分類記号と本の並べ方
更新日:2023年10月28日
分類記号と本の並べ方
図書館の本の並べ方
図書分類法というのは、簡単にいえば同じ分野の本を同じところに集める並べ方。
当たり前のことじゃない?って思うかもしれませんが、昔は入ってきた順番とか大きさ順で並べたりしていました。
ですがそれでは利用者に不便だということで、現在ではほとんどの図書館が図書館分類法で本を並べていて、それが当たり前になっているのです。
図書館分類法とは
図書の並べ方のひとつ。
本に書かれた内容(テーマ、主題)によってグループ分けを行い、 そのグループを順序よく棚に並べる並べ方です。
簡単に言えば、似たような本は同じ場所に集めよう、同じ場所に集めた本は作者の名前や出版年などで順序よく並べよう、という並べ方です。
NDC(日本十進分類法)
NDC(日本十進分類法)ってなに?
NDC(日本十進分類法)は日本の図書館のほとんどで使われている図書分類法です。
1929年に最初のものが発行されて、現在第10版まで改訂されています。
どう分類されているの?
NDCは三ケタの数字と少数を使って本を分類しています。
下の図を見てください。
図の左側、一次区分が一番大きな分類です。0~9までの数字があり、それぞれに分野が振り分けられています。例えば“2”なら歴史、“3”なら社会科学ですね。
この大きな一次区分に一つ小さな二次区分がくっつきます。図にあるように、政治なら“31”、経済なら“33”になるわけです。社会科学という大きな分野の中に、政治、経済などの小さな分野が収まっているわけですね。
で、あとは皆さん、想像がついていると思いますが、この二ケタの数字にさらに数字がくっつきます。
下の図を見てください。
このように一次から三次までの区分に合わせ細かく振り分けていき、3桁になったものが基本的な分類記号です。
ところがこの三ケタの基本的な分類記号だけでは困ってしまう場合があるんですね。
例えば“332”という分類記号。これは経済史や経済事情を表す記号なのですが、この分類に該当する本は1万冊以上あるんですね。もしそのまま本を並べてしまっては本棚が同じ番号で埋まってしまってしまいます。
そこで下の図のように小数点をつかって、さらに細かく分類します。
上の例は「332」に小数点と1を加えたもので「日本の」「経済史・経済事情」を表します。このように、本に分類記号をつけ、その記号の順番に棚に並べていくことで、本を探しやすい本棚をつくっているのです。
大阪府立図書館ではどう使われているの?
大阪府立図書館ではどう使われているの?
まずはラベルを見てみよう
これは図書館の本の背に貼ってあるラベルです。
一番上はさっき勉強した分類記号。これで本を並べる場所を決めるんでしたね。
大阪府立図書館では一次区分が“3~6“の資料は3階、”0~2“と”7~9“の資料は4階にあります。例外は小説で、小説の一次区分は”9“ですが1階の小説資料室並べられています。
各階それぞれでも本は分類記号順に並んでいるので、本を探すときは本の背ラベルを見ながら探すようにしましょう。
2段目の数字はその分類記号の中でこの本が何番目に図書館に入ってきたかを表す受入番号。同じ分類記号の本は、このラベルの順番で書棚へと並べられます。まずは分類記号が同じ仲間を集めて、次に同じ分類記号の中で受入番号の順番に並べるわけです。
本を探すときも同じ順番、つまり分類記号で本棚を探してから受入番号で本を見つける、という順番で探せば簡単に見つけることができますよ。
「請求記号」を知っていますか
インターネットや館内の検索コンピュータ(OPACといいます。オパック、オーパックと読んでいます) で検索すると、だいたいこんな画面が出てきますよね。この請求記号とは、さっき見たラベルに書かれている分類記号と受入番号をくっつけて書いたものです。
要するに、ラベルに書かれた文字をそのままデータにしたわけですね。
配架(棚に並べること)の仕方
割り振られた番号順に、下の図のように左から右へと並べられます。
本のサイズが大きすぎて受入番号どおりの位置に入りきらないものは、 その分類記号の本が並べてある棚の一番下などに置かれていますのでご注意ください。