平成30年度第2回大阪府立図書館協議会活動評価部会の概要(平成31年2月19日)
平成30年度第2回大阪府立図書館協議会活動評価部会議事録
日 時 平成31年2月19日(水曜日)午後2時から4時まで
場 所 中央図書館2階多目的室
1 開会
2 委員紹介
出席委員:村上委員(部会長)、岸本委員、佐藤委員(専門委員)
3 中央図書館副館長挨拶
4 議事(質疑要旨)
議題(1) 平成30年度 大阪府立図書館の活動評価について
(2) 第四期(2019-2022年度) 活動評価について
ア)重点目標の取組内容と工程について
イ)重点取組業務の具体的方策と数値目標について
(3) その他
(事務局より第三期の基本方針1~5について説明)
<基本方針1について>
[部会長] 3月1日に研修成果に関する事例発表が行われるということで、研修がどのように役に立ったかという情報が共有できる大変良い試みだと思う。事例発表は何件ぐらいか。
[事務局] 事例発表は茨木市立図書館、豊中市立図書館、そして府立図書館が行う。それ以外に、滋賀県立図書館に基調講演をお願いしている。
[部会長] 事例発表の様子や報告はHPにアップされるなど、どこかで見ることができるようになるのか。
[事務局] 府域図書館専用ページ内での公開予定で考えている。
[委員] 府内の市立図書館の方が、府立図書館での研修の後に、積極的に情報交換の場が設けられていると喜んでいた。研修だけでなく、いろいろな話ができる機会を魅力的に感じているようだ。
[委員] 府内市町村図書館は非正規職員の割合が高まってきていると思うが、研修参加者の正規・非正規の割合はどうか。
[事務局]非正規の中には非常勤や委託、指定管理なども入っているが、そこまでの分析はできていない。
研修のアンケートの項目には挙げている。分析すればある程度は分かると思う。
[委員] 研修の一つの考え方として、職員が継続的に成長していく中で、その職員のキャリアパスへの働きかけや効果を考えていくものがある。これは正規職員を対象とした考え方であり、きちんと考えていかなければならないことである。一方で、非常勤、非正規といった、継続性が考慮されていない職員もいる中で、両者が一つの場で研修を受けている。研修の目的はある意味非常に違ったものになるのではないか。つまり、長い目で見た職員の能力形成、そして日常の業務をより効果的に推進していくためのスキルアップのための研修。一律の研修でこれをやっていくのは厳しくなりつつあるのではないか。取組の仕方を意識的に考えていかなければならないのではないか。そのためにも、参加者の属性を把握してもらえればと思う。
[部会長]正規の方にもいろいろな立場の方がいる。ずっと図書館にいる方もいれば、そうでない方もいる。そうした違いも検討いただければと思う。
<基本方針4について>
[委員]「おおさかポータル」について、1月7日に公開されたが、公開については公式HPのお知らせに載っただけだった。現在でもGoogleで検索するとカレントアウェアネスRが2番目に表示される。
[事務局] 現時点では、大阪文献データベースの見せ方を変えたのが第一。今後、webAPIの仕様を公開し、連携を深めていく。またホームページ内で「おおさかポータル」へのリンクを目立たせる準備を進めている。
[委員] 整備中という事だが、最初に発信した時点でバッと宣伝していかないと“よくわからないもの”と思われて終わってしまい、後になると難しい。大々的に宣伝してもらえるとよい。
[事務局] ツイートなどでも広報をおこなっていきたい。
[部会長] 「おおさかポータル」とNDLサーチの連携状況はいかがか。
[事務局] 「おおさかポータル」の文献情報からNDLサーチを検索できるようにしている。
[部会長]NDLサーチからの検索もできるのか。
[事務局] 現在はできていない。webAPIの仕様を公開してから、NDLとも調整をしていきたいと考えている。
[部会長] 「おおさかポータル」に掲載されているデータは主に書誌データと文献リスト。例えば適塾だったり淀屋橋だったりと注目されるテーマがあると思うが、あえて画像を載せていない理由は。
[事務局]錦絵などの一部の画像データは載せている。たとえば適塾だとどのような画像をお考えか。
[部会長] 外観など。
[事務局] 施設との調整が必要なこともあるが、準備をして進めていければと考えている。現在は、地図で「この地域にこうしたものがある」と表示されるようにしているが、画像のほうがよりわかりやすいということもあるので、課題として考えていきたい。
[部会長] 一般のユーザーが見たときに魅力的でもっと探したいなと思ってもらえるか、「こんなものか」と思われて二度と使ってもらえなくなるか、かなり大きな差が出てくると思う。検討してほしい。
[事務局] 「おおさかポータル」については今後段階的に機能追加をしていきたいと考えている。その都度報告してまいりたい。
<基本方針5について>
[委員] 連携団体の満足度が100%とある。図書館と連携することによっていろいろなメリット、魅力があるということか。
