としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2008年11月掲載
 ☆他の号はこちら としょかんせんなりびょうたんINDEX
 
 ひょうたん
 今回のテーマは、このサイトの名前にちなんで「ひょうたん」です。
 1階エレベータ横に、このページの掲示を始めました。本物のひょうたんも、コロコロかかっています。お立ち寄りの際はぜひご覧ください。
 また、INDEXのレイアウトも新しくなりました。これからも「としょかんせんなりびょうたん」をよろしくお願いいたします。
 なお、文中の「ひょうたん」の表記は、ご紹介する資料の表記に従っています。
 
<書名(タイトル)の部分をクリックすると、蔵書検索の書誌詳細表示画面を見ることができます>
 
千成びょうたん わたしの太閤記
古田足日ぶん 田島征三え 童心社 1971年4月刊
『千成びょうたん わたしの太閤記』表紙画像
 サルそっくりで「さるのすけ」と呼ばれた少年は、自らの機転で戦国の世をくぐりぬけていきます。
 歴史的にも有名な、ある出来事の合図にヒョウタンを使ったことから、主人の織田信長にヒョウタンを馬じるしにすることを許されます。
 これが千成ビョウタンのはじまりで、いくさに勝つたびにヒョウタンの数を一つずつ増やしていくのですが・・・。
 さるのすけが藤吉郎になり、やがてあの太閤豊臣秀吉へと成長します。
 児童書ではありますが、さるのすけこと秀吉のわくわくするような活躍が、児童文学の重鎮古田足日の文と、田島征三の迫力のある絵で、大人でも楽しめる1冊です。

 
世界ひょうたん風土記
粟田口省吾 著 本の森 1998年11月刊
『世界ひょうたん風土記』表紙画像
 瓢箪栽培の本を見ていると、瓢箪にはいろいろな種類があることがわかります。千成瓢箪に百成瓢箪、長瓢にイボ瓢、円盤型のUFOなんていうのまで。比較的容易に栽培できるものもあれば難しい大きなものもあり、日に日に成長する楽しい実の形が人を惹きつけるのでしょう。
 この本は、本業は耳鼻咽喉科の医師・大学教授である著者が、瓢箪の種をまいたところ見事な実ができた事からその魅力に憑かれ、長年にわたり考察を続けられたものです。「全日本愛瓢会」会員であり、「瓢歴」この本を書かれた時点で30年。話はウェゲナーの大陸移動説から始まります。引き裂かれ地球上のあちこちに散らばった、瓢箪産地にまつわる薀蓄とともに、秋の夜長を過ごしてみるのはいかがですか?
 瓢箪の栽培・加工方法については、『ひょうたん・へちま−栽培から加工まで』(森義夫著 家の光協会 2000年3月刊)、『百科ヘチマ・ヒョウタン』(堀保男著 ひかりのくに 1994年3月刊)などがあります。
 こどもの本でも『ヒョウタンの絵本』(おおつきよしあき編 やまふくあけみ絵 農山漁村文化協会 2001年3月刊)が、かわいい絵で楽しく、しかし本格的に教えてくれます。

 
海をわたった華花 ヒョウタンからアサガオまで
人間文化研究機構国立歴史民俗博物館編集 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館 2004年7月刊
『海をわたった華花 ヒョウタンからアサガオまで』表紙画像
 ヒョウタンの原産地をご存知ですか?ヒョウタンは、縄文時代の遺跡から果実が出土するほど、日本列島のなかでも古い歴史をもった植物だそうです。そして、水筒などの容器としてだけでなく、楽器として使われたり、厄払いに用いられたりもしたそうです。その他にも、豊富な写真をもとに、ヒョウタンの新たな一面を教えてくれる資料です。
 また、ヒョウタンだけでなく、キクやアサガオといったお馴染みの植物についても、紹介されています。海をわたってきた「帰化植物」に興味をもたれた方は、『帰化植物を楽しむ』(近田文弘編 清水建美編 濱崎恭美編 トンボ出版 2006年11月刊)などもあります。
 なお、今回ご紹介した『海をわたった華花 ヒョウタンからアサガオまで』は貸出できませんので、館内でお楽しみください。

