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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.152

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年10月25日更新

なにわづ・題字

2018年10月 No.152


明治に想う

岡本 富士男

 「明治」と聞いて身近に思い出すのは、四人の祖父母が皆、明治末年ごろの生まれだったこと、子供のころ「明治100年」記念切手を郵便局で並んで買ったこと、横須賀で戦艦「三笠」に乗って「割と小さいもんやな」と思ったこと。やはりその時代に生きた人から直接、見聞きするボーダーを超え、歴史・史跡として習い、時代ドラマ・小説を見て読んで知る時代である。

 「慶応」から「明治」へ年号が移る中、日本は劇的にかわった。大政奉還、王政復古、鳥羽伏見の戦い、江戸無血開城。権力の移譲が権謀術数の中で実現していった出来事である。そして制度の改変はそのあとに巧妙に段階を踏んでやってきた。版籍奉還、廃藩置県、徴兵令、地租改正、廃刀令、秩禄処分。討幕、佐幕関係なく、諸侯の領主権、武士階級そのものを葬り去った出来事である。

 今年は「明治150年」であり、国を挙げて関連施策(「明治時代以降の歩みを次世代に遺すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識すること」)を推進することとなっている。

 中之島図書館でも六月に「明治初年の大阪」と銘打って明治10年ころまでの所蔵資料の特別展示を行った。鳥羽伏見の戦いの中、徳川慶喜が大坂城を見棄てて幕府軍艦「開陽丸」に乗って逃げた後、原因不明の出火で燃えた大坂城を活写した「城中大火図」、大久保利通の「大坂遷都意見書」など時代をドラマティックに映すもの、地租改正により堺県から発行され、後に大阪府が添書き・公印を押して朱書きで地価改訂(減税)した「地券 柏原仁平名義」など、制度改変が実際にどのように行われたか窺い知ることができるもの、この時期の大阪を知ることができ興味深い。

 一方、いろいろな「発見」もあった。現在の大阪府内は、岸和田(城があるので)以外ほとんど幕府領と理解していたが、その他に六つの大名が存在し、狭山陣屋ではなんと小田原で秀吉に滅ぼされた北条氏の末裔が一万二千石を治めていた。しかし、この狭山藩であるが明治2年の知藩事任命を返上、廃藩置県を待たず堺県へ統合されてしまう。財政状況がもたなかったようである。それでもその後、明治17年北条家は他の大名と同様、子爵となっている。叙爵自体が版籍奉還の代償措置ということであろう。

 さらに明治4年奈良県が大和一国で成立した後、明治9年から14年までは堺県、その後明治20年まで大阪府だったことは、奈良県民の方でも多くはご存知ないのではないか。大阪府になって6年、大和地方のメンバーを中心に毎年中央への陳情を行った結果、再独立を果たした。きっかけの一つは府において師範学校分校の平谷学校(十津川郷)の予算が認められなかったこと。教育を重視する大和の人に吉野の教育を軽視する姿勢と映ったようだ。それぞれ理由はあったにせよ究極の朝令暮改、三度の事務引継ぎや人事異動を考えると眩暈がする事態である。

 少し紐解くだけでも、一人ひとり、町々ごとに混迷の時代を生き抜いたストーリーがありそうである。それぞれが逞しく、したたかに生き抜いた時代「明治」。我々はその中に何を感じ、何を学ぶのであろうか。

                                                          (大阪府立中之島図書館長) 


                           

平成29年度新収資料紹介     <大阪資料・古典籍課>

平成29年度中に収集した大阪にゆかりのある和古書・既刊書の一部をご紹介します。

                                         ※【 】内は当館の請求記号です。

 『如是庵日発句 元禄五年』 西順 元禄6(1693) 【甲和1333】

巻子装。西順(さいじゅん)の自吟自筆。西順は、元和2(1616)年生まれ、没年不詳。別称、如是庵。大坂堂島の僧で、連歌にたけた。

           

 

『如是庵日発句 元禄五年』の画像。「元禄元年 如是庵日発句 正月」から始まり、「一日」から「十五[日]」(「十六[日]」)までに詠まれた各日一句ずつが写っている。

