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大阪府立中央図書館 国際児童文学館「綴り方倶楽部」

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更新日:2015年11月28日

『綴り方倶楽部』
(千葉春雄:編集・発行 東宛書房) 第1巻第5号(昭和8年8月1日)、第6号(同年9月1日)、第8号(同年11月1日) 縦23cm×横16cm 定価30銭

綴り方雑誌1(5) 綴り方雑誌1(6) 綴り方雑誌1(8)

本誌は、戦前に生活綴方運動で存在感を示し、主導的な役割を担った千葉春雄(明治32~昭和18年)が主宰・発行した雑誌。創刊は昭和8年4月で、終刊(昭和17年4月)まで約100冊が発行されたとされる。生活綴方の運動や実践・研究に大きな足跡を残したが、資料は散逸が激しく、公的機関の所蔵は極めて少ない。

内容は、学年別の子どもの綴方等(作文・児童自由詩)を中心に、編集部によるグラビア、作家による詩や読物ページ、漫画なども掲載。詩は百田宗治、読物は野鳥研究家で詩人の中西悟堂や与田凖一らが寄稿。また、表紙絵は『コドモノクニ』など絵雑誌にも多く筆を執った童画家の福与英夫で、カットを武井武雄が担当していることも注目される。綴方や児童詩を主としつつ、読み物としても楽しめるように編集されているのが特徴。昭和8年8月(第1巻5号)から百田宗治が、昭和11年2月号(第3巻11号)から北原白秋が児童詩の選評を担当。白秋が自著『指導と鑑賞 児童詩の本』(帝国教育会出版部)に、本誌に掲載された自らの選評を再掲していることから誌名が知られるようになったと言われる。

終刊以降、誌名は『学芸少国民』と変遷し、さらに日本少国民文化協会が編集した『少国民文学』へと引き継がれていく。巻号を引き継いだ『学芸少国民』(10巻1号、ただし目次表記では10巻2号)には、〈今までは、諸君の文によつてさまざまな生活を考へ、そこからよい綴り方やよい生活に到達するやう、勉強して来ました。そして今度も、そのことに変りはありませんが、これからは、かうならなければならぬといふ生活や、思想についても、もつともつと広く多方面に勉強して、今国を挙げて戦つている国家の目的にぴつたりとよりそひ、飛行機の翔ける方へ砲弾の飛ぶ方へ、戦車の走る方へ力の限り強歩することにしようと思ひます〉とあり、時局の影響を感じさせるものとなった。

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