大阪府立図書館の活動評価~令和7年度のまとめ~
更新日:2026年10月10日
活動評価の第五期の最終年にあたる今期は、令和5年度から7年度までの3年間を評価期間と位置づけ、府立図書館の5つの基本方針を横断する2つの「重点事業」と、それぞれの基本方針に沿った「基本事業」を設定し、取組みを進めてきました。7年度は、前々年度、前年度に行った事業のさらなるブラッシュアップや、新たなサービスの開始等により、目標を上回ることができました。
重点事業・基本事業の総括は次のとおりです。具体的な取り組み内容や目標値の達成度については各シートをご確認ください。また、より詳細な統計等については、「基礎指標」をご参照ください。
重点事業1:すべての府民が図書館サービスを享受できる環境の整備 ~図書館利用に配慮が必要な府民への読書活動支援~
1. 活字による読書や来館が困難な利用者、日本語を母語としない利用者への多様なサービス提供
(1)デイジー図書の作成は、目標としていた件数を上回って作成し、国立国会図書館へもデータ提供することができました。「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」では、参加者が多様な方法による読書体験を通じて読書のバリアフリーについての理解を深めるよう工夫をして実施しました。職員もさらなる支援機器取扱の習熟に取り組んでいきます。
(2)5年度に実施した府域市町村図書館へのアンケート結果および直近の利用状況を踏まえ、当館に所蔵が少なかったインドネシア語やタイ語、トルコ語など外国語の絵本を積極的に収集しました。特別貸出図書セットは、ベトナム語1セットとタガログ語2セットを作成しました。
2. 障がいのある子どもへの支援
支援学校への出前おはなし会は、さまざまな年齢層へ昨年度よりも多く実施できました。手話を使ったおはなし会「楽しい手話」は、継続的に参加する子どもたちも増え、これからも引き続き実施します。館内での手話研修は、3段階でのレベル別で実施し、研修生による「手話でたのしくおはなし会」も実施できました。今後ともカウンターでの手話による意思疎通や、支援学校への手話による出前おはなし会を担当することができる職員を育成する取組みを進めていきます。
3. 市町村立図書館向けの研修実施、情報提供
「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」は、府域の市立図書館でも同様のイベントが継続して実施されました。障がい者サービス情報交換会では、昨年度同様小規模グループによる情報交換の場を設け、活発な議論がなされました。さらに府内の図書館へ広がるよう情報提供や情報共有を進めていきます。
(次期に向けて)
図書館も協力して取組んできた「第二期大阪府視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(読 書バリアフリー計画)」および「第5次大阪府子ども読書活動推進計画」(いずれも今後5か年の計画)を令和8年3月に策定することができました。今後もすべての府民が図書館サービスを享受できる環境の整備は継続して実施するとともに、計画に基づいた施策を着実に実施していきます。


重点事業2:府立図書館蔵書の利活用の拡充 ~非来館型利用の促進~
1. デジタルコンテンツの拡充
中之島図書館独自での所蔵資料のデジタル化のほか、国文学研究資料館のプロジェクトに引き続き協力し、目標を上回るデジタル化を実施しました。また、令和7年11月から8年6月まで、国文学研究資料館内で新たに1,515点の撮影をしているところです。行政資料のデジタル化についても目標を達成することができました。国際児童文学館が所蔵する資料では、他館に所蔵のない明治から昭和初期の雑誌をターゲットに据え、目次データの追加は目標達成できませんでしたが、「国立国会図書館未収かつ入手困難資料のデータ収集事業」に画像データを昨年度に続き提供することができました。
2. デジタルコンテンツの認知度の向上
国文学研究資料館と連携し、近世大坂の出版活動を知る貴重かつ基礎史料である「大坂本屋仲間記録」(寄託資料)のうち、「板木総目録株帳」を国書データベースに公開しました。中之島図書館では、デジタル展示「貴重書怪談巡り」を公開し、「年賀切手になったおもちゃ絵」を更新することができました。中央図書館では、「フランス百科全書図版集」「19世紀薬用植物の世界」などの貴重書の紹介のほか、発行したパスファインダーなどの広報を実施しました。今後も引き続き図書館ホームページ上で利用できる便利なコンテンツの紹介に努めてまいります。
3. 資料および情報への多様なアクセス手段の確保と利便性の向上