[事務局] 図書館との連携にメリットを感じてもらっていると思う。ただ、連携団体から図書館に対して「いま一つ」という回答は出しにくいのかとも思っている。今後は参加者満足度を見ていく方向で考えている。
[委員] 外部機関にとって図書館と連携するメリットは大きいだろうと思う。満足度だけでなく、図書館と連携して「何が良かったか」をきちんと把握すると図書館としての強みになると思う。本当に何が良かったのかという本音のところを引き出すような形でお付き合いしていくのが良いと思う。
[事務局] 参考にさせていただく。
<その他>
[委員] 資料3について、利用が漸減傾向にあることを押さえておくべき。これは大阪府立図書館だけでなく、全国的な傾向。出版点数も90年代半ばにピークがきて、その後落ちてきている。そのような状況と重なると思う。課題なり、問題意識として触れておかないと、大阪府立図書館の大事な業務がぼやけてしまわないか。
[委員] 資料3は誰に向けたもの、どういった位置づけの資料であるのか。
[事務局] 府民を対象に、府立図書館の活動を知っていただくもの。
[委員] 解決に向けた腹案があるのであればよいが、漸減傾向にあることをあえて出すことは藪蛇にならないか。
[事務局] 課題を認識することで、次にどのような活動を展開するかという、図書館の姿勢を示すべきというご指摘と考えている。
[委員]「府立図書館はこれを頑張りました、一方でこうした課題を持っており、それに対してはこのように取り組んでいきます」と広く知っていただき、理解を得て、プラスの効果にすることが大事だと思う。課題があることを府民に認識してもらうことも必要ではないか。
[委員] 書き方に工夫が必要ではないか。
(事務局より第四期の基本方針1~5について説明)
<基本方針1について>
[委員] 「新たなコミュニケーションツールを活用」とあるが、具体的にツールの検討を始めているのか。
[事務局] 年末年始の図書館情報システムのリプレイスの際、「GroupSession」というグループウェアをインストールした。電子掲示板をはじめ様々な機能があるので、どの機能が有用か、効果的かを検討して試行に向けて動いていきたいと考えている。
[委員] 自己点検シートの連番2のニュースの発信回数もグループウェア上で発信することを想定しているのか。
[事務局] 既存のメーリングリストで発信するか、グループウェアで発信するか、グループウェアの機能の検討の中で考えていきたい。
[委員] 他府県で域内の図書館とグループウェアを使って情報共有している事例があるのか。
[事務局] こうした他の事例も含め、来年度早々に調査を予定している。
[委員] 他府県に事例がなく、府立図書館が初めてであれば、インパクトのあるニュースになるかもしれない。この場合は府民向けというよりは図書館業界内でのアピールになると思うが、都道府県立図書館のなすべき役割として、アピールする意味でも非常に意義のある取り組みだと思う。ぜひ業界内でのアピールもしてほしい。
[事務局] 了解した。
[委員] 新たなコミュニケーションツールを活用することによって予測される効果としてはどのように考えているか。
[事務局] より効率的に情報が入手できる、あるいは簡単にいろいろな情報に接することができる環境、基盤整備と考えている。
[委員] グループウェアを使うということで双方向性を強調しているが、数値目標としてはニュースの発信という一方向性というのはどうか。
[委員] グループウェアを導入したことによる効果の数値目標はなかなか出しにくいものではないか。現在では、まだどの機能を使うのかを決定していない段階ということもある。仮にアクセス数などを数値目標にすると、無意味なタスクを大量に発生させると評価が上がることにもなりかねず、数値目標の設定が難しいところだと思う。次期の途中で数値目標を変更できるということなので、どの機能を使いどう活用するかを決めてからでも遅くはないと思う。
[部会長] 資料5の連番3で研修ページに新設更新したコンテンツ数とあるが、これはどういったコンテンツを指して15という目標値なのか。研修実施数の目標値は40とあるので、「研修がありました」というコンテンツをアップするだけでも40となるのではないかと思う。個々のコンテンツの内容について教えてほしい。
[事務局] 例えば、司書セミナーは年間6回ほど開催する。研修実施数としては6回だが、コンテンツとしては「司書セミナー」というカテゴリで1回とカウントする。更新する度にカウントするのではなく、あくまでもページごとで考えていきたい。
[委員] 想定している内容としては、基本的にこういう研修をやります、終わりました、という内容か。
[事務局] 単にそれだけではなく、「この研修ではこういうことをやりました」といったことも考えている。
[委員] 研修の内容そのもの、そして配布資料を掲載するのがベスト。究極は動画だが、それをすると実際の参加者が減ってしまうという問題はあるが、そうは言っても研修に来られない方への研修機会の提供という事にもつながる。先のグループウェアの話も絡んでくると思うが、クローズドなページで内容やコンテンツを府域内では共有できる状態になることが将来的には望ましいと思う。
