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官庁統計を使って調べる<製造業編>

更新日:2022年2月25日


官庁統計とは

官庁統計をさらに理解するには

工業統計調査

生産動態統計調査

製造業の官庁統計に関するQ&A

官庁統計とは

官庁統計は、国や地方公共団体等が行政施策推進の指標とするために作成する統計です。
その特徴として
(1)体系的に整備されている
(2)定期的に実施されているため時系列データがとれる
(3)大規模に実施される調査のため、客観性・信頼性が高い
があげられます。

ほとんどの統計情報がインターネット上で公開されています。
調査項目が多く複雑なため、手を出しにくいと感じるかもしれませんが、上手に活用すればビジネス調査の用途でも大変有用な資料です。

官庁統計をさらに理解するには

膨大な統計資料の中から必要な統計を探すのは大変困難な作業です。目的の統計がどこにあるのか特定するために役立つガイドブックおよび、サイトをいくつか紹介します。

『統計調査総覧』 全国統計協会連合会 年刊 ※平成18年で廃刊    中・央351-3N

「国(府省等)編」と「地方公共団体(都道府県・市)編」の2冊があります。表題の年次を含む過去5年間に国や地方公共団体等が実施した統計調査のうち、指定統計および、総務省で承認又は届出を受理したものを分野別に掲載しています。統計調査名、実施機関、目的、沿革、集計と公表、調査対象、調査方法、周期・期日、調査事項がまとめられています。巻末に府省別・都道府県別索引と統計調査名五十音順の索引があります。

『官庁統計徹底活用ガイド 2005年版』 生活情報センター 中350.3-18N

官庁統計は行政施策のために作成されていることもあって、誰にでも読みやすく編集されているわけではありません。用語の意味、表自体の構成、統計相互の関係などを知らないと数字を読み違える恐れもあります。このガイドは、実務に活用する上での注意点を中心にした解説やQ&Aと、それに密着した図表で構成されています。図表から読み取れることを生の数字をあげながら具体的な読み方例として紹介していますので、統計の学習材料としても使えるガイドとなっています。分野別に編集されており、巻末に事項索引があります。

『統計情報インデックス』 日本統計協会 年刊 中・央351-6N

「統計を探すためにその『所在源』に関する情報を編成したもの」で、官庁統計のほか民間統計も掲載されています。(1)刊行物の書名や項目などから抽出したキーワードから調べる「キーワード索引」、(2)編集機関ごとに、発行年月や収録内容などの情報を掲載した「書誌情報」、(3)編集機関・刊行物別の収録統計表題を掲載した「統計表題一覧」、(4)編集機関ごとの刊行物の書名を調べる「編集機関別書名索引」で構成されています。2008年版を最後に刊行されていないようです。

総務省統計図書館・統計相談 総務省統計局 [Web] https://www.stat.go.jp/library/

統計図書館は、総務省統計局内にある統計専門の図書館です。官庁や民間の統計関係資料や諸外国の統計書など多くの統計資料を所蔵しており、それらの書誌情報をデータベース化しています。
「統計相談」の中にある「統計データFAQ」では分野・項目からQ&A方式で、データの見方やその入手先を調べることができるようになっています。また、電話やメールによる統計相談もできます。

「政府統計の総合窓口」公表予定一覧 総務省統計局 [Web] https://www.e-stat.go.jp/

国が実施する統計調査について、どこ(各府省)が、いつ公表予定か(又は公表したか)等について公表日順に一覧されています。(トップページ下部「お知らせ・公表予定・新着」>「公表予定」)

大阪府の統計情報 大阪府 [Web] https://www.pref.osaka.lg.jp/toukei/top_portal/index.html

大阪府のWEBサイトで官庁統計の大阪府分の速報を公表しています。(例えば「大阪の工業動向 大阪府工業指数」の速報をExcelファイルで提供など。)
また、大阪府で発行した統計報告書・刊行物などについてもPDFによる提供をしており、大阪府分を閲覧することができます。

必要な統計の所在がわかったら、その統計書の概要を読んでみてください。調査の沿革、調査の項目、用語の定義などが書かれていて、これがデータの読み違いを防ぐ手立てとなるはずです。