 『大坂御出陣御人数揃 附高名并討死之人々』 写 325.2-80

第3代金沢藩主、前田利光(のち利常)が徳川方として大坂冬の陣に出陣した際の記録。前田隊は真田丸を攻撃、大損害を出して敗北したことで知られる。

 大坂御城内外諸覚書 宝暦二壬申年』 乾源之丞〔等〕 写 498-170

宝暦年間(1751~1764)の破損奉行による覚書の写本。江戸期の大坂城の規模や施設等がうかがえる。

『大阪両替手形便覧』の画像。百軒以上の両替屋が一覧できるようになっている。

 『大阪両替手形便覧』 大坂 河内屋宗兵衛 嘉永2(1849) 【枚535

 両替屋の名前・居所を記した一枚摺。

 狂歌今はむかし 由縁斎詠』 土屋自休編 大坂 誉田屋伊右衛門、寺田権兵衛 安永5(1776) 【229.3-440

大坂船場御堂前に住み、平明で機知に富んだ狂歌で人気を博した名手、由縁斎(油煙斎。永田氏)貞柳の五十回忌追善集。

 『花揃』 

一荷堂主人述、

長谷川貞信画 

大坂 綿屋喜兵衛 

【子658 

著者、一荷堂半水は大坂の戯作者。長谷川貞信の色刷り口絵のある歌の袖珍本。初二篇10冊。

『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(一冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(二冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(三冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(四冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(五冊目)

『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(六冊目)

『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(七冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(八冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(九冊目)『花揃』の画像。十冊それぞれの表紙の画像が横一列に並んでいる。(十冊目)

 その他、『最新大阪電車地図』わらぢや 大正15(昭和元 1926)【686.2-1064N】、

『南海沿線案内』南海電車 〔193‐〕【291.63-1865N】等の資料を収集しました。

「織田文庫」(第2期)」公開     

作家・織田作之助の姪で養女でもある織田禎子さんより新たにご寄贈いただいた作之助関係資料約650点の整理が完了し、平成30(2018)年4月「織田文庫(第2期)」として公開しました。草稿・書簡類は、作成済のデジタル画像でご覧いただけます。

「織田文庫目録 -web版-」

http://www.library.pref.osaka.jp/site/osaka/oda-web-index.html


イベントレポート     <ビジネス支援課>

今日からはじめる『実践!経営力アップ講座』 

当館では、大阪中小企業診断士会との共催で、大阪府内で起業を考えておられる方、経営者の方で事業相談をされたい方を対象として、無料で「経営・起業相談会」を開催しています。その他にも『実践!経営力アップ講座』を開催しており、昼に10回、夜は4回開催予定です。今回は、これまでに開催した講座の中から、2件ご紹介します。

●昼の部 第1回

『あなたも起業できる!夢を形にしてビジネスを創るお手伝い「ビジネスモデルキャンバス」ワークショップ実践講座』

講師:大西眞由美さん(中小企業診断士) 

開催日 6月20日(水曜日)14時から16時

最初に、起業のメリット(自由度が高く、自分の好きなことができることや、定年がないこと)、デメリット(全て自己責任であり、社会的信用力がほとんどないに等しいことや、お休みがないこと)についての説明がありました。

続いて、「なにわづNo.151」掲載の高校生向けビジネスセミナーでも使用した「ビジネスモデルキャンバス」を、「コンビニエンスストア」を例に説明していただきました。昨今増加してきた、メインターゲットとしての「高齢者」を加えると、従来の「コンビニエンスストア」のビジネスモデルがどのように変化していくのか、具体的に個々で検討しました。

その後、各参加者が自身の人生曲線を描き、これまでの人生の局面で発揮してきた自分の強みや、人生の核となっている部分について分析しました。その結果を踏まえ、自分の起業のアイデアを「ビジネスモデルキャンバス」に付箋を使って書き込んでいき、最後はペアで発表し合いました。もう1枚用意された白紙の「ビジネスモデルキャンバス」に付箋を移しながら説明していくことにより、双方にとって分かりやすいプレゼンとなったようで、表情を輝かせながら起業プランを説明されている姿が印象的でした。終了後も、ペアの方と名刺交換をされている方が多く、起業を検討されている方同士の交流の場にもなっていました。

イベント(昼の部)の会場の写真。正面のスクリーンにパワーポイントの画像が映し出され、その右横に講師が立っている。熱心に聴き入る受講生の後ろ姿も写っている。

●夜の部 第2回

『お客様はここにいる?‐地図情報を活用した商圏分析とマーケティング戦略‐』

講師:川崎ますみさん(中小企業診断士) 

開催日 7月18日(水曜日)18時30分から20時

最初に出された「出店候補地として望ましい立地とは?」といった選択式の簡単なクイズにはほとんどの参加者が正解され、今回のテーマへの関心の高さがうかがえました。立地の重要性、マーケティングの基本についての説明の後、メインテーマである、商圏分析に使用できる地図情報ツールについてのお話に入りました。インターネット環境があれば無料で利用できるRESAS(リーサス)、j STAT MAP(ジェイスタットマップ)の他、大阪府立図書館の両館で利用できるオンラインデータベースMieNa(ミーナ)の3種について、それぞれの特徴や使い方、強みや弱点についてお話しいただきました。講師からの質問に、ほとんどの方がこれらのツールを「知らなかった」と回答され、より多くの方に知っていただくため、さらなる情報発信の必要性を感じました。

