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レファレンスサービスのご案内 明治の改暦で何が変わったのか知りたい

更新日:2023年6月21日


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2023年1月 »明治の改暦で何が変わったのか知りたい [PDFファイル/567KB]

2023年は日本で太陽暦が採用されてから150年です。明治5年(1872)11月9日、明治政府は「改暦の詔書」と「太政官布告」を出し、旧暦(太陰太陽暦)を廃止して太陽暦を採用することを発表しました。

(※【 】は当館請求記号)

質問:明治の改暦で何が変わったのか知りたい。

■『暦の大事典』(岡田芳朗/編者代表 朝倉書店 2014.7)【449/11N/】

「第10章 明治の改暦」によると、「改暦の詔書」には、旧暦(太陰太陽暦)は2、3年に一度閏月を置く必要があって季節が前後して不便であり、暦に迷信的な暦註が書いてあって人々を惑わせるが、太陽暦は精密で便利なので太陽暦を採用するとの内容が記されていたとのことです。また、同時に出された「太政官布告」には次の5ヶ条が示されていたとあります。

[1][明治5年]12月3日を明治6年1月1日とする。※1(後略)
[2]1年は365日で12ヶ月に分け、4年毎に1日の閏日を置く。
[3]時刻法を午前12時間、午後12時間の24時間制とする。子の刻、午の刻などを午前○時、午後○時とする。
[4]時の鐘も1月1日より新時刻法による。※2
[5]祭典なども新暦の日付で行う。 (p.338)

※1 年の初めの月は「正月」から「1月(ガツ・ゲツ)」と呼ぶようになった。
※2 定時法(時計)の時刻が「何字」から「何時」に改められた。

■『暦の百科事典 2000年版』(暦の会/編 本の友社 1999.11)【449/5N/】

「旧暦と新暦、どこがどう違うか」によると、旧暦の1年の日数はおよそ354日(月のみちかけの周期29日半を用いて、小の月[29日]大の月[30日]を6ヵ月ずつ)で、1太陽年の365.2422日に比べると11日あまり短く、1年経つと同じ日付でも季節が11日もずれ、17、8年経つと正月が真夏になってしまうので、2、3年に一度1年13ヵ月にして太陽の季節に合わせることが考えられたとのことです。なお、その余分の1ヵ月=閏月が入ると1年は383日から385日となったようです。(p.58-60)

■『時間の日本史:日本人はいかに「時」を創ってきたのか』(佐々木勝浩/[ほか]著 小学館 2021.8)【449.1/2NX/】

第2章の「定時法の導入-明治の改暦-」の項によると、改暦に伴い時刻制度が不定時法から西洋流の定時法へ変更されたことについて、福沢諭吉の『改暦弁』には「一昼夜が24時に分けられる」「西洋の一時(いっとき)は日本の一時の半分の時間である」「一時の60分の一を1分(ミニウト)という」などの説明が記されていたとあります。(p.73)

また、第1章の「江戸時代の時刻制度-不定時法-」の項には、不定時法は「夜明けを明け六つ、日暮れを暮れ六つとし、これを時刻の基準として1日を昼と夜とに分け、それぞれ6等分にするという時刻制度だった。昼と夜の長さは季節的に変化するので、時間の単位である一時(いっとき)の長さは昼と夜とで異なり季節的にも変化した。」との記述があります。(p.35)

参考資料

■『明治改暦:「時」の文明開化』(岡田芳朗/著 大修館書店 1994.6)【449.8/6N/】

明治改暦の詳細な内容のほか、第4章の「2 改暦に関連した諸改革」に「祝祭日の改変」などが記載されています。

■『福沢諭吉選集 第2巻』(福沢諭吉/著 岩波書店 1981.2)【081.6/60/】

『改暦弁』を所収。改暦と同時に発売された太陽暦の啓蒙書で、説明が平易で万人に理解できるように書かれており、たちまち二十数万部というベストセラーとなったそうです。

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