としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2009年3月掲載
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 人形
 三月三日は桃の節句。ひな人形を飾られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は「人形」をテーマに集めてみました。ひな人形からリカちゃん、ロボットまで、お楽しみください。
 
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ひな人形の世界 6
徳島市立徳島城博物館編集 徳島市立徳島城博物館 2006年2月刊
『ひな人形の世界』表紙画像
 徳島市立徳島城博物館で開催された展覧会の図録です。これ以外の、同博物館で2001年から2007年に開催されたひな人形の展覧会の図録も合わせて所蔵しています。貸出できない資料ですので、館内でごゆっくり、ひな人形の世界をご堪能ください。衣装はもちろん、表情も様々な人形達をご覧いただけます。
 なお、この図録は、出版元よりご寄贈いただきました。大阪府立図書館は、資料を永久保存する公共図書館であることから、非売品はもちろん、市販品でも店頭に並びにくい資料(図録など)を、たくさんご寄贈いただいています。様々な方に支えられて図書館は成り立っています。

 
文楽のかしら 国立文楽劇場所蔵 (古典芸能入門シリーズ3)
吉田文雀監修・解説 日本芸術文化振興会 2006年2月刊
『文楽のかしら』表紙画像
 ユネスコの世界無形遺産にも指定されている「文楽」は大阪生まれの芸能です。
 文楽の魅力は大夫の語り・三味線の音色・筋書きなどいくつもありますが、人形の美しさもそのひとつです。この本は国立文楽劇場に所蔵されている文楽のかしらを「文七」「源太」「娘」といった種類別に紹介し、解説を加えています。
 同じかしらでも髪型や仕掛けの有無により変化がつけられ、いくつかの役柄に使われます。舞台写真も掲載されていますが、人形遣いの技ともあいまって、人間よりも人間らしい一瞬の表情に、眺めていて時が経つのを忘れるほどです。
 紹介されている多くのかしらは4代目大江巳之助氏の作によるもので、長男おおえまさのり氏著の同氏の伝記『木偶の舞う夢 最後の文楽人形師大江巳之助の世界』(共同プレス 1998年1月刊)も所蔵しています。あわせてご覧ください。

 
マリオネット
ガブリエル・バンサン作 BL出版 1993年6月刊
『マリオネット』表紙画像
 この絵本はひとりの少年とあやつり人形の大道芸人との交流を描いた作品です。文字がなくスケッチ画だけで構成されています。その画はシンプルでありながら、喜怒哀楽の表情が実に見事で、ページをめくるごとに少年とおじさんの会話や街の生活音が聞こえてくるかのようです。読み手ひとりひとりが多様な発想で物語と向き合えるのも、文字のない絵本の魅力といえます。読み終わった後は、心が熱くなり、忘れかけていた何かをきっと思い出すことでしょう。同じ手法で描かれている『たまご』『アンジュール』といった作品もお薦めします。

 
からくり 見る・作る・遊ぶ
特別展「からくり-見る・作る・遊ぶ-」実行委員会 2007年7月刊
『からくり』表紙画像
 ロボットのルーツはここ? 日本には昔から、お客様にお茶を出す「茶運び人形」など、すばらしいからくりの技術がありました。本書は、日本各地から精巧なからくりを集めて、平成19年7月28日(土)〜9月9日(日)に名古屋市博物館で開催されたからくり展覧会の図録です。貸出できない資料ですので、館内でご覧ください。
 『からくり人形 微笑に隠された江戸ハイテクの秘密 学研グラフィックブックス 2』(鈴木一義著 大塚誠治写真 学研 1994年7月刊)ほか、貸出可能な類書も所蔵しています。

 
アンドロイドサイエンス 人間を知るためのロボット研究
石黒浩著 毎日コミュニケーションズ 2007年9月刊
『アンドロイドサイエンス』表紙画像
 表紙は著者のそっくりさん「ジェミノイド」です。本書では、ロボカップでも優勝経験のある著者が、人間とロボットについて考察し、家族や自分自身をモデルに「ロボット」を開発、研究していく過程や、ロボットのこれからについて語ります。こどもをモデルにしたアンドロイドが本人から怖がられてしまう話など、研究周辺のエピソードも書かれていて、読み応えのある一冊です。

 
リカちゃん完全カタログ 30th anniversary
タカラ監修 ぶんか社 1996年12月刊
『リカちゃん完全カタログ』表紙画像
 本書の発行は10年以上前ですが、その後リカちゃんのデザインに大きな変更はないため、今もって「完全」と言っても差し支えないでしょう。1967年に初登場した初代リカちゃんから現在の4代目、1年で消えた5代目まで、オールカラーの写真で順を追って変遷をたどることができます。
 リカちゃんだけでなく、家族・友達・住んでいる家(=憧れの生活)も、時代につれ変貌しています。リカちゃんのパパは、フランス人で別れて住んでいるという設定のみ存在し、人形として初めて作られたのは、リカちゃん誕生から22年後の平成元年だったというのも時代を映す鏡として象徴的です。
 仮想現実がよりリアルに体験できるテレビゲーム全盛の時代においても、いまだに遊び続けられるリカちゃん人形。子ども時代の一時期をリカちゃんと過ごした人にとっては懐かしさとともに、昭和40年代から現在に至る、日本の家族が経てきた変化を考えさせてくれる一冊です。

 
ミニチュアの世界 小さな愛しきもの達 (創作市場別冊23)
マリア書房 2007年4月刊
『ミニチュアの世界』表紙画像
 ミニチュアの本はたくさんありますが、今回は、最近の一冊から、本物と間違えそうな、精巧なミニチュアの写真をカラーで掲載したこの本をご紹介します。職人技の本格的なミニチュアの世界をお楽しみください。巻末には、ジャパンギルド(日本ミニチュア作家協会)の紹介があります。

 

作成:資料情報課


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