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 「お伽絵本 西洋の一寸法師 ピーターパン」

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更新日:2015年11月28日


『お伽絵本 西洋の一寸法師 ピーターパン』
(榎本法令館東京支店  昭和2年4月5日) 榎本松之助:画作兼印刷者  縦19cm×横27cm 価格記載なし

ピーターパン表 ピーターパン裏

日本でもおなじみの「ピーター・パン」。J・M・バリの世界的名作は、日本でも早い時期から子どもの本として訳出され、楠山正雄訳の「ピーター・パン」(『苺の国』収録、赤い鳥社、1921年8月)が初訳と言われる。その後、菊池寛や芥川龍之介、鈴木三重吉、北川千代らによって繰り返し翻訳されたが、1953年にアメリカでディズニー映画が封切られると(日本では1955年公開)瞬く間に人気となり、以降はディズニーの影響を強く受けた作品が多く出版されるようになった。

本書『お伽絵本 西洋の一寸法師 ピーターパン』は、原作小説「ピーターパンとウェンディ」(1911年)の「おとぎの島」部分を取り上げたもので、他の子ども向け翻訳書にも多くみられるものである。本書刊行の昭和2年4月までに出ていた訳書には、先の楠山のものの他に、雑誌『女学生』に掲載された河井鞠子訳「ピーター・パン物語」(1921年1月~7月)や茶木滋子編『ピーターパン』(1926年5月)などがある。これらのうち、話の展開や省略のしかた、訳文および人名の一致などから、本書が参照したのは楠山訳と思われる。なお、本書の訳者については記載されていない。

版元の榎本法令館は、日清戦争直後に大阪で絵草紙類の刊行を始めた出版社。法令館、榎本書店、榎本書房などいくつかの商号があり、児童書や漫画本などを多く扱う大阪赤本業者の最大手となった。現在は、屋号を『神霊館榎本書店』とし、暦専門の在阪出版社として存続している。


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