としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2009年11月掲載
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 雷を知る
  昔から怖いもののひとつとして数えられる雷。神秘的な自然現象として人々の関心を集めてきました。今回はそんな雷の様々な側面を知る資料を集めました。当館では「秋だよ!図書館へ行こう!DAY」のイベントで、府民講座『アッと驚く「カミナリ」の話 まいど1号とカミナリの正体』と、関連ミニ展示「雷(カミナリ)」も開催します。あわせてお楽しみください。
 
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雷に魅せられて カミナリ博士、その謎を追う (DOJIN選書16)
河崎善一郎著 化学同人 2008年5月刊
『雷に魅せられて』表紙画像
 雷は怖いけれど身近なもの。ついよく知っているつもりになってしまいますが、本書を読むとその世界の奥深さに驚きます。下から上へ向かう雷、冬の雷、そして世界各地の雷・・・。軽妙な語りに引き込まれて楽しく読み進むうちに、こちらも雷に魅せられてしまいます。
 雷の観測に世界中を飛び回る著者の夢は、人口衛星で宇宙から雷を観測すること。それを実現させてくれたのが、皆様ご存じ、今年1月に東大阪の中小企業が協力して打ち上げた人工衛星「まいど1号」だったのです。そのいきさつは本書のエピローグに触れてあります。

 
雷の科学 (B&Tブックス)
妹尾堅一郎監修 雷研究会編 日刊工業新聞社 2008年7月刊
『雷の科学』表紙画像
 昨今、雷のしくみは解明されてきていますが、現代の科学技術をもってしても、雷のような大規模な自然現象を人工的になくすことはできません。古来より、人知を超えた存在として崇められてきた雷。しかし、いたずらに雷を怖がるのではなく、畏敬しつつも、防雷、減災への対応の仕方を考えていくことが大切だと著者は言っています。
 この本では、「雷が鳴ったらどこに避難すればいいか」や「どうしたら電気製品を壊れないようにできるか」などのすぐに役立つ知識から、「雷エネルギーを工業的に利用できるか」という大きなテーマに至るまで、幅広く取り上げられています。

 
雷文化論
妹尾堅一郎編著 慶應義塾大学出版会 2007年4月刊
『雷文化論』表紙画像
 2002年3月、第1回「雷サミット」が、科学、技術、文化、芸術、民俗、社会研究等、さまざまな側面から雷を見る学際的サミットとして開催されました。以来、毎年3月に開催され、平成21年には第8回を迎えました。
 この一冊の本の中に、科学的な雷の解説のほかに、日本や世界の文学の中の雷、主だった宗教の中の雷、雷と「電気」の関係、音楽や絵画の中の雷の表現など、さまざまな「雷」の側面が詰め込まれています。
 14人の執筆者の専門、経歴もさまざまで、一つのテーマのさまざまな側面が発見できるところが、図書館やとしょかんせんなりびょうたんに似ています。
 
天神さまの美術 菅原道真没後千百年
東京国立博物館、福岡市博物館、大阪市立美術館編集 NHK 2001年7月刊
『天神さまの美術』表紙画像
 平安時代前期の優れた文人政治家であった菅原道真は、無実の罪で大宰府に左遷され、失意のうちに亡くなります。その後、宮中の清涼殿に雷が落ちて公卿が死傷するなどの事件が、道真の怨霊の祟りだとされ、神格化された道真は火雷神として恐れられるようになりました。やがて天神信仰は様々な要素を加えて変化・発展し、今日でもなお学問・受験の神としてあがめられています。
 この本では、朝議中の清涼殿に落雷したときの雷神と逃げ惑う公卿たちの姿をダイナミックに描いた「北野天神縁起絵巻」承久本をはじめ、菅原道真と天神信仰にまつわる様々な美術品を紹介しています。
 なお、この本は貸出ができませんので、館内でお楽しみください。

 北野天神縁起については、『北野天神縁起を読む』(歴史と古典 竹居明男編 吉川弘文館 2008年11月刊)などもあります。あわせてご覧ください。

 
だるまちゃんとかみなりちゃん (こどものとも傑作集28)
加古里子さくえ 福音館書店 1968年8月刊
『だるまちゃんとかみなりちゃん』表紙画像
 空から落ちてきたかみなりの子を助けてあげた、だるまちゃん。お礼に、雲の上のかみなりの世界に連れて行ってもらいます。かみなりこうえんのプールで遊び、「かみなりまちいなずまどおりごろごろばんち」にあるかみなりちゃんの家に行きました。何もかもが雷の形になっている、かみなりちゃんの家や街の様子は必見です。
 同じ著者の書いた『天地のドラマすごい雷大研究』(かこさとし大自然のふしぎえほん8 小峰書店 2001年9月刊)は、雷のしくみを楽しく理解できるように工夫された、劇仕立ての絵本です。

 
風神・雷神 新実徳英◎協奏曲集(CD)
新実徳英作曲 矢崎彦太郎指揮 東京都交響楽団演奏 発売元:カメラータ・トウキョウ 2004年6月刊
『風神・雷神』外観画像
 雷といえば太鼓を連想しますが、こちらは大太鼓とオルガンによる協奏曲。この組み合わせが新鮮で、神々しい響きを創り出しています。新実徳英氏は管弦楽曲や多くの合唱曲を手がけている作曲家で、当館には著書『風を聴く音を聴く』(新実徳英著 音楽之友社 2003年1月刊)もあります。
 その他に、雷をモチーフにした曲を探してみると、次のようなものがあります。
『黄金の鼓動(パルス)!!銅鐸』(演奏:土取利行 ビクター 1989年刊)
 奈良県の畝傍山山頂で録音された銅鐸の演奏による「雷神」を収録しています。意外に明るい音色に驚きます。
『効果音大全集(自然編) 4雷』(監修: 日本サウンド・エフェクト研究会 キングレコード 1990年刊)
 当時の最新の録音技術による本物の雷の音が入っています。少し変わったBGMにいいかもしれません。
『シュトラウス・ファミリーのワルツ、ポルカ、マーチ集』(演奏:シンシナティ・ポップス・オーケストラ 指揮:エリック・クンツェル 発売元: 日本フォノグラム 1985年刊)
 ここに収録されているポルカ「雷鳴と稲妻」は、ちょっとびっくりするほど大きな雷の音(打楽器)が入っています。

 みなさんのイメージに近い雷の音はみつかるでしょうか?

 

作成:資料情報課


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