[委員] 基本事業点検シートの最後「各種媒体に応じた情報発信」は当初の目標を上回っているが、前年度と比較すると減少している。減少しているものに関しては、コメントが必要と考える。また、これに関する外部報告書の7ページ目の数値は、令和5年度のものと思われる。

[部会長] 報告書の数値については訂正し、最終報告とする。評価部会では、数値の減少を問題としていなかった。目標を上回っており、年度により多少の増減はあるものと考えた。令和7年度の数値を見て判断したいと考えている。

[委員] 資料5の基本方針3にある「司書教諭および、学校司書担当者を対象とした研修」とあるが、担当者とはだれか。図書館の利活用に関する研修は教師を対象とするべきで、現場の教師はどの程度研修に参加しているのか。研修実績がどれくらいあるか図書館で把握しているのか。

[事務局] 学校教員並びに学校図書館の関係の方に向けた研修として、合同研修と司書セミナーがあり、申込時、およびアンケートで所属などを確認し、司書か教員かについても把握している。合同研修については、昨年度、今年度は探究学習における公共図書館との連携をテーマに研修会を開催し、半数以上は学校からの関係者である。昨年度の研修会では教員の参加は26名であった。

[会長] こどもに対する支援について。出前お話し会や見学について、肢体不自由以外の障がい種別の子ども達(知的障がいなど)にもこのような機会を届けられないものか。

[事務局] 実際のおはなし会の参加者には重複障がいの方々もいる。聴覚支援学校のお話会も重複のある子どもたちに向けて行っている。視覚支援学校や聴覚支援学校は学校数が少なく、個別にヒアリングでき、ご希望にあわせて行っている。かつていくつかの支援学校や知的障がいの支援学校とも調整を試みたが、実施には至らなかった。学校との調整で難しい部分もあるが、今後考えていきたい。

[委員] 資料3の利用者満足度について、年々減っていることについて具体的な利用者の声があれば伺いたい。蔵書満足度について、中之島の方では増加している点についても利用者の声があれば伺いたい。

[事務局] アンケートの母数が少ないため、個々の声が数字に表れやすい。また、図書館全体の満足度となると、館内の空調設備や自転車駐輪場に関する意見などすべてのことが影響しているのではないかと考えられる。

[部会長] 評価部会では90%を超えているためいい数字と判断。かなり以前の評価部会で、満足度を上げることだけにエネルギーを全集中するのではなく、穏やかに考えていくべきではないかという議論を行ったことがある点を付け加える。

[委員] 資料4の大阪府と他府県と比べたときの千人当たりの蔵書数について、平均よりも少ない。購入冊数の考え方や千人あたり大阪府としてはどの程度揃えていきたいという目標値のようなものがあれば教えていただきたい。

[事務局] 都道府県別の公共図書館集計は、市町村との合計で大阪府全体を算出したものである。府立だけではなく市町村と課題を共有していくことが必要と考えている。

[委員] 不登校児童にとっては、図書館は一つの居場所と考える。居場所的な図書館の在り方を考えに加えていただきたい。図書館として何か取り組まれていることはあるか。

[事務局] 令和3年度に地域教育振興課で文部科学省の委託事業の予算を取り、フリースクールへのセット貸出をする事業を行い、好評であった。借り受ける側の送料や、近隣の公共図書館まで受け取りに行くなどの負担があり、その後フリースクールでの利用はない。学校やフリースクールへのセット貸出充実のためふるさと納税制度を活用し呼びかけている状況である。

[委員] レファレンスサービスを含め様々な分野でAIが活用されているが、今後活用を検討される予定はないのか。

[事務局] 生成AIについては、提示されたものをそのまま使用することはせず、まずは内部で精査しながら活用していきたいと考える。

[委員] デジタルコレクションの提供・発信はされているが、利活用の状況は把握されているか。

[事務局] 当館は画像を利用してもらう際、デジタルデータを何に活用するか申請した上で使用してもらうため、申請があったところは把握している。オープンにしてほしいという声と、どういうことに使われているか把握したいという声があり、今のところ申請してもらう方式を取っている。