次に、製造業の業種別動向や品目ごとの出荷額などを調査するための基本的な統計である『工業統計調査』と『生産動態統計調査』を紹介していきます。

工業統計調査

『工業統計表』 経済産業調査会 年刊    中・央505.9-3NX

『産業細分類別統計表』 経済産業調査会 年刊    中・央505.9-6NX

日本全国の製造業の事業所を対象としており、事業所数、従業者数、製造品出荷額、原材料使用額などについて調査しています。1909年以前に実施されていた「物産調査」を引き継いだもので、100年以上ほぼ毎年調査が実施されています。国内工業の実態を明らかにすることを目的として実施されており、「製造業の国勢調査」といわれる調査です。

調査名称 工業統計調査
調査開始年 明治42年(1909)
(第2回調査は大正8年(1919)。以後戦災で集計不可能だった昭和18・19年(1943・44)を除き、毎年調査を実施。調査は、毎年12月31日実施しているが、平成23年と平成27年の工業統計調査は、「経済センサス-活動調査」の実施にともない中止されたため、各年度の数値は平成24年と平成28年の「経済センサス-活動調査」の製造業に関する集計表を参照のこと。また、平成29年調査より、調査日は12月31日から6月1日に変更されたため、平成29年調査においては、事業所数、従業者数については平成29年6月1日現在、現金給与総額、製造品出荷額等などの経理事項については平成28年1月~12月の実績を調査しています。)
最新の調査 令和2年(2020) ※令和3年は「経済センサス-活動調査」実施年のため中止
調査周期 毎年(「経済センサス-活動調査」実施年を除く)
調査対象 日本標準産業分類「大分類E-製造業」に属する全国の事業所。
抽出方法 全数調査(裾切り調査) ※ただし、従業者3人以下の事業所を除く

【『工業統計表』の構成】

公表項目(集計内容)は、平成28年度調査までは「(1)速報、(2)産業編概要版、(3)産業編、(4)品目編、(5)市町村編、(6)用地用水編、(7)工業地区編、(8)企業編、(9)詳細情報」で構成されていましたが、平成29年調査より、「(1)速報、(2)産業別統計表概要版、(3)産業別統計表、(4)品目別統計表、(5)地域別統計表」に再編され、工業地区編は廃止されました。

 
産業編
産業別統計表 従業者4人以上、30人以上、4~29人の事業所についてそれぞれ、日本標準産業分類に基づき、主たる製造活動によって産業格付けし、産業別に集計したもの。産業別の事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額、製造品出荷額等がわかる。
従業者規模別統計表 従業者4人以上の事業所について、産業中分類、細分類別のそれぞれについて事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額、製造品出荷額等を集計している。また、従業者30人以上の事業所について、産業中分類別の事業所数、在庫額及び有形固定資産額を集計。
都道府県別、東京特別区・政令指定都市別統計表 従業者4人以上の事業所について、従業者規模別、産業中分類別に事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額、製造品出荷額等がわかる。また、従業者30人以上の事業所について、産業中分類別の事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額等、製造品出荷額等、生産額及び付加価値額の表と、産業中分類別の事業所数、在庫額及び有形固定資産額の表がある。
用地・用水に関する統計表 旧「用地・用水編」。従業員30人以上の事業所の工業用地、工業用水について産業別、地域別に集計している。事業所数等主要な調査項目のほか事業所敷地面積や水源別工業用水量がわかる。
経営組織別資本金規模別統計表 旧「企業統計編」。従業員4人以上の製造事業所について、それぞれが属する企業単位に組み替え、産業細分類別、経営組織別、資本金規模別に集計したもの。事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額等、製造品出荷額等、粗付加価値額等がわかる。
参考統計表 産業細分類別に、事業所数、従業者数、製造品出荷額等を集計した「推計を含む全製造事業所に関する統計表」や、産業細分類別、都道府県別産業中分類別にそれぞれ事業所数、従業者数、製造品出荷額等を集計した「推計による従業者3人以下の事業所に関する統計表」がある。
市区町村編
従業者4人以上の事業所について、主要な調査項目について産業中分類別に都道府県別、東京特別区・政令指定都市別、市区町村別に集計したもの。事業所数、従業者数、現金給与総額、原材料使用額等、製造品出荷額等、(粗)付加価値額がわかる。
品目編
従業者4人以上の事業所について、それぞれの事業所の製造品及び加工品を品目別に集計したもの。過去5年分の出荷額・出荷量、産出事業所数等がわかる。都道府県別、産業別の数値もある。

