ヤングアダルトYA!YA!YA!126号
更新日:2024年10月4日
考える、夏
カルロス・スポットルノ/写真 ギジェルモ・アブリル/文 上野貴彦/訳 花伝社 2019.5 334.4/15NX/YA
地中海を命がけでボートで渡る人々、要塞のように高い柵で遮蔽された街。
平和を求め流入する難民達と欧州の様々な亀裂に迫ったライターとカメラマンによる、755コマもの写真で構成されたグラフィックノベル。
逃れてくる人々を助けようとする人もいるけれど、彼らを拒む人も多く、2015年ごろの欧州の現状が臨場感ある画面から迫ってきます。
朝井リョウ/著 新潮社 2021.3 913.6/3315NX/アサ
映画化もされた本作品。
あなたにとっての当たり前は、他の人にとっても当たり前なんだろうか?そんなことを今まで考えたことはありますか。
この本には、近年耳にする「多様性を大事にしましょう」という言葉の責任さえ追及せざるを得ない衝撃的な内容が含まれています。
読む前と読む後で世界は違って見えるでしょう。
『《世界》がここを忘れても:アフガン女性・ファルザーナの物語』
清末愛砂/文 久保田桂子/絵 寿郎社 2020.2 913.6/1916NX/キヨ
難民キャンプに生まれ、アフガニスタンで暮らす大学生のファルザーナは、友人と共に虐げられる女性を救える弁護士を目指しています。
けれども、政情不安で日常的にテロが行われるこの国では大学に通うのも命がけ。
安全すら脅かされるアフガンで、それでも希望を抱き生きる人々の姿に心をうたれます。
ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー/著 押野素子/訳 駒草出版 2020.2 933.7/233NX/アジ
遺伝子操作で「完璧」な子どもを作れる世界で、操作なしに生まれ親にすら疎まれる主人公。
セール会場で暴走する客たちを力で応戦する店員。
街をふらつく外国人を殺害するアトラクションで働く黒人青年。
差別を受け、それ故の危険にさらされる側である作家だからこそ描ける、シュールなのにリアリティを持った短編集です。
ホリー・ゴールドバーグ・スローン/作 三辺律子/訳 小学館 2016.8 J 933/5247N/ス
数字の7と植物に強い関心を持つ12歳の天才少女が、自分の居場所を見つけ、周りの人たちも変わっていくお話。
やる気のないカウンセラーのデルの診察を受ける孤児のウィローは、同じく、診察を受けに来ていたベトナム人の一家と親しくなり、デルのアパートに転がり込んで一緒に共同生活を始めます。