オンライン利用者登録は、試行実施における運用の課題の整理を行ったほか、申請者へのアンケートを実施しました。それらの結果などを踏まえてプロジェクトチームで本格実施案を策定し、必要なマニュアルの整備や要綱の改定を行ったうえで、令和8年1月5日より本格実施を開始しました。試行から令和8年3月末までに1,000人を超える方にご利用いただいております。
(次期に向けて)
今後も非来館型のサービスであるデジタル化に引き続き注力します。第六期からは、評価指標を改め、デジタルコンテンツの全体および個別コンテンツのアクセス数とします。また、蔵書の利活用のベースとなる書庫が完成したことを受け、効率的な出納と着実な保存のために、資料の配置を検討し実行していく予定です。




【完成した中央図書館地下2階書庫】
基本事業
- 基本方針1
- 府立図書館は、市町村立図書館を支援し、大阪府全域の図書館サービスを一層充実させます。
- 基本事業1
- 府域図書館情報ネットワークの活性化
基本事業1 令和7年度の取り組み
毎週配信している「OPLニュース・ピックアップ」に加え、展示リストの共有、新しい取組みをインタビューして掲載する「OPLニュース・インタビュー」等を継続して発信し、府域市町村図書館における大阪府域図書館グループウェアの活用促進に努めました。アンケートおよび掲示板機能を活用した市町村間の情報共有が見られました。
- 基本方針2
- 府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。
- 基本事業2
- レファレンスサービスの拡充と、所蔵資料を活用できる司書の育成
基本事業2 令和7年度の取り組み
隣接地で開催されたサーカスに関する展示をはじめ、万博、ゲーム産業、デフリンピック、アジアSF、ファッションなどさまざまなテーマで展示を行いました。こども資料室では、季節の行事や記念日に合わせたテーマの各展示において、多言語資料をあわせて展示することを積極的におこない、多様な言語で読書が楽しめるよう工夫して伝えました。
レファレンス研修では、館を代表して参加した研修の伝達や、勤務年数の少ない職員に向けてのレファレンスのノウハウ継承の研修も実施することができました。
- 基本方針3
- 府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実・資料の利用促進に努めます。
- 基本事業3
- ・広域自治体の視点から学校等に対する支援を拡充し、府域の子どもの読書活動を推進
・国際児童文学館資料の利用促進
基本事業3 令和7年度の取り組み
司書教諭・学校図書館司書、担当者を対象とした研修のほか、高校生のための図書館講座「LibCo(りぶこ)」を4校に対し実施し、高い満足度を得ました。国際児童文学館では、さまざまな資料に出会える機会として、企画展示や小展示、追悼展のほか、特別研究者による講演会も実施しました。イベントや各展示の広報は積極的にX(旧Twitter)やホームページ、Instagramを活用しておこないました。こちらも高い満足度を得ることができました。
- 基本方針4
- 府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。
- 基本事業4
- 地域資料の収集・保存と利活用
基本事業4 令和7年度の取り組み
万博開催年の資料収集では、会期中会場現地での資料収集、未収集ポスターを寄贈依頼、大阪府庁・府立図書館両館・大阪府域図書館職員へ協力依頼、大阪ウィークスタッフとして万博出張時の収集、個別パビリオンへ訪問による寄贈依頼、閉会後に大阪府・大阪市万博推進局へ協力依頼をおこなうなど、今年度は特に積極的な収集に努め、目標を大きく上回ることができました。これらを万博のレガシーとして未来につなげていきます。
- 基本方針5
- 府立図書館は、府民に開かれた図書館として、地域の魅力に出会う「場」と機会を提供します。
- 基本事業5
- 府民の生涯学習、地域の情報拠点として地域の発展にも貢献し得るよう様々な事業を展開
基本事業5 令和7年度の取り組み
中之島図書館では、各種ビジネスセミナーなど外部機関・団体との連携事業を継続するとともに、資格セミナーでは新たに「産業カウンセラー」を実施することができました。中央図書館では、生涯学習関連事業としてシルクロードに関する連続講演会のほか、再犯防止に関する講演会、田辺聖子文学館ツアー等、公民多様な連携先と事業を開催しました。イベント開催に際しては、X(旧Twitter)やメールマガジン、ホームページでも広報するほか、連携先のSNS等での広報もご協力いただくことができました。