第23回「近世大坂の酒」へ  第25回「平成10年度新収資料展」へ
第24回大阪資料・古典籍室1小展示
平成11年1月6日〜2月16日


雑誌『上方趣味』展





  大正4年4月に、「江戸趣味に對する上方趣味の氣焔をあげたいと言う意味から本誌の出版を思ひ立たのであります・・・當分の内隔月に一冊出版の豫定・・・」という編者の言葉ではじめられた「上方趣味」は、以後昭和にかけて続々と刊行された。

  当初、大阪市北区茶屋町で発行されていたが、大正5年春の巻より、今津(現西宮市)に移った。上方における各地の風俗、伝説、習慣、名物、旅行記、演芸などの内容とともに、表紙、口絵、挿絵も彩色木版手摺りの和綴じの凝りに凝ったものである。
  一冊ごとの大きさも小さく、手軽に待ち運び読むことができる。本文は、すべてルビ付きである。

  執筆者も、宇田川文海をはじめ江馬務、木谷蓬吟、高谷伸、高安月郊、など多彩な顔ぶれである。巻末には、灘の生一本の御酒の広告が夥しく掲載されている。

  当館所蔵の今回展示資料は、146冊あり、創刊号から昭和17年1月まで約30年にわたる。この間、独力で編集発行し、紫染という号で小説や随筆を書き続けたのは、渡邊亮である。

  昭和6年に出版された「上方趣味 総目録 大正版上」には、「上方趣味」と彼に対する諸家の気持ちが述べられている。趣味憧憬の念力の業「上方趣味」の世界をおたずねください。




展示資料  :  「上方趣味」 上方趣味社 <378−1006>



大正版: 小型本(約16×11cm) 60冊 bP〜60
枕本 (約14×20cm) 11冊 61〜71
中型本(約20×14cm)  3冊 72〜74
その他(約16×11cm)  2冊 75・76
叢書 (約21×14cm)    5冊 77〜81
総目録: 大正版上(16×11cm)  1冊 82
昭和 新刊: 小型本 22冊 83〜104
中型本 35冊 105〜139
枕本  4冊 140〜143
洋装書  3冊 144〜146



「上方趣味」の主な執筆者



明石染人 朝霧金太郎 蘆田止水 天津乙女 荒井白郎 生田花朝
生田南水 石井琴水 石田幸太郎 泉鏡花 磯田又一郎 板倉星光
市川右治丸 井上松園 井葉野篤三 今井幽泉 井本いはほ 入江来布
上田ひろし 魚澄総五郎 宇田川文海 馬野町人 梅川御代丸 梅川露桂
梅原忠治郎 江南蘇北 江馬推古 江馬務 大久保恒麿 大西利夫
大森痴雪 大森不及 岡田翠雨 岡本譎仙人 尾関岩二 会下山人
片岡仁左衛門 桂山人 桂白水 上司小剣 岸本水府 義昌子
木谷草中命 木谷蓬吟 北野恒富 絹川縫之助 木村嘉代子 木村喜行
錦江漁人 楠瀬恂 楠瀬日年 食満南北 幸田露伴 小上南領
子烏甚三 古座谷香取奈 小寺融吉 後藤美心 湖龍斎 金剛巌
佐川百畝 佐々木粂太郎 佐々木滋慣 島成園 島原廓 白河喜三太
鈴木敏也 鈴木富喬 鈴木春信 須磨対水 墨江浦人 井特
瀬戸半眠 曾我廼家五郎 曾我廼家十郎 薗千桂 染松順之助 高須芳次郎
高田蝶衣 高原慶子 高原慶三 鷹谷伸生 高谷仙外 高安吸江
高安月郊 竹内敬 竹本越路太夫 竹本土佐太夫 辰馬伯洲 田中絹代
田中朝太郎 田中美風 田中緑紅 棚橋絢子 谷本梨庵 田能村直入
玉樹芦城 田村千歳 立花粂之助 近松讃多聞 近松秋江 丁東詞庵
辻田秋聲 津村京村 露野紫白 寺崎廣業 鳶田角彌 鳶田額彌
内藤柳雨 中井浩水 中澤緑葉 永見徳太郎 中堀雀村 中村扇雀
仲村浪一郎 成瀬無極 西尾福三郎 二鐘亭半山 野崎左文 野田別天樓
野田三勇吉 野々口立圃 花見朔巳 濱野正吾 林阿彌 林長三郎
林春隆 林敏生 引田春洋 樋口富麿 肱川三十郎 福良竹亭
藤井清香女 藤井呂光 紅屋佐吉 芳草軒露桂 松坂青溪 水木十五堂
水谷竹紫 水の江瀧子 宮内壽松 宮川巍山 三宅鳳白 宮脇義巨
村島歸之 持田蹈青堂 持田木兆 森榮刀 森春水 矢澤孝子
柳川翠 藪野雀兵衛 山口草平 山科所見 湯浅竹山人 結城孫三郎
吉岡千種 吉川觀方 露曉庵主人 和歌乙鳥 渡邊箕山人 渡邊紫染
渡邊亮