としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2009年8月掲載 |
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旅に出よう!ふるさと発見・再発見 |
知らない街を訪ねる旅、生まれ故郷に帰る旅、8月は旅の季節です。出発の前にこんな本はいかがでしょうか。旅先で出会う景色が一味違ったものになり、新しい発見があるかも知れません。
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顔出し看板大全カオダス まちのキャラクター金太郎から「ひこにゃん」まで |
滋賀県「顔出し看板」発掘再生新規開発委員編 サンライズ出版 2007年3月刊 |
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誰もが知っている、観光地で穴から顔をのぞかせて写真を撮るあの「顔出し看板」。滋賀県の顔出し看板にスポットライトをあて、徹底分析したのがこの本です。 顔出し看板のモチーフには、歴史上の人物や、忍者などの歴史キャラクター、名産の動植物や商品など、実に様々な種類があり、日本の写真文化との関連も興味深く感じられます。 今度の旅行でおもしろい顔出し看板を見つけたら、早速顔を出して、ご当地気分を満喫してみてはいかがでしょうか。
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ふるさとは、夏 (福音館創作童話シリーズ) |
芝田勝茂作 小林敏也画 福音館書店 1990年7月刊 |
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夏休みを父のふるさとで過ごすことになった少年、みち夫。はじめて訪れる村、はじめての方言にとまどう彼は、なかなか周囲と打ち解けることができず、孤独感を強めていきます。そして村の伝統行事「バンモチ」でいやな思いをし、「もう帰る!」「こんなところ大きらい!」と気持ちを爆発させたときから、生活が一変します。 ある謎ときをすることになったみち夫は、村に古くから住む「神様」たちと次々に出会います。神様たちは謎ときに関係のあることもないこともいろいろしゃべりますが、その対話をヒントにして、彼は物事に対する見方をしだいに変えてゆきます。
主人公がふるさとを知っていく姿を内面から描きつつ、さらにはもっと根本的なこと―相手の気持ちに思いをはせて汲み取ることの大切さ、コミュニケーションの奥深さについても伝えてくれる、ユーモラスで温かい作品です。
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ローカル線ガールズ |
嶋田郁美著 メディアファクトリー 2008年1月刊
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地元住民や自治体に支えられて復活したえちぜん鉄道、通称えち鉄には、アテンダントと呼ばれる女性接客乗務員がいます。華やかなイメージのアテンダントですが、乗客に受け入れられるようになるまでには、紆余曲折がありました。彼女たちは、車内アナウンスについて研究を重ねたり、沿線の情報を「調べる隊」を結成したり、「自分たちに何ができるか」を常に模索し、たゆまぬ努力を重ねていきます。地元住民と共に在り続けようとする真摯な思いが、これからのえち鉄の未来、更にはまちづくりに繋がっていくのかもしれません。 ローカル線の再生については、ほかにも『がんばれ!銚子電鉄』(向後功作著 日経BP社 2008年2月刊)などがあります。
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津軽 (新潮文庫) |
太宰治著 新潮社 1968年7月刊 |
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今年生誕100年を迎えた太宰治が36歳のときに、ふるさとの津軽へ旅をしたときの紀行文的小説です。旧友や恩人といった「忘れ得ぬ人」たちとの出会い、愛憎半ばする故郷、生家への思い、自らの過去が懐かしく語られます。この旅は太宰にとって「津軽人」である自分を発見する機会になりました。子守の「たけ」と30年ぶりに再会する場面が圧巻です。(初版:小山書店 1944年刊) イギリス人作家のアラン・ブース氏が太宰の『津軽』の足跡をたどった紀行文『津軽 失われゆく風景を探して』(アラン・ブース著 柴田京子訳 新潮社 1992年10月刊)もあわせてご覧ください。
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明治日本旅行案内 上巻 カルチャー編・中巻 ルート編1・下巻 ルート編2 |
アーネスト・サトウ編著 庄田元男訳 平凡社 1996年10〜12月刊 |
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幕末から明治期にかけての動乱の日本を、駐日イギリス外交官として見つめ続けたアーネスト・サトウによる、当時の外国人旅行者のための日本ガイドブックです。 本書が書かれた1884年(明治17年)は、鉄道が整備されつつあると同時に馬車や駕篭(かご)、「俥」(くるま)と呼ばれる人力車も現役でした。こうした交通手段や宿についての極めて実用的な案内に加えて、日本の動植物、宗教、美術等についての、サトウを始めとする当時の一流の日本研究者による驚くほど詳細な解説が掲載されています。
紹介されている旅行のルートは、都市近郊や街道沿いにとどまらず、日本アルプスの峰々に登り、海を越えて北海道に渡るなど、実に64ルートに及びます。 異邦人であるサトウらの日本発見の旅は、100年以上の時を経て現代の私たちを日本再発見の不思議な旅に誘います。
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日本全国ご当地キャラクター図鑑 |
新紀元社 2009年5月刊 |
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この本は、近頃人気の日本全国ご当地キャラクターを、一覧して探すことができる資料です。巻末には、キャラクター名で探せる索引もついています。
このほか、『きぐるみのほん。』(イカロスMOOK イカロス出版 2009年4月刊)には、ひこにゃん、せんとくんなど人気の「きぐるみ」だけではなく、イラスト、ロゴマークまで47都道府県180キャラクターが登場。大阪府からは「そらら」「センキョン」「トライくん」が紹介されています。 『ご当地コスチュームキューピー完全カタログ700 地域限定から大学限定までキューピーマニア待望の1冊!!』(世界文化社 2007年1月刊)には、集めに集めたり、ご当地コスチュームに身を包んだキューピー700体のカラー写真が掲載されています。
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「山口市営P」DOCUMENT 長期ワークショップmeet the artist 2008ツアー・パフォーマンス公演(DVD) |
高山明構成・演出 山口情報芸術センター(制作) 2009年刊
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解説にいわく、「『ツアーパフォーマンス』とは、劇場で観客席に座りながら鑑賞する公演ではなく、商店街を舞台にしてピクニックのようなツアーに出かける新しいタイプのパフォーマンス作品です。」
タイトル中の「山口市営P」とは駐車場? そのとおり、駐車場が出てきます。商店街も出てきます。この映像作品の中では、3人の「旅人」が、通常とは違ったやり方で駐車場と商店街をめぐり歩きます。「P」の文字はこの小さな旅のキーワードであり、旅人へのヒントとしてひんぱんに登場します。
すごいBGMもなく、曲がり角から怪人が現れるということもない静かな作品ですが、小さいときに秘密基地を作ったこと、天井裏をのぞきこんだこと、屋根に上って歩いてみたことをちょっと思い出させてくれます。
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