(参考)

・「産業編」と「品目編」の違い

「産業編」:調査対象の事業所が製造している製品のうち、最も額の大きいもので事業所を分類して集計。
「品目編」:産業分類には関係なく、調査票に記入された全製品について品目別に集計。
業種別の動向を調べるなら産業編を、産業にかかわらず品目そのものの出荷数などを知りたい場合は、品目編をみてみましょう。

工業統計調査 経済産業省 [Web] https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/

速報・概要版・確報が閲覧できます。

生産動態統計調査

「生産動態統計調査」とは・・・

月々の生産数などを調査することで鉱工業生産の動態を明らかにし、鉱工業に関する施策の基礎資料を得ること、またそれをもとに工業指数を作成することなどを目的として、「鉱産物及び工業品」を生産する事業者を対象に、経済産業省が毎月実施している調査です。同じく経済産業省が実施する工業統計調査が「製造業の国勢調査」と呼ばれていますが、ある時点間の労働者数や製品の増減を調査することから、生産動態統計は、国勢調査に対する人口動態統計と同じ性格の調査といえます。「機械統計」、「化学工業統計」、「資源・窯業・建材統計」、「繊維・生活用品統計」、「紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計」、「鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計」の6種類の統計があります。

調査開始年 昭和23年(1948)1月
調査周期 毎月
抽出方法 標本調査

どの統計年報も、巻頭には統計から読み取れる概況と指数が掲載されています。

経済産業省生産動態統計年報 機械統計編 経済産業調査会 年刊    中・央530.9-1NX

機械器具(機器)に関する統計で、平成24年までの書名は、『機械統計年報』です。”機械”というと、産業機械のような業務用の大型のものや電子部品などを想像しがちですが、家電製品から航空機まで幅広く網羅している調査です。「航空機」に関しては、全事業所を対象とした調査ですが、それ以外は従事者の人数(10人以上~50人以上)によって、品目ごとに調査対象となる事業所が変わります。「生産・出荷・在庫統計」では、品目ごとに生産量、受入量、消費量、出荷量、在庫量が過去5年分掲載されています。最新1年分は、四半期と月ごとのデータもあります。「労務統計」では、機械器具の生産及び管理に実際に従事する月末従業者数を、品目別に見ることができます。

―こんな品目があります―  ボイラやクレーンなど、いわゆる「産業機械」のほかにも、一般の会社や店舗で使用する複写機(事務用機械)、たばこや切符の自動販売機(業務用サービス機器)、エアコン(冷凍機及び冷凍応用製品)などもあります。また、一般家庭で使用する電子レンジやジャーポット、洗濯機(民生用電気機械器具)、テレビやデジタルカメラ(民生用電子機械器具)、携帯電話やインターホン(通信機械器具及び無線応用装置)も含まれます。発光ダイオード(電子管、半導体素子及び集積回路)やリチウム電池(電池)、ハイブリッド車(自動車)などもあります。自動車や航空機などは総体とは別に部品ごとの調査もされています。機械器具全体に関する統計のため、車いすや自転車などは電動のもののデータもわかります。

経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編 経済産業調査会 年刊    中・央570.5-1NX

化学工業品に関する統計で、平成24年までの書名は、『化学工業統計年報』です。原料を化学反応によって加工してできた製品が対象ですので、高圧ガス、石油化学製品などから、化粧品といった日用品まで幅広い品目を調査しています。調査対象は、従事者15名以上の事業所を対象とした「石灰及び軽質炭酸カルシウム」、同じく10名以上対象の「油脂製品、石けん・合成洗剤等及び界面活性剤」「塗料及び印刷インキ」、企業(委託先企業を含む)全体の従事者30名以上の企業対象の「化粧品」の4品目以外は全生産事業所を対象としています。「生産・出荷・在庫統計」は製品年表と製品統計表(時系列)があり、製品統計表(時系列)では品目ごとに生産量、受入量、消費量、出荷量、在庫量が過去5年分掲載されています。最新1年分は、四半期と月ごとのデータもあります。化粧品については、都道府県別の生産金額が掲載されています。

