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第35回大阪資料・古典籍室1小展示
平成12年6月1日(木)〜7月16日(日)


中之島図書館所蔵

大阪の俳句・川柳雑誌展





 明治32年10月に、青木月斗創刊の『車百合』が、大阪初の俳誌と云われています。
これは、大阪の金尾文淵堂が出した文芸誌『ふた葉』に投句し始めた俳人たちが、青木月斗を中心に、三日月会を結成して創刊したものです。

 しかし、順調にゆかず、折から『ホトトギス』の編集に携わっていた、松瀬青々が、帰阪したのを機に、『車百合』の万事を依頼してとのつもりが、青々は、明治34年3月『寶船』を創刊しました。こののち、大正時代になると、5年2月『からたち』(青木月斗主宰)、8年4月『下萌』(水落露石主宰)、9年4月『同人』(青木月斗主宰)、11年12月『山茶花』(野村泊月雑詠選者)、15年2月『早春』(永尾宋斤主宰)と、活発になりました。

 一方、大阪の川柳誌の嚆矢は、明治39年6月に小島六厘坊創刊の『葉柳』のようで、大正時代になると、2年1月『番傘』(関西川柳社)、4年8月『雪』(川上日車他)、8年6月『後の葉柳』(同)、13年2月『川柳雑誌』(麻生路郎主宰)、13年3月『大大阪』(本田渓花坊主宰)と続きます。

 展示資料は、大正時代を中心に紹介しています。




展示資料



明治・大正時代に創刊の俳句雑誌


「寶船」 4巻2号 明治36年12月 雑−126#
「倦鳥」 1巻1号 大正4年11月 雑−126#
「林表」 1巻1号 大正14年7月 雑−126#
「同人」 創刊号
     2巻4号
大正9年4月
大正10年4月
雑−273#
雑−273#
「東風」 132号 昭和8年5月 雑−215#
「山茶花」5巻13号
      6巻2号
昭和2年12月
昭和3年
雑−698#
雑−698#
「山茶花」8巻1号
      10巻2号
昭和28年1月
昭和30年2月
雑−698#
雑−698#



大正時代に創刊の川柳雑誌


「川柳番傘」 10巻
        11巻
大正10年
大正11年
雑−545#
雑−545#
「川柳雑誌」 3巻
        4巻
昭和元年
昭和2年
雑−561#
雑−561#
「大大阪」 1の1
      1の7(7号)
      2の2(12号)
      (33号)
大正13年3月
大正13年9月
大正14年2月
大正15年11月
378−619#
378−619#
378−619#
378−619#




<参考文献>


「大阪の俳人たち」1〜5
大阪俳句史研究会編  和泉書院  1989〜1998
225−1165#  911.36−197N
「関俳連25年史」
25年史刊行委員会編  関西俳句雑誌連盟事務局  1984
226−991#
「現代俳句結社要覧」
大野雑草子  東京四季出版  1991  911.36−255N
「俳諧雑誌総合目録」平成7年6月現在
愛媛県立図書館  911.36−615N
「道頓堀の雨に別れて以来なり−川柳作家・岸本水府とその時代」上・下
田辺聖子著  中央公論社  1998  911.46−71N
「川柳総合事典」
尾藤三柳編  雄山閣  1984  229.4−317#