テーマ別資料紹介【第1回】
(平成22年10月作成)


中之島図書館所蔵資料にみる

江戸時代 日本の怪談・奇談





  • 『怪談全書 5冊』林道春(羅山) 江戸 中野孫三郎等 元禄11(1698)     【255.6-76】
    江戸時代の儒学者林羅山が、『史書』など中国の資料から怪異話をあつめて翻訳した怪談集。
  • 『雨月物語 巻1-5』上田秋成 大坂 野村長兵衛 安永5(1776)        【甲和-1263】
  • 『古今奇談繁野話 1-5巻』近路行者(都賀庭鐘) 大坂〔等〕山口屋又一郎〔等〕 明和3(1766) 【朝日255.6-12】
    作者の都賀庭鐘(つがていしょう)は大阪の生まれ。日本の古典文学と共に唐話の研究者でもあった。『英草紙』は白話文学(中国の口語体文学)の翻案から生まれ、“読本の祖”と言われる。この『繁野話』と次に紹介している『莠句冊』は『英草紙』の続編であり、それぞれ「古今奇談」の角書を持ち、九編の作品からなる。
  • 『古今奇談莠句冊 5冊』近路行者(都賀庭鐘) 浪華 河内屋八兵衛〔等〕 天明6(1786) 【朝日255.6-9】
  • 『狗張子 7冊』浅井了意 名古屋 木村利兵ヱ等求版 元禄3(1690)     【甲和-474】
  • 『席上奇観垣根草 5冊』草官散人 大坂 河内屋宇八 寛政5(1793)     【255.6-152】
    高師直や在原業平など歴史上の人物を題材に、中国の怪奇小説『今古奇観』や『捜神記』などを翻案して作られた作品。十三編からなる物語は寓意性を有し、作者の意見や教訓がもり込まれている。
  • 『本朝水滸伝 一名芳野物語 9冊』建部綾足 明和10年(1766)の序あり   【255.5-2】
    日本で初めて“水滸伝”の名称を書名に使用した作品。僧・道鏡の専横に対し恵美押勝や和気清麿らが立ち上がり、日本全土を舞台に活躍するスケールの大きい長編物語(未完)。
  • 『義経盤石伝 巻之1-6』渡頭一舟子(都賀庭鐘)著 蔀関月・大原東野画 大坂 河内屋吉兵衛 文化3(1806) 【255.6-202】
    源義経の一生をえがいた長編伝奇小説。 奇岩・鏡石の申し子である義経は、衣川では死なず、術の助けなどを借りながら蝦夷に逃れ、ついには宋に渡り清和国の王になる。
  • 『復讐奇談安積沼 一名小幡小平次死霊物語』山東京伝 江戸 鶴屋喜右ヱ門 享和3(1803) 【255.6-42】
    美少年喜次郎の復讐譚と、妻の情夫によって安積沼で殺害された小幡小平次の怪異譚を絡めて描いた作品。次々と怪異を引き起こす小幡小平次の物語は、歌舞伎などに取り上げられたほか、近現代においても『生きてゐる小平次』(鈴木泉三郎作)や『覘き小平次』(京極夏彦著)などに使われている。
  • 『戯場花牡丹灯籠 2冊』山東京山 歌川国貞画 江戸 岩戸屋 文政7(1824)  【乙-421】
  • 『敵討貞女鑑』山東京山 歌川国貞画 江戸 錦重堂 天保15(1844)       【乙-375】
  • 『戯春大江山入』山東京山 鳥居清峰画 江戸 森治 文化8(1811)        【乙-88】
  • 『南総里見八犬伝 121冊』瀧澤解(馬琴) 柳川重信等画          【朝日255.6-2】
  • 『前太平記図会 6冊』秋里籬嶋編 西村中和画  江戸〔等〕 丁字屋平兵衛〔等〕 天保4(1833) 【323-154】
    前九年・後三年の役などの動乱での活躍に加え、土蜘蛛退治や酒天童子の奇談も盛り込み描いた、源氏240年の武勇伝。
  • 『女熊坂朧夜草紙 5冊』暁鐘成画作 文繍堂 文政8(1825)         【255.6-54】
  • 『近世正説会談浅間が嶽 5冊』菊丘文波作 大坂 塩屋平助等           【255.6-90】
  • 『近代百物語 5冊』鳥飼酔雅 大坂 吉文字屋市兵衛等 明和7(1770)    【255.6-102】
    百物語は江戸時代に流行した怪談会の一形式。集まった人々が怪談を交互にしていき、一話終わるたびにろうそくを一本ずつ消していく。すべてのろうそくが消えた時、妖怪が出現すると言われていた。この『近代百物語』以外にも“百物語”の名を持つ怪談集が多く作られている。
  • 『古今霊獣譚奇 6冊』木村明啓(暁鐘成)輯録 大坂 岡田群玉堂 嘉永7(1854) 【255.6-112】
  • 『怪談□(コノゴロ)草紙 巻之1-5 5冊』源温故 江戸〔等〕若林清兵衛〔等〕 寛政9(1797) 【朝日255.6-10】
  • 『聞書雨夜の友 5冊』二流間主東随舎                     【255.9-20】
  • 『深窓奇談 5冊』十返舎一九 江戸 中川新七 享和2年(1717)の序あり 【255.6-64】
    十話の怪談からなる。序文には、“十返舎一九が箱根で入湯した際、道祖神の精がやってきて語った話を記録した”とある。
  • 『絵半切かしくの文月 2冊』山東京山 歌川国直画 円寿堂 文化11(1814)   【255.5-8】
  • 『怪談徒然噺』五柳亭徳升 歌川国芳画 江戸 栄久堂 天保3(1832)      【乙-385】
  • 『怪談鳴見絞』東西庵南北 歌川国貞画 江戸 山本平吉 文政14(1831)      【乙-126】