職員の日記帳(2020年5月 1)

更新日:2020年5月1日

職員の日記帳(2020年5月 1)

本にまつわるミステリー2選​

投稿者:在原 2020年5月1日

​本を読みたいとき、どこに探しに行きますか? 図書館?(だと嬉しい)、書店?(最新刊を読みたいときは必須ですね)、それとも、古本屋でしょうか。
新しい本こそありませんが、時を経て読み継がれてきた様々な本が古本屋にはあります。思わぬ出会いもあったり、掘り出しもを探したりも古本屋巡りの醍醐味ですね。出歩けるようになったら、古本屋巡りしてみたいなと思います。
……話がそれました。『ビブリア古書堂の事件手帖 [1] 栞子さんと奇妙な客人たち(メディアワークス文庫)』(三上延/著 アスキー・メディアワークス 2011.3)は、そんな古本屋とその古本屋に持ち込まれる本にまつわる謎と秘密を解き明かす物語です。「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子は、古書にまつわる知識が豊富な黒髪の美人。そんな彼女に一目ぼれした本の読めない五浦大輔は、古書堂で働き始めます。古本屋の仕事の内幕も垣間見ることができ興味深いです。
好きな本は、絶対に手元に置いておきたい。栞子さんはじめ、マニアと言われる人たちの本に対する情熱に圧倒されます。シリーズは全7巻、ドラマ化、映画化されています。続いては、『六の宮の姫君(創元推理文庫)』(北村薫/著 東京創元社 1999.6)をご紹介します。
将来、文学部に進みたいと考えている方、特に日本文学が好きな方におすすめです。大学の卒業論文で芥川龍之介をテーマにした「私」は、芥川龍之介の短篇「六の宮の姫君」についての芥川自身の発言の謎を知り、この謎を解明しようとさまざまな資料を調べ、推理を展開していきます。様々な資料をつなぎ合わせて、まるで芥川龍之介や同時代の作家が生きているところに立ち会っているような、リアルな情景を紡ぎだします。
論文執筆の裏側はまさしく推理と同じなのかもしれません。私も、文学部に進めばよかったーと、読むたびに思う一作です。
この小説は「円紫さんと私シリーズ」のうちの一作で、落語家の円紫さんが「私」の持ち込む話を元に事件を解決する「日常の謎」ミステリーの一つです。誰も傷つかず、優しい、でもすこし後味の切ない、そんな小説シリーズですのでおすすめです。紹介している本について
〇出版社HP(外部サイト)
ビブリア古書堂の事件手帖
六の宮の姫君〇Books.or.jp(外部サイト・ネット書店へのリンクあり)
ビブリア古書堂の事件手帖
六の宮の姫君

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