 
The complete book of gourd craft
edited by Ginger Summit & Jim Widess Sterling Pub. 1996
『The complete book of gourd craft』表紙画像
 この本では、水筒、食器、ろうそくたて、貯金箱、楽器、装飾品、お面、人形、そのほか、いろいろな世界のひょうたん工芸が、カラー写真を多用して紹介されています。本文は英語ですが、完成品はもちろん、加工の過程も、彫刻したり、絵を描いたり、ビーズや糸で装飾したり、取っ手をつけたり、と、さまざまな方法がイラストや写真と図解だけでもわかるように解説されており、実際に作る参考になりそうな本です。

 
おおぐいひょうたん
吉沢葉子 再話 斎藤隆夫 絵 福音館書店 1999年1月刊
『おおぐいひょうたん』表紙画像
 この本は西アフリカの昔話をもとにして作られた絵本です。
 少女フライラとお母さんは畑しごとからの帰り道、小さなひょうたんを見つけます。フライラにせがまれて、お母さんがひょうたんをつるからもぎ取ると、ひょうたんはひとりでに動き、フライラの後をついていきます。村に戻ると、「これは、おもしろい」と皆が集まってきました。すると、ひょうたんは突然「にくが、くいたい」と言って、フライラの足に食いついたから村は大騒ぎ!ひょうたんの正体は魔物だったのです。その様子を見ていたお父さんは家畜のところへ逃げるよう叫びます。ひょうたんはフライラの足を離すとヒツジやウシやラクダたちを次から次へと呑み込んでいきました。おばけひょうたんは家畜を全部飲みこんでも、まだ物足りず、またもやフライラを襲います。絶体絶命の大ピンチ!しかし次の瞬間、一匹の生き物が現われて・・・。
 この続きは絵本を読んでお楽しみください。ひょうたんのイメージがガラリと変わるお話ですよ。

 
西遊記 2 金角銀角のひょうたん 決定版! 大型絵本
呉承恩原作 唐亜明 文 于大武 絵 偕成社 2006年3月刊
『西遊記 2 金角銀角のひょうたん 決定版! 大型絵本』表紙画像
 中国四大奇書の一つに数えられる西遊記。日本でも、図書では絵本から完訳版まで、映画や舞台、ドラマ、アニメ、ゲームと、さまざまな形で親しまれていますが、数ある冒険の中で、魔法のひょうたんが登場するのは、この妖怪金角、銀角との戦いの巻です。今回掲載しているのは、中国を代表する絵本作家による作画の絵本の表紙ですが、ほかにもさまざまな作家による絵本、紙芝居、小説、翻訳、翻案、解説を所蔵しています。
 日本でも、ひょうたんを題材にした民話は全国各地に残っていますが、ひょうたんからたくさんの宝物が飛び出す『宝ふくべ』『ひょうたん長者』、ひょうたんの中に別世界がある『ねずみのくれたふくべっこ』などは、絵本で楽しむことができます。

 
ひょっこりひょうたん島 海賊の巻 全4巻 (DVD)
(書名の部分をクリックすると第1巻の書誌詳細表示画面にジャンプします)
井上ひさし作 山元護久作 NHKソフトウェア発行 2003年8月刊
『ひょっこりひょうたん島 海賊の巻』外観画像
 ある日、5人の子供たちがサンデー先生とピクニックにひょうたん島へやって来ました。突然「ひょうたん火山」が爆発!ひょうたん島は、大海をあてどもなくさまよい始めます。
 そこへ、いろんな人が集まってきます。殺し屋のマシンガン・ダンディー。海賊トラヒゲ。大政治家のドン・ガバチョ。
 ひょうたん島の住人は、様々な場所で様々な人と出会い、大変な危機や大冒険に巻き込まれます。でも、どうにか乗り越えるとみんな仲良しになって、一緒に島に住んだり、再出発を励ましたりします。そんな「共生」の考え方が、このお話の大きな魅力かもしれません。
 オリジナルは1964年〜1969年まで放映され、台本はみつかった回のみ『ひょっこりひょうたん島』(全13巻)(井上ひさし・山元護久著 ちくま書房 1990年12月刊)に収録されていますが、映像は現存せず、このDVDは1991年のリメイク版の一部です。リメイクではありますが、色あせないユートピアの世界をお楽しみ下さい。


作成:資料情報課


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