[事務局] グループウェアにしても研修のコンテンツにしても、府域図書館専用ページ内での公開を想定している。
[委員] それであればぜひ研修内容のコンテンツの掲載を検討していただきたい。
[事務局] 配布資料については現在でも掲載しているものがあり、その方向性は継承する。
<基本方針2について>
[委員] 重点目標評価シート2について、大変野心的で素晴らしいと思うが、連番5のような形で、調査研究、報告書の作成を自己点検シートには組み込まないのか。
[事務局] 自己点検シートの2-1が数値的な目標を設定し、さらに重点目標として調査研究にも取り組むという二本立てにしている。
[委員] 連番5は数値目標にならないものだが組み込んでいるが、なぜこちらは組み込まないのかという整合性の点でいかがか。
[部会長] こうした枠組みを作る際にどうしても重複する部分は出てくる。シート1ではネットワークの機能強化が重点目標で、シート2は調査研究が重点目標となっている。調査研究事業には当てはまるので、1-4の1に含めてもよいのではないか。
[委員]自己点検シート2-1に1として報告書を作ることを追加してよいのではないか。
[事務局]自己点検シートに重点目標評価シート2の内容を追加する。
[委員] 第三期では効果的な蔵書の構築を目指すという看板を掲げながら、書庫収蔵能力の確保と蔵書満足度を目標とするだけであり、弱かったように思う。何らかの形でプラスの方向が見え、看板との整合性がとれるようにするべき。第四期でここに報告書の作成を入れることで一定内容の整合性がつくと思う。今の形でまとめていただければよいと思う。
<基本方針3について>
[委員] こどもの読書について、「なかなか全ての子どもに行き届いていない」というときの何が、どこが抜けているのかという問題意識が必要になる。本当に働きかけなくてはならないのはどこか。ここに挙げられたものがすべてではないのではないか。一人一人の子どもたちが育っている環境にも課題がある。図書館に来られる子は幸せ。図書館に行きたくても行けない、図書館を知らない子どもたちに本を届けなければならない。「全ての子ども」たちに届くように、きちんと考えていく努力も合わせて必要なのではないか。頭に置いておく必要があると思う。
[委員] 31年度上半期に行うアンケート調査の対象を考えたときに、「アンケートを配れない子ども」が最も重要になる。ケースワーカーとの連携等も必要になるかもしれない。
[事務局] 重点目標評価シート3のアンケートは、基本的な考え方として支援学校、矯正施設を想定している。プラスアルファとしてどこへアンケートをするのかを31年度上半期で考えていく。施設へのアンケートが中心になると考えている。
[部会長] 「図書館利用に配慮が必要」と言っても、いろいろな配慮の形がある。それを想定して連携先を見つけ、アンケートを行うよう、よく検討してほしい。
[部会長] 「子どもの読書に関する情報提供」の指標について、刊行物の種類から発行回数に変わった。情報提供が刊行物の発行だけでよいのか、子どもにどのように情報を届けるかという側面からも考えてほしい。
<基本方針4について>
[委員] 資料5の、「おおさかポータル」の充実の目標値3000件の中身は。
[事務局] 文献、事項、年表のすべてのデータの合計。
[委員] 現在全部で何件が登録されているか。
[事務局] 1月7日の公開時点で、事項が約1万6千件、文献が約4万7千件、年表が約900件、合計で約6万4千件。
[委員] それであれば妥当な目標値と思われる。
[部会長]おおさかポータル、データ量が多いことが前提。どれだけ利用されるか。Googleで「適塾」を検索すると3~4つ目くらいにポータルが出てくるようになることが望ましいか。その意味で、いろいろなデータベースや関係機関とのリンク、情報発信含めより多く使われるように工夫してほしい。
<基本方針5について>
[委員] 資料5の連番26は両館合わせた数値か。
[事務局] 中央図書館のみ。
[委員] 第三期は回数が19となっているが?
[事務局] 第三期の19は連携団体数である。
[委員] 何団体と連携したかということか。
[事務局] 一つの団体と年間何回かイベントを開催することがあり、団体の数とするとボリューム感が少しぼやけてしまうため、第四期では実施回数とした。28年度からの実績値は、実施回数として算出しなおした数字。
[部会長] 本日の各委員からのご意見を踏まえ、3月19日に予定している30年度第2回大阪府立図書館協議会において審議をいただく。
5 中之島図書館副館長挨拶
6 閉会
資料1 重点目標評価シート1~5 [PDFファイル/133KB]
資料2-1 重点取組業務 自己点検シート [PDFファイル/355KB]
資料2-2 「重点取組業務 自己点検シート」自己評価の基準 [PDFファイル/124KB]
資料3 府立図書館の活動評価_第三期の総括と第四期への課題(素案) [PDFファイル/430KB]
資料4 第四期重点目標評価シート_1~5(案) [PDFファイル/277KB]
資料5 第四期 重点取組業務自己点検シート(案) [PDFファイル/119KB]