『薬指の標本』

小川洋子/著　新潮社　1994.10　913.6/5015N/オガ​

依頼された物を何でも標本にして保管する場所、標本室。そこで働く「わたし」はある日、標本技術士の弟子丸氏からハイヒールを贈られる。しかし、そのハイヒールには恐ろしい秘密があって―
純愛でありながらも、どこか無機質さと不気味さを感じさせる作品です。また、収録されているもう一作の短編、「六角形の小部屋」もおすすめです！

『天国旅行』

三浦しをん[著] 　新潮社　2010.3　913.6/35961N/ミウ

なぜ人は死ぬのか。自ら命を絶つ者や事故で突然命を失った人、そして寿命。何も告げずにいなくなってしまった人の思いは、どうすれば分かるのだろうか。幽霊になって現れた彼女が伝えたかったことって？夢の中に出てくる前世の記憶。様々な『心中』をテーマに描かれた生と愛の物語。人との繋がりを大切にしようと思わせてくれる作品です。

『押絵と旅する男　 （乙女の本棚）』

江戸川乱歩/著　しきみ/絵　立東舎　2017.12　913.6/48145N/エドYA​​

誰もが知る作家の名作を人気イラストレーターによるイラストとともに楽しめる乙女の本棚シリーズ。
江戸川乱歩による『押絵と旅する男』は、人ではなく「絵」に恋してしまった男の顛末を描きます。
名作の入門として、画集のようにも楽しめる一冊です。

『無花果とムーン』

桜庭一樹/著　KADOKAWA　2012.10　913.6/39901N/サク​

18歳の少女・月夜は紫の瞳、狼の歯を持つもらわれっ子。
ある日、月夜の大好きな兄・奈落が突然死んでしまいます。奈落を諦めきれない月夜。
そんな中、町で年に一度行われる「UFOフェスティバル」がやってきます。そこで出会った少年・密は兄と同じ顔をしていました。
月夜の揺れる言葉に胸を締めつけられる、甘く切ない物語です。​

『９９通のラブレター』

吉野万理子/著　PHP研究所　2010.1　913.6/35495N/ヨシ​

もし、大切な人がもう二度と目を覚まさないとしたら？
不幸な事故に遭い眠り続ける恋人・涼に眞夕子が書き続けたラブレター。
信じること。諦めないこと。愛すること。たくさんの想いが、胸をぐっと熱くしてくれます。
一途な想いの詰まった一冊です。