―こんな品目があります―  塩化ビニル樹脂(プラスチック)、エチルアルコール、写真フィルム(有機薬品及び写真感光材料)、マニキュア(ここではつめ化粧料)やヘアスプレー、化粧水、シャンプー(化粧品)、クレンザー等の台所用洗剤や洗濯用洗剤(油脂製品、石けん・合成洗剤等及び界面活性剤)など。使用用途(例えば化粧品なら頭髪用・皮膚用・仕上用)や形態(液体、固体など)で詳細に区分されている品目もあります。

経済産業省生産動態統計年報 資源・窯業・建材統計編 経済産業統計協会 年刊    中・央573-1NX

『窯業・建材統計年報』と『資源・エネルギー統計年報』が統合し、平成25年からこの書名に変更されました。窯業製品は非金属原料を高熱処理して作った製品のことで、セラミック、ガラス、セメントや、それらを加工した製品である食器などもこの統計に含まれます。「鉱物及びコークス(石灰石を除く)」「原油及び天然ガス」「石油」「板ガラス・安全ガラス・複層ガラス及びガラス繊維」「セメント」「耐火れんが・不定型耐火物」「炭素製品・研削砥石」「ボード・パネル」は全事業所対象の調査ですが、それ以外は従事者の人数(5人以上~30人以上)によって、品目ごとに調査対象となる事業所が変わります。「生産・出荷・在庫統計」の製品統計表(時系列)では、品目ごとに生産量、受入量、消費量、出荷量、在庫量が過去5年分および最新1年分は四半期と月ごとのデータがあります。製品年表もあります。巻末には、労務統計、生産能力統計も掲載されています。

―こんな品目があります―  安全ガラスや酒・清涼飲料・化粧品などのガラス容器(ガラス・同製品)、陶器の玩具・置物、和洋の食器や水洗式トイレの便器(陶磁器)、ファインセラミックス、耐火レンガや炭素繊維、せっこうボード(その他の窯業・土石製品)など。ガラス容器は、飲料用・食料用・化粧品用・薬品用など、建材も内装用・外装用やビル用・木造住宅用など、用途別になっている品目もあります。

経済産業省生産動態統計年報 紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計編 経済産業統計協会 年刊    中・央585-16NX

パルプ、紙、板紙、段ボール、紙おむつ、印刷、プラスチック製品及びゴム製品に関する統計で、平成24年までの書名は、『紙・印刷・プラスチック・ゴム製品統計年報』です。「パルプ」・「紙」・「板紙」・「紙おむつ」については全事業所を対象とした調査ですが、それ以外は従事者の人数(5人以上~100人以上)によって、品目ごとに調査対象となる事業所が変わります。