次に、現在の店舗の立地の特徴を踏まえ、より効果的なマーケティングを行うにはどうしたらよいか、「理想と現実のギャップを埋めるマーケティング戦略」について「子供服販売店」と「カレーショップ」を例に説明していただきました。多様なデータの中から「14歳以下人口」、「昼夜間人口比率」などのデータに注目することで、リピーターを増やし、客単価を上げることができた実際の成功例です。

最後はMieNa(ミーナ)を用いて「ある地域への開店が決まっているが、どのようなお店にしたらよいか?」を検討することに。お店のコンセプトやターゲットなど、各自で考えるのみでなくグループに分かれその中で互いに説明し合ったためか、終了後のアンケートには「それぞれ注目したデータやデータの捉え方が違う点が印象に残った」という感想を頂き、発想を変えれば、多様なデータから多様な分析ができる、と効果的に実感していただけるワークショップとなりました。


カウンターより     

図書館員となって

中之島図書館を利用する機会はなかなかありませんでしたが、大学へ入り、通学途中に利用できるようになったことで身近な存在となりました。大阪の歴史をテーマに勉強していたこともあり、所蔵資料にお世話になったこともしばしばありました。

ある日、卒業論文を執筆するために「明治時代頃の岸和田地域の地図」が見たいと思い、レファレンスで司書の方に相談しました。結局、イメージ通りの資料が見つかることはなかったのですが、司書の方から「こういった広報紙に載っていることもあるんですよ」と岸和田市の広報紙から城下町の見取り図と岸和田城のあゆみが掲載されている記事を紹介されました。自分自身で調べている過程で「史料」に凝り固まって文献を探していましたが、「こういう視点で資料を探せるのか」と、司書の方が多様な視点から資料を探されたことにとても感動しました。

そんな私が中之島図書館に配属され、早いもので4ヶ月が経過しました。日々レファレンスの内容・取り扱う資料の幅広さを実感し、今まで利用することのなかった資料と格闘しています。

資料も多様ですが、利用者の皆様が情報を求める理由も驚くほど多様です。時刻表をご希望の方の理由が「実は昔旅行した時の路線を思い出したくて…」、企業の情報を探している理由が「昔父がお世話になった会社だから」など、やり取りの中で意外な理由から資料をお求めであることが明らかとなり、資料を探す方向性が変わることもしばしばです。利用者の皆様と資料との出会いを左右する「問い」の切り口の難しさを痛感しています。

『なにわづNo.152』に寄せるにあたり、バックナンバーを見るにつけ、改めて中之島図書館が歩んできた歴史の深さを実感しました。これから日々研鑽して利用者の皆様に「多様な視点」から求めている情報を提供できるよう精進していきたいと思います。  (1年生 K)

大阪文献データベースのことなど

中之島図書館に配属されて2年、大阪室に異動して1年目の現在、3階のカウンターで、郷土(大阪)に関連するレファレンスと日々格闘しています。例えば「祖父が昔勤めていた会社の当時の写真などがあれば見たい」、「高槻藩の藩主お抱えの学者だった○○について調べている」など、ピンポイントで訊いてこられることが多いので、出身が大阪ではなく、レファレンスインタビューも得意ではない私は、求められているものが載っている資料を提供するのに時間がかかることが少なくありません。

先日も「神農さんの由来について載っている資料が見たい」という質問を受けました。「蔵書検索では1件しか出てこなかった」とのこと。件名検索などをしても大差ない結果だったため、早々に「大阪文献データベース」での検索に切り替え。すると14件ほど資料が見つかり、その中の資料を紹介しつつ、レファレンスインタビューを進め、お求めの記事に行きつくことができました。

ここで使用した「大阪文献データベース」ですが、これまでに実際に受けたレファレンスで提供した資料群などをもとにして作られており、書名や目次だけでは見落としやすいような記事や本も見つけることができることがあります。レファレンスツールとしてとても便利なものをウェブ上に公開しているので、ぜひ活用していただきたいです。

さて、そんな「大阪文献データベース」ですが、来年公開予定の「デジタル大阪ポータル(仮称)」へ移行する準備を進めています。内容面についてもアップデートできるよう鋭意準備中です。より良いものになるように準備を進めていますので、今しばらくお待ちいただけると幸いです。  (2年生 OC)


中之島図書館周辺の地図

 開館時間 月~金 午前9時~午後8時
        土    午前9時~午後5時

  休館日  日曜日・国民の祝日及び休日・年末年始
          6月、10月、3月の第2木曜日

   大阪府立中之島図書館     
     〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
     電話(代表) 06-6203-0474

http://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/