[委員] 著作権のない古典籍などはオープンにして、二次利用してもらった方が、大阪らしさをアピールする効果があると考える。

[委員] 大阪府立中之島、中央図書館が所蔵している古典籍は住友財閥がずっと残していた別格の古典籍であり、デジタルコンテンツの拡充は未来への財産となる。国書データベースにも搭載され、オープンデータ化にも取りかかられると期待している。

[委員] 多言語対応について。大阪府の高等学校には日本語の指導が必要な生徒が年々増加している。生徒を指導する中で、日本語指導とともに子どもたちの母語の指導もアイデンティティの育成のために大切。様々な言語の資料が出版されていることをどのように広報されているか。いきわたるための工夫として何かされているか。

[事務局] 蔵書検索で言語を指定した検索は可能だが、十分広報されておらずわかりにくいという指摘もあった。どのような工夫ができるのか、今後考えていきたい。

[会長] では、今回の協議会の審議結果として、外部評価報告の数値を修正する。図書館費全体の中で資料費が占める割合について有意義な比較ができるかどうかについては、事務局と会長で対応する。対応について一任いただけるか。以上の2点以外について令和6年度の活動評価についての図書館自己評価および活動評価部会外部評価について、承認いただけるか。

[各委員] 承認

〈議題4〉第六期図書館活動評価(案)について

(事務局より資料6~8により第六期の活動評価案について説明)

(質疑応答)

[会長] 本日は次期図書館評価の骨子を審議。次回協議会は第六期の図書館評価を固めるというスケジュールでよろしいか。骨子に加え、次回協議会では目標値を加えるのか。

[事務局] 目標値を加え、本日の意見をもとに事務局で検討、修正する。

[委員] 資料8の3-2と4では国際児童文学館による展示イベント、大阪資料・古典籍室による展示イベントが記載されているが、図書館そのものによる展示イベントは行わないのか。評価しないのか。

[事務局] 基本事業点検シートは、図書館全体の事業を俯瞰するものではなく、ピックアップしてその部分を確認するという点検作業のために作っている。

[委員] 資料8の3-1では、学校向けの教師の参加を目的とした事業はしないのか。

[事務局] 「学校や児童、生徒、学生の参加」としているが「学校」という部分に含まれていると解釈し、資料は作成している。

[委員] 資料8の2にある「所蔵資料を活用できる司書」とは何か。研修や教育のできる司書を育成するのが次の段階ではないかと考える。

[事務局] ひとまずは資料を活用という形で記述している。基本事業点検シートであるため、掘り下げてピックアップするような形で資料を作っている。

[委員] 数値を出し、それを目標値にして、評価していくやり方をいつまで行うのかという事を大きな問題として考える必要がある。他の都道府県はどのような形で評価を行っているのかを確認していただきたい。今後の課題として心に留めていただきたい。

[部会長] これまでの外部評価でも、項目を絞ってきた。目標値はシートにあがっているが、これ以外の質的な部分を外部評価の文書や自己評価を文章化する中で、しっかり評価をしていきたいということは、従前から考えている。外部評価の委員として、そのあたりは注意していきたい。

[会長] 定量評価がなじむものと定性評価がなじむものがある。予算の獲得などで、数値を要求される場合もある。トータルで見て良い評価方法について、次回議論できればと考える。

[部会長] 期間が3年から5年に伸びたことについて。最初立てた項目や数値目標が途中で陳腐化してしまうことも考えられることから、中間で見直す、新規の項目に入れ替えるということも踏まえて計画を立てていただきたいと提言した。

[会長] 第六期の活動評価については、本日の意見も踏まえ、事務局で検討いただくということで、現段階で承認するということでよろしいか。

[各委員] 承認

5.中之島図書館館長挨拶

6.閉会

<資料>

資料1 第五期活動評価 重点事業シート 【令和6年度】
資料2 第五期活動評価 基本事業点検シート 【令和6年度】
資料3 基礎指標第五期【令和6年度】
資料4 大阪府立図書館の基本統計/都道府県別公共図書館集計 2024 【令和6年度統計】
資料5 大阪府立図書館の活動評価~令和6年度のまとめ
資料6 大阪府立図書館活動評価全体イメージ第五期から第六期へ
資料7 第六期活動評価 重点事業シート(案)
資料8 第六期活動評価 基本事業点検シート(案)
参考資料 【外部評価報告書】大阪府立図書館の活動評価について(令和6年度)

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