紙・パルプ統計  生産・出荷・在庫統計、原材料統計、生産能力統計に分かれており、「パルプ」「紙」「板紙」「段ボール」「紙おむつ」という大きな枠組みをさらに細かい品目に分け、生産量、出荷量、在庫量などがわかる(「紙おむつ」は原材料統計なし)。製品統計表(時系列)では、品目別の過去5年間の年間数値と、最新年の月別、四半期別数値がわかる。労務統計もあり。
印刷統計  生産・出荷・在庫統計は製品別(事務用印刷、包装印刷等)と印刷方式別(活版印刷、オフセット印刷等)にそれぞれ内訳された生産金額がわかる。製品統計表(時系列)では、製品別・印刷方式別の過去5年間の年間数値と、最新年の月別、四半期別数値がわかる。労務統計もあり。
プラスチック製品統計  生産・出荷・在庫統計と原材料統計に分かれており、品目別の生産量、受入量、消費量、出荷量(数量・金額)、在庫量がわかる。製品統計表(時系列)では、品目別の過去5年間の年間数値と、最新年の月別、四半期別数値がわかる。労務統計もあり。
ゴム製品統計  生産・出荷・在庫統計・原材料統計に分かれており、品目別の生産量、受入量、出荷量(数量・金額)、在庫量がわかる。製品統計表(時系列)では、品目別の過去5年間の年間数値と、最新年の月別、四半期別数値がわかる。自動車用タイヤに関してのみ生産能力統計あり。労務統計もあり。再生ゴムはゴム製品の統計とは別に計上。
―こんな品目があります―  「紙・パルプ統計」では、複写原紙、情報記録紙、包装用紙など用途別のデータがわかります。ティッシュペーパー、トイレットペーパー(衛生用紙)もこの統計。板紙も外装用、内装用などに分かれています。「印刷統計」では、ポスター、カタログなどの商業印刷、壁紙や化粧材などの建装材印刷、食品や日用品の包装印刷など。「プラスチック製品統計」では、合成皮革、各種機械の部品、調味料や化粧品の容器(中空成形容器)、散水用のホース、CD、DVDなど記録用ディスク(ディスクレコード)、浴槽・浄化槽など。「ゴム製品統計」では、自動車用タイヤについては乗用車用、二輪自動車用など使用用途別のデータがわかります。地下足袋や漁業・農業用の特殊長靴(ゴム製履物)、ケミカルシューズやサンダルなど、靴底にゴム及びプラスチックを使用した靴(プラスチック製履物)、ゴムホース、ゴムベルト、その他手術用器具など医療・衛生用品、競技用のボールなど運動競技用といったゴム製品があります。

経済産業省生産動態統計年報 繊維・生活用品統計編 経済産業統計協会 年刊    中・央586-5NX

『繊維統計年報』と『雑貨統計年報』が平成14年に統合され、平成24年まで『繊維・生活用品統計年報』という書名でした。
繊維工業品と生活用品に関する統計です。ピアノなど一般に”生活用品”という言葉のイメージからは思いつきにくいものも調査されています。調査対象は、従事者数10人以上から50人以上と品目によってばらばらで全事業所対象の品目はありません。また、従事者数だけではなく、「2以上の事業所を有する企業」などの条件が加わる品目もあります。「生産・出荷・在庫統計」の製品統計表(時系列)では、品目ごとに生産量、受入量、出荷量、在庫量が過去5年分掲載されています。最新1年分は、四半期と月ごとのデータもあります。このほか、「原材料消費統計」「労務統計」「生産設備・生産能力統計」も掲載されています。

―こんな品目があります―  繊維製品ではいわゆるアクリルやポリエステルなどの化学繊維、麻糸や毛糸など紡績糸、毛織物・タオルなど織物、ニット・衣服縫製品は、外衣や下着など使用用途で生産内訳されています。ふとん、レース、魚網など繊維製品の二次製品もあります。生活用品では、ピアノ(電子ピアノ)などの楽器、ペン、絵の具、修正液など文具、玩具類、革靴などの革製品、木製家具や事務用机などのオフィス家具(金属製家具)などもこの統計に含まれます。金属製家具では、流し台・ガス台・調理台それぞれとは別に、それらを統合したシステムキッチンとしても調査されています。

経済産業省生産動態統計年報 鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計編 経済産業統計協会 年刊    中・央564-11NX

平成13年までは『鉄鋼統計年報』で、平成14年から平成24年まで『鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計年報』という書名でした。
鉄鋼、非鉄金属(銅や鉛など、鉄鋼材料以外の金属)及び金属製品に関する統計で、調査対象は鉄鋼(磨棒鋼・線類・鋳鉄管・鉄鋼加工製品を除く)、アルミニウム、非鉄金属製品(電線・ケーブルを除く)、光ファイバ製品は全ての事業所対象の調査ですが、それ以外は従事者の人数(20人以上~50人以上)によって、品目ごとに調査対象となる事業所が変わります。
「生産・出荷・在庫統計」の製品年表は品目によって調査事項が違います。製品統計表(時系列)では品目別の生産量・受入量・消費量・出荷量・在庫量が過去5年分掲載、最新1年分については四半期と月ごとのデータもあります。また、原材料、生産能力に関する統計、従事者数がわかる労務統計もあります。

