としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2009年4月掲載
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 エイプリルフールにちなんで・・・『嘘』の本
 4月1日はエイプリルフール。人を楽しませる嘘やジョーク、周りの人を思うからこそついてしまう嘘、人をだます犯罪の嘘など、いろんな嘘を集めてみました。
 
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世界のエイプリルフール・ジョーク集(中公新書ラクレ)
鈴木拓也著 中央公論新社 2008年3月刊
『世界のエイプリルフール・ジョーク集』表紙画像
 この本では、実際に報道・公開された、エイプリルフールの「ウソ記事」「ジョーク広告」が紹介されています。イギリスではほとんどの全国紙が、手の込んだ虚構の記事を掲載するそうですが、それだけ多くの読者が、この日を楽しみに待っているということでしょうか。普段は真面目な報道機関や、企業の広報部が、風刺あり、揶揄あり、誇張あり、エイプリルフールを楽しみたい人々の期待に応えるべく創作する傑作ジョークの数々をお楽しみください。

 
だまし絵サーカス(講談社の翻訳絵本)
ウォーレス・エドワーズ作 神戸万知訳 講談社 2009年1月刊
『だまし絵サーカス』表紙画像
 ネズミの団長オジャ・マウス率いる世にも不思議なサーカス団。竹馬乗りのヒキガエルやいろんな顔を持つ蝶など、目の錯覚を利用した、あっ!と驚く場面が次々と登場します。本を上下さかさまにしたり回したり、目を凝らしてサーカス一座のトリックを見破ってください!もっとリアルなだまし絵をご覧になりたい方は『錯視芸術の巨匠たち 世界のだまし絵作家20人の傑作集』(アル・セッケル[編]著 坂根厳夫訳 創元社 2008年4月刊)もお楽しみください。

 
海の擬態生物 海中生物の美しく不思議な変身術(子供の科学★サイエンスブックス)
伊藤勝敏写真・文 海野和男監修 誠文堂新光社 2008年5月刊
『海の擬態生物』表紙画像
 オニカサゴは藻類が生えた岩肌に似せた姿をし、マダラエソは周りの環境に合わせて体色を変え、身を隠します。タツノオトシゴは海底で揺れる海藻にそっくり。海中生物の擬態の見事さは芸術的で、彼らがその技をどうやって身に付けたのか不思議なほどです。
 ほかにも、サンゴや岩など周囲の環境に同化して自分の存在を隠すもの、より派手な体色に変化して毒のある魚のふりをするもの、本物の目以外の場所に目玉模様をつけて捕食者から逃れやすくするものなど擬態には様々な種類があり、小魚が大勢で群れて巨大な魚に化けることもあります。
 海の生物の華麗なるだまし合いの世界をお楽しみください。

 
嘘つきヤコブ 生きぬくための愛の嘘(ビデオ)
フランク・バイヤー監督 ウラディミル・ブロドスキほか出演 郁文堂 [2000年12月]販売
『嘘つきヤコブ』外観画像
 1974年に東ドイツで制作された本作品は、主演のウラディミル・ブロドスキが翌年のベルリン映画祭で男優賞を受賞、1977年度アカデミー最優秀外国映画賞推奨作品にも選ばれました。
 ユダヤ人ゲットーで、ふとしたことから「ラジオを隠し持っている。解放の日がだんだん近づいてきている。」と嘘をついてしまったヤコブ。その嘘は抑圧された非人間的な日々に希望をもたらし、自殺者を減らします。
 ナチス・ドイツの強大な権力の下に、驚くほどたくさんの人々が、それぞれにこつこつと築いてきた生活・財産・文化・愛情・人間としての尊厳・生命さえも、理不尽に奪われてしまう恐ろしさ、無力感。
 凄惨な史実を背景にしながら、愛らしい少女や、少女を喜ばせようとラジオ番組を熱演する初老の男、失われた豊かな生活の回想などが、印象的な作品です。(制作:法政大学研究推進室) 

 
データはウソをつく 科学的な社会調査の方法(ちくまプリマー新書)
谷岡一郎著 筑摩書房 2007年5月刊
『データはウソをつく』表紙画像
 この本では、いしいひさいち氏の4コマ漫画が引用され、各章に1編ずつ登場します。真面目に調査・研究しているつもりでも、いつのまにか、漫画のオチのように、トンチンカンなことになっていないか? アンケート調査やニュースの数字の信頼性を判断するには、「リサーチ・リテラシー」=「数字を利用してウソをつく人々を見分ける能力」=「ツッコミを入れる能力」が必要、と解説しています。ちくまプリマー新書は中高生向けの出版ですが、大人にも読みごたえのある1冊です。
 同じテーマで成人向けの新書としては、ほかに、『データの罠 世論はこうしてつくられる(集英社新書)』(田村秀著 集英社 2006年9月刊)、『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ(文春新書)』(谷岡一郎著 文芸春秋 2000年6月刊)なども所蔵しています。

 
イマイと申します。 架空請求に挑む、執念の報道記録
日本テレビ『報道特捜プロジェクト』編著 ダイヤモンド社 2005年8月刊
『イマイと申します。』表紙画像
 嘘にも色々ありますが、「詐欺」は嘘から始まる犯罪といってもいいのではないでしょうか。この資料はサブタイトルにある通り、架空請求に挑む、執念の報道記録です。悪徳業者とのやりとりが克明に再現され、恐怖をおぼえつつも、ついつい引き込まれ、一気に読んでしまう一冊です。読後には、嘘を積み重ねていく「架空請求」などの犯罪に巻き込まれないために、対策も必要と感じさせられます。
 また、ビデオ「撃退!架空請求 ある悪質業者の手口」(東京都消費生活総合センター企画 東京都消費生活総合センター活動推進課学習推進係 2004年度制作)では、対策のポイントがわかりやすく紹介されています。「定額給付金詐欺」なども、心配される今日この頃、あわせてご活用ください。

 

作成:資料情報課


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