最終更新日:2011年9月2日
資料3

第2次大阪府子ども読書活動推進計画(案) 概要

第1章 はじめに

1 背景

 <子どもを取り巻く背景>
情報メディアの長時間利用などにより、言葉を介する意思疎通やコミュニケーションが十分にできなくなっている状況がみられる。
<第2次大阪府子ども読書活動推進計画策定の背景>
大阪の子どもの読書離れを改善するためには、より効果的で効率的な取組みを府内各地へ一層広げていくことが大切であると考え第2次計画を策定。

2 策定の目的

「読んでみたいと思う本が、子どもの周りにある」「本を紹介する人が、子どもの周りにいる」という観点から読書環境づくりを進めることにより、子どもたち自身が本のおもしろさに気づき、読書が好きな子どもの割合が増えることをめざす。

3 位置づけ

第1次計画(策定は法律による努力義務)の後継計画であり、「大阪の教育力」向上プラン(重点項目31)の具体的な推進計画でもある。

第2章 第1次計画期間中の取組み・成果と課題

○成果

・ボランティア支援事業の増加等市町村立図書館の取組みが進んだ
・学校図書館と公立図書館の連携(特に小学校への本の貸出)が進んだ

○課題

・公民館等地域における子どもが本とふれあえる場づくりは十分といえない
・学校図書館の運営体制の整備など、学校図書館の機能向上に向けた取組みは十分といえない

第3章 子どもの読書活動の現状~「大阪府における子どもの読書活動推進の取組み調査」から~

○保健センター、幼稚園・保育所での取組み(就学前)

・保健センターや幼稚園・保育所での読み聞かせは行われているものの、保護者啓発の取組みは十分といえない。

○学校での取組み(就学期)

・半数程度以上の学校図書館で平日に毎日開館されているものの、さらなる開館日・開館時間増に向けた学校図書館運営体制の整備や、学校図書館を利用した読書指導が十分といえない。

○地域での取組み

・公民館等社会教育施設での読書活動推進の取組みは十分といえない。
・公立図書館は学校等との連携を進めているものの、公民館等社会教育施設は連携のさらなる充実を求めている。

 

第4章 基本的方針

 公立図書館と学校等との連携や、ボランティアと学校等との連携などを一層強化して、「本がある、人がいる」ことを柱とした読書環境づくりを社会全体で進め、子どもの自主的な読書活動の推進を図る。
 大阪府としては、第5章に示す具体的方策を実施して支援する。また、市町村立図書館等の取組みの参考となるよう、子どもや保護者を直接対象としたモデル的取組みを行う。

第5章 子どもの読書活動推進のための具体的方策

(注)●は大阪府の取組みの方向性、・は大阪府の具体的方策の抜粋

■府立図書館

・学校図書館のニーズに合わせた学校支援サービスの充実
・市町村立図書館職員と司書教諭・学校図書館担当職員(学校図書館司書等)の合同研修
・子どもの読書に関わる研修会等への講師・司書の派遣
・1年間に出版された「新刊紹介」の講座の実施、子どもにすすめる本のリスト「ほんだな」や情報提供誌「はらっぱ」の発行

■保健センター

●子どもが、乳幼児期から絵本とふれあえる環境づくりを支援します
●保護者が、子どもと一緒に絵本を読む意欲を高められるよう支援します
  ・健診等での保護者に絵本のおもしろさや大切さを伝える取組みの事例の収集・情報提供
  ・保護者と乳幼児が、一緒に絵本を読むことができる環境づくりの事例の収集・情報提供

■幼稚園・保育所

●多くの本がある環境づくりを支援します
●園児等がさまざまな本と出合うことができる機会の充実を支援します
●保護者に対して、子どもが乳幼児期から本とふれあうことの大切さを実感してもらえる取組みを支援します
  ・絵本の蔵書を充実させる方法や、絵本ルームの環境整備の事例の収集・情報提供
  ・司書や講師を派遣し、幼稚園教諭や保育士等職員の研修や保護者向けの読み聞かせ講座等の支援

■学校

●学校図書館利用計画の作成に基づく読書指導のさらなる充実を促し、児童・生徒の自由な読書活動を促進します
●すべての教職員による学校図書館の運営体制づくりやボランティアとの連携を促進します
●公立図書館と連携する具体的な方法やメリットの周知を進めます
●司書教諭はもとより、すべての教職員が読書活動推進の重要性を共有することをめざした取組みを促進します

【府立学校に対して】
・公立図書館やボランティアとの連携等の取組み事例等を掲載した「学校図書館活性化ガイドライン」(仮称)を新たに作成・配付し、学校での取組みの促進
【市町村教育委員会・市町村立学校に対して】
・すべての教職員による学校図書館の運営事例や、ボランティアとの連携による学校での読書活動の推進事例などを収集・整理し、読書フォーラム等を通じて市町村教育委員会や学校等へ情報提供
【国立・私立学校に対して】
・先進的な取組み事例等の情報提供
【すべての学校に対して】
・学校図書館の蔵書に関わる選書アドバイスを行うとともに、講師を派遣し、ブックトークなどの教職員研修の支援
・とりわけ公立学校教職員等を対象に、府立中央図書館のレファレンス機能や資料の活用方法についての研修の実施

■公民館・公民館類似施設・青少年教育施設

●公民館等社会教育施設と公立図書館・ボランティアとの連携事業を促進します
・公立図書館やボランティアと連携して読書活動推進の取組みを行っている公民館等の事例を収集し、市町村教育委員会や公民館等へ情報提供
・府立中央図書館と府立少年自然の家の連携による「絵本づくり」等を題材としたモデル事業を行うとともに、同様の事業が各市町村でも展開されるよう情報提供

■公立図書館

●学校等における公立図書館の豊富な本の活用を促進します
●専門的知識を持った司書等による学校等への支援を促進します
・子どもの読書活動に関わる市町村立図書館等職員・司書教諭・学校図書館担当職員(学校図書館司書等)などを対象に、学校等へのより効果的、効率的な支援方法などについての合同研修の実施
・学校等に対して、市町村立図書館等が行った支援の事例を収集・情報提供

■市町村教育委員会

●学校教育担当者と社会教育担当者をはじめとする推進組織づくりを促進します
●図書館司書や司書教諭を対象とした研修を促進します
・社会教育主事や図書館司書(社会教育担当者)と子どもの読書活動推進担当指導主事(学校教育担当者)との連絡会等の好事例を収集し、各市町村主管部課長会議等で情報提供
・講師・司書を派遣し、子どもの読書に関わる研修の支援

第6章 おわりに

大阪府子ども読書活動推進連絡協議会を継続設置し、本計画の進捗管理を行うとともに、より効果的な推進方策について協議する。取組みを進めるにあたっては、一人ひとりの子どもの幸せや、子どもが生きていく励ましや喜びに、本が役立ってほしいということを常に意識していく。