―こんな品目があります―  「鉄鋼編」では、銑鉄、フェロアロイ(合金鉄)等のほか、金網、鉄くぎ、ドラム缶、食缶等の鉄鋼加工製品。各種鋼は棒鋼・管材・線材等形状別と鋼種別のデータがあります。「非鉄金属編」では、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム等非鉄金属製品各種、光ファイバケーブル等光ファイバ製品、シリコンウェハ、はんだなど。飲料用缶(軽金属板製品)もこの統計。「金属製品編」では、橋りょうや水門等の鉄構物、ばね各種、バルブやコック、ドライバ、レンチ・スパナなどの作業工具、ガスこんろ、石油ストーブなどのガス・石油機器、太陽熱温水器、ダイカストなど。

経済産業省生産動態統計 経済産業省 [Web] https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/index.html

 平成25(2013)年より、生産動態統計調査の各速報や月報は「経済産業省生産動態統計」として一本化され、Webで公開されています。年報は前掲の部編ごとに冊子版(PDF形式)とExcel形式で提供されています。

生産動態統計調査には、前掲のほか、次のようなものがあります。

『薬事工業生産動態統計年報』 厚生労働省医政局 年刊    中・央499.5-1NX

 医薬品、医薬部外品、衛生材料及び医療機器の統計を掲載しています。医薬品については、都道府県別・薬効分類別・剤型分類別・生産規模別・従業者規模別の生産・輸入・出荷・在庫を掲載するほか、特掲医薬品、州別・主要国別・薬効分類別の輸出・輸入金額を掲載しています。月ごとの調査結果である『薬事工業生産動態統計月報』は平成29(2017)年まで大阪府立中央図書館で所蔵しているほか、年報・月報ともWebで集計表がExcel形式で公開されています。 [Web] https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/105-1.html

官庁統計にはほかにも、社会情勢の変化に応じて実施された様々な調査があります。ガイドブックを参考に、より詳細なデータがわかる調査がないか調べて、それにもチャレンジしてみてください。

製造業の官庁統計に関するQ&A

Q1 『工業統計調査』と総務省の『経済センサス-活動調査』の違いは?
A1 『工業統計調査』は、産業分類大分類で「製造業」に分類された事業所(事業所取扱高のうち、製造業に分類されるものが半分以上を占める事業所)のみを対象に、事業所数や従業者数などの基本事項とともに、製品ごとの出荷額、加工賃収入、給与、原材料使用額なども調査しています。
経済センサス-活動調査は、製造業、商業といった業種を限定せず、日本国内全産業分野における事業所及び企業を対象に(国・地方公共団体の事業所など一部例外あり)、事業内容や従業者数等、事業所及び企業の基本的事項のほか、売上及び費用の金額、事業別売上金額などを調査しています。
Q2 『工業統計調査』と『生産動態統計調査』の違いは?
A2 『工業統計調査』は、
産業分類大分類で「製造業」に分類された事業所(事業所取扱高のうち、製造業に分類されるものが半分以上を占める事業所)のみを対象に、分類ごとにその事業所が取扱う全ての製品をカバーしています。そのため、商品分類が『生産動態統計調査』にくらべると大きなカテゴリーとなっており、「その他の~」という項目が分類ごとに設けられています。
『生産動態統計調査』は、
品目によって調査対象となる事業所が違いますが、『工業統計調査』のように、事業所取扱高において製造業に分類されるものが占める割合は無関係なので、その品目を取扱っていて、従業者数が対象範囲内であれば調査集計されます。ある特定の品目についての生産数や出荷数を調査するのもので、『工業統計調査』より細かい製品名で調べることができます。
Q3 『生産動態統計』に出てくる「生産」「受入」「消費」「出荷」「在庫」の相互の関係は?
A3 生産されたものは、出荷されるか、自工場で消費されるか、在庫として残る。受入れたものは、消費されるか、出荷されるか、在庫として残る。在庫は、必要に応じて出荷される。当月末在庫=前月末在庫+生産+受入-出荷という算式が成り立つ。


各項目の相関図
生産→消費、出荷
在庫→消費、生産、出荷
受け入れ→消費、在庫、出荷

(『官庁統計徹底活用ガイド 2005年版』生活情報センター より)

これらの各用語の定義については、各統計巻頭の「利用上の注意」で確認できます。


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