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平成22年度 大阪府立中之島図書館 特別講演会

蕪村のなかの〈芭蕉〉
『蕪村句集』の仕掛け

を開催しました。

平成22年度特別講演会風景1
 平成22年度中之島図書館特別講演会を11月6日(土)に開催しました。90名の応募があり、当日は70名の方にご参加いただきました。近世文学、とくに俳諧に詳しい藤田真一先生(関西大学文学部教授)をお招きし、「蕪村のなかの〈芭蕉〉 『蕪村句集』の仕掛け」をご講演いただきました。 『蕪村句集』『古今和歌集』の版本や先生が用意された「奥の細道屏風のミニチュア版」を見ながら、蕪村の世界に思いを馳せました。

平成22年度特別講演会展示風景1 講演の概要は次のとおりです。
 蕪村は、大坂毛馬村出身で、おもに画家として生計をたてていた。
 芭蕉を非常に尊敬していたが、蕪村自身の自負心もあった。
 『蕪村句集』は亡くなった後に弟子の几董によって刊行されたが、蕪村自身が生前に作成上の指示をしたのではないか、と推察される。
 江戸時代によくよまれた『古今和歌集』と同じく『蕪村句集』も四季を意識した排列になっている。季節の中も季節の移ろいどおりに句が並べられている。

平成22年度特別講演会展示風景2 講演の締めくくりは、『蕪村句集』最後の句についてでした。
    「芭蕉去てそのゝちいまだ年くれず」
 蕪村のこの句にこめた思いが伝わり、何とも言えない感動を覚えました。アンケートでは、「蕪村と芭蕉の関係がよくわかった」「蕪村の句の深い読みに感動した」などのご感想をいただきました。
 最後の質疑応答ではたくさんの質問が出まして、熱気溢れる講演会となりました。

講師: 藤田真一さん(関西大学文学部教授)
日時: 平成22年11月6日(土) 午後2時~4時
資料代: 500円(講演会当日受付にお渡しください
会場: 大阪府立中之島図書館 3階 文芸ホール(大阪市北区中之島1-2-10)
定員: 80名(定員になり次第締切)

~関連展示 『蕪村展』~ 

蕪村自筆の手紙をはじめ、芭蕉・蕪村に関係する当館所蔵資料を展示しました。
(平成22年10月28日~11月5日)

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