としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2009年2月掲載
 ☆他の号はこちら としょかんせんなりびょうたんINDEX
 
 
 暦の上では春とはいえ、寒さは本番。2月号のテーマは「氷」です。大自然の氷、おいしい氷、熱き闘いの舞台となる氷等々、いろいろな氷をお楽しみください。
 
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氷彫刻の世界日本氷彫刻会編
 北海道新聞社 1997年4月刊
『氷彫刻の世界』表紙画像
 冬の北海道といえば、何を思い浮かべるでしょう?
 網走の流氷?札幌の雪祭り?
 いろいろありますが、旭川では「冬まつり」が行われ、毎年そこで氷彫刻の世界大会が開かれています。
 本書では、その氷彫刻の魅力をあますところなく紹介しています。
 48時間という時間制限の中で、時間と、そして、寒気だけではなく暖気とも戦う参加者達。(暖かいと氷が溶けてしまうのです)
 その戦いの結果生み出された作品群が、暗闇の中に光輝く姿は、この世のものではないような幻想的な魅力にあふれていて、写真集としても、楽しめます。
 もし、氷彫刻に興味をもたれた方は「氷彫刻のテクニック」として、作り方も掲載されていますので、来年の大会に挑戦してみてはいかがでしょう。

 
カーリングガールズ 2010年バンクーバーへ、新生チーム青森の第一歩
高野祐太文・写真 エムジー・コーポレーション 2007年3月刊
『カーリングガールズ』表紙画像
 氷上のスポーツと言えば、スケートやアイスホッケーなどが浮かびますが、2006年の冬季トリノオリンピックで注目を集めたカーリングもその一つです。
 本書では、一躍脚光をあびたカーリングチーム「チーム青森」のメンバーの紹介はもちろん、カーリングがどのように普及してきたのか、どんな練習をするのかといった、ニュースなどからだけでは知ることのできないカーリングの世界を垣間見ることができます。
 読み終わると、来年の冬季バンクーバーオリンピックが楽しみになる1冊です。

 
しぶき氷 猪苗代湖・不思議な氷の世界
小荒井実 写真・文 歴史春秋出版 2006年1月刊
『しぶき氷』表紙画像
 広大な湖の、穏やかなときでも絶えずうねりや波のある水面が、厳寒の中で生み出す、さまざまな形の氷。蓮の葉のように見える「蓮の葉氷」、糸をたくさん浮かべたような「白糸氷」、湖岸にふりかかる水しぶきが凍り付く「しぶき氷」、おいしそうなお団子に見える「団子氷」など、自然の造形がカラー写真で掲載されています。著者による観察ガイドや、なぜこんな形の氷ができるのかについて、地形や気候条件などを考察した解説もついています。

 
5000年前の男 解明された凍結ミイラの謎
コンラート・シュピンドラー著 畔上司訳 文藝春秋刊 1994年5月
『5000年前の男』表紙画像
 1991年9月、考古学における20世紀の最も重要な発見と後に言われる、1体のミイラがアルプスの氷河から姿を現します。氷河は常に溶けたり凍ったりして動いており、100年以上氷の中に閉じ込められたままでいることは珍しいそうで、「彼」もはじめは遭難者として法医学者の手に委ねられます。ところが調査が進むにつれ、なんと5000年前、先史時代の人物であったことがわかります。現場は窪地であったため、氷河の強大な力を受けずにすんだのです。
 ふつう埋葬時に棺に入れられた副葬品・着衣と、日常使っているものは必ずしも同じではありません。埋葬されなかった彼の身体の刺青、治療跡、着物、持ち物等々は、5000年前の実際の生活を知るための貴重な資料となります。作りかけの矢や作成道具、着物に付着していた穀物などから、先史時代の彼の暮らしが再現されていきます。著者である考古学者シュピンドラー博士は、死者の尊厳への配慮も忘れません。
 そして、ビデオ「アルプス氷河のアイスマン(BBC education & training)」(オリジナル制作年 1992年グローバルメディア・システムズ)は、ちょっと荒っぽい(?)遺体収容時の様子や、遺物をつぶさに見ることができる、ドキュメンタリー映像です。シュピンドラー博士も登場しています。あわせてご覧ください。

 
ヒマラヤと地球温暖化 消えゆく氷河
中尾正義編 昭和堂 2007年3月刊
『ヒマラヤと地球温暖化』表紙画像
 地球温暖化が進むと、南極・北極の氷がとけ海面が上がるというのが一般的なイメージですが、実は、海面上昇に大きな影響があるのは、極地よりも、陸上にある高山の氷河だといいます。
 中でもヒマラヤの氷河はモンスーン気候帯にあり、夏に降る雪で維持されているため、ほんの少しの気温上昇にも敏感で、世界のどこよりも早いスピードで氷河が消えつつあるとのこと。
 そのため現在の主流である欧米の氷河の研究をベースにした海面上昇の予測よりも、はるかに厳しい結果がもたらされる懸念があるそうです。
 この本は、ヒマラヤの氷河が消えゆく原因を様々な観点から説き明かしており、読めば私達の身近な暮らし方を改めて考え直す機会になるかもしれません。

 
アイスクリーム図鑑
黄建勲撮影 日本アイスクリーム協会 1996年刊
『アイスクリーム図鑑』表紙画像
 かつて、アレキサンダー大王は、山から運んだ氷雪に果汁と糖蜜を加えたものを兵士に与え士気を高めたとか。この本は、アイスクリームの歴史や作り方はもとより、様々なバリエーション、イベント用のアレンジ、フレーバーやトッピングのあれこれ、器や道具、各国アイスクリーム事情にいたるまで、アイスクリームにまつわるあらゆることが紹介されています。寒い冬に暖かい室内で、薀蓄をかたむけながら、アイスクリームを楽しむのは現代でもなお最高の贅沢といえるかもしれません。(この本は2006年7月「夏にちなんだ本」でもご紹介しました人気の本です。)
 こども向けの本としては、『アイスクリームの絵本 つくってあそぼう』(みやちひろひとへん 農山漁村文化協会 2005年3月刊)もあります。この冬はアイスクリーム作りを楽しんでみてはいかがでしょうか?

 
かき氷の魔法 世界一短いサクセスストーリー
藤井孝一著 幻冬舎 2005年8月刊
『かき氷の魔法』表紙画像
 夏休みの暑い日、主人公の小学生は自分で作ったかき氷がおいしかったので、一杯百円でかき氷のお店を始めることにしました。親に相談せずに決めたので、お母さんには「子どもの仕事は勉強」と叱られてしまいますが、お父さんは協力的で、お金を増やすことを条件に息子に開店資金を投資します。材料を買い込み、助っ人も現われ、順調な滑り出しでしたが、ライバル店の出現、親友への報酬などリスクも生じ、途中でくじけそうになります。果たしてお店は成功するのでしょうか!?
 終身雇用の崩壊、突然の解雇と、今、日本でも安心して働けない状況が続いています。経営コンサルタントでもある著者は、これからの若者には「起業力」を身につけて「信頼」を得る大切さを学んでほしいという思いでこの本を書かれたとのこと。子どもだけでなく起業を目指す方は必読です。

 

作成